日本語入力システムの概要とセットアップ

Wnn6 の構成

Wnn6 は、 ユーザーの入力処理を行うクライアント (Wnn6/Htt) と、かな漢字変換を行うサーバー (jserver) からなるクライアント / サーバー方式で構成されています。jserver は、辞書引き専用サーバー (wnnds) と共に使用することができます。

クライアント / サーバー方式により、複数のクライアント (Wnn6/Htt など) からのかな漢字変換要求を、1 台のマシンで動いている jserver で処理することができます。

図 1-2 サーバー / クライアント方式の Wnn6

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jserver のかな漢字変換機能を使って日本語入力処理を行うには、ユーザーとのインタフェース部分でアプリケーションプログラムが必要になります。このアプリケーションプログラムがクライアントに相当します。Solaris では、アプリケーションプラグラムとして Wnn6/Htt と uum を提供しています。

Wnn6/Htt は X ウィンドウシステムで動く複数のクライアントに対して、日本語入力環境を提供します。Wnn6/Htt からは、Wnn6 辞書ユーティリティ、Wnn6 設定ユーティリティなどのユーティリティプログラムを起動することもできます。 uum は、漢字端末や X ウィンドウシステムの exterm などの個々のウィンドウ上で動作します。

辞書への単語登録と単語削除は、辞書ユーティリティ wnndictutil で簡単に操作できます。また、辞書コンバータ wnnotow を使って、ATOK8、ATOK7、cs00、VJE-delta、EGBRIDGE のユーザー辞書ファイルを、 Wnn6 でも活用することができます。

Wnn6/Htt から、キーの割り当ての設定や、かな漢字変換実行の環境 (辞書の指定、変換パラメータ値の設定など) のカスタマイズを行うことができます。その他の環境についても、Wnn6 設定ユーティリティ wnnenvutil を使って、カスタマイズを簡単に行うことができます。

Wnn6 のシステム構成の概略図を図 1-3 に示します。

図 1-3 Wnn6 のシステム構成

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