PCMCIA メモリカードのフォーマット方法、およびメモリカードとハードディスク間のファイルのコピー方法について、2 つ目の方法を説明します。ここでは、ボリューム管理がシステムで設定されている場合の作業方法について説明します。
PCMCIA メモリカードは、ボリューム管理により自動的に管理されます。したがって、システムから PCMCIA メモリカードへファイルをコピーするために、スーパーユーザになる必要はありません。
PCMCIA メモリカードをソケットから取り外し、そのカードを別のソケットに挿入する場合は、少なくとも 2 〜 3 秒間待ってください。待たないと、ボリューム管理が PCMCIA メモリカードを正しく装着できない場合があります。ボリューム管理が PCMCIA メモリカードを正しく装着できない場合は、必要に応じて vold デーモンを再起動するか、またはシステムをリブートします。また、PCMCIA メモリカードをソケットに挿入した後、すぐに取り外す場合、ボリューム管理はそのソケットを識別することができません。この問題の場合も同様に、必要に応じて vold デーモンを再起動するか、またはシステムをリブートして対処します。
次の各事項を十分に理解してください。
ボリューム管理でサポートされる PCMCIA メモリカードは 1 つだけです。
volcheck(1) コマンドは、PCMCIA メモリカードをサポートします。
PCMCIA ハードウェアは手動機構を使用します。eject(1) コマンドを使用した場合、PCMCIA メモリカードを手動で取り出せるので、ボリューム管理はファイルシステムのマウントを解除することができます。
filemgr(1) は、PCMCIA メモリカードが挿入されている場合、ファイルマネージャのポップアップメニューを表示しません。ただしディレクトリ名を表示して /pcmem/pcmemn ディレクトリ (n は PCMCIA ソケット番号) でファイルを操作できます。
この節では、次の作業について説明します。
ラベルなし PCMCIA メモリカードのフォーマット
PCMCIA メモリカードの再フォーマット
PCMCIA メモリカードの取り付け
ファイルのコピー
PCMCIA メモリカードの取り出し
PCMCIA メモリカードが既にフォーマットされている場合は、先に進んでください。
フォーマット済みの PCMCIA メモリカードを再フォーマットする場合は、「PCMCIAメモリカードを再フォーマットするには」へ進んでください。
format ユーティリティは、PCMCIA メモリカードでは使用できません。fdformat ユーティリティだけ使用できます。
PCMCIA メモリカードを PCMCIA ソケットに挿入します。
コマンドを入力して、希望するファイルシステム (UNIX または MS-DOS) でメモリカードをフォーマットします。
UNIX ファイルシステムを使ってメモリカードをフォーマットするには、次のコマンドを入力します。
% fdformat vol_alias_device_name % newfs /vol/dev/aliases/vol_alias_device_name |
たとえば、UNIX ファイルシステムを使って、PCMCIA ソケット番号 0 で PCMCIA メモリカードをフォーマットするには、次のコマンドを入力します。
% fdformat pcmem0 % newfs /vol/dev/aliases/pcmem0 |
MS-DOS ファイルシステムを使ってメモリカードをフォーマットするには、次のいずれかのコマンドを入力します。
% fdformat -t dos vol_alias_device_name |
または
% fdformat -d vol_alias_device_name |
たとえば、MS-DOS ファイルシステムを使って、PCMCIA ソケット番号 0 で PCMCIA メモリカードをフォーマットするには、次のいずれかのコマンドを入力します。
% fdformat -d pcmem0 |
または
% fdformat -t dos pcmem0 |
PCMCIA メモリカードをいったん取り出してから、挿入します。
この手順は、ボリューム管理にマウントディレクトリ /pcmem/pcmem0 を再マウントさせるために必要です。
また、PCMCIA メモリカードを取り出さずに、次の手順を実行することもできます。次のコマンドを入力します。
% eject pcmem0 % volcheck |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリカードを自動的に再マウントします。
PCMCIA メモリカードが既にフォーマットされている場合、先に進んでください。
PCMCIA メモリカードを PCMCIA ソケットに挿入します。
コマンドを入力して、希望するファイルシステム (UNIX または MS-DOS) でメモリカードを再フォーマットします。
UNIX ファイルシステムを使ってメモリカードを再フォーマットするには、次のコマンドを入力します。
% fdformat -U vol_alias_device_name % newfs /vol/dev/aliases/vol_alias_device_name |
たとえば、UNIX ファイルシステムを使って PCMCIA ソケット番号 1 で PCMCIA メモリカードをフォーマットするには、次のコマンドを入力します。
% fdformat pcmem1 % newfs /vol/dev/aliases/pcmem1 |
また、MS-DOS ファイルシステムを使ってメモリカードを再フォーマットするには、次のいずれかのコマンドを入力します。
% fdformat -U -t dos vol_alias_device_name |
または
% fdformat -Ud vol_alias_device_name |
たとえば、MS-DOS ファイルシステムを使って PCMCIA ソケット番号 1 で PCMCIA メモリカードを再フォーマットするには、次のいずれかのコマンドを入力します。
% fdformat -d pcmem1 |
または
% fdformat -t dos pcmem1 |
PCMCIA メモリカードをいったん取り出してから、挿入します。
この手順は、ボリューム管理にマウントディレクトリ /pcmem/pcmem0 を再マウントさせるために必要です。
また、PCMCIA メモリカードを取り出さずに、次の手順を実行することもできます。次のコマンドを入力します。
% eject pcmem0 % volcheck |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリカードを自動的に再マウントします。
次の表 G-6 は、fdformat ユーティリティオプションの一覧を示します。
表 G-6 fdformat ユーティリティオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-U |
PCMCIA メモリカードを取り出す |
-d |
MS-DOS ファイルシステムをインストールする (デフォルトは UNIX) |
-t dos |
MS-DOS ファイルシステムをインストールする (デフォルトは UNIX) |
cp、rm、diff、ls などのコマンドを使って、PCMCIA メモリカードのファイルのディレクトリ名をコピー、削除、比較、一覧表示できます。
ファイルシステムがマウントされている状態で PCMCIA メモリカードを取り出す場合は、eject(1) コマンドを使用しなければなりません。
マウント中の PCMCIA メモリカードを取り出すと、システムはパニック状態になります。