共通デスクトップ環境は、各種の UNIX (AIX、HP/UX、SolarisTM、UnixWare など) のためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースです。UNIX は強力でポータブルなオペレーティング・システムです。デスクトップを使用することにより、UNIX はかつてないほど使いやすくなります。
デスクトップは Hewlett-Packard、IBM、Novell、および Sun Microsystems の各社が共同で開発したものです。デスクトップは、これらの企業や、UNIX ワークスペースを販売している他の多くの企業によって、標準操作環境として採用されています。
デスクトップ・インタフェースは、UNIX の使いやすさを向上し、一貫性のあるインタフェースを実現します。これには、エンド・ユーザとアプリケーション開発者の双方にとって、数多くの利点があります。その一部を次に説明します。
使いやすいインタフェースにより、ユーザはシステムの使い方をより速く学び、より効率的に使えるようになります。
UNIX プラットフォーム間の一貫性により、ユーザは最小限の困難で、1 台のコンピュータから別のコンピュータに移行できるようになります。また、プログラマは 1 つのアプリケーションを作成し、それを各プラットフォーム向けにコンパイルすればよいので、開発にかかる労力が大幅に削減されます。
デスクトップは Microsoft Windows 環境および IBM OS/2 環境と、できる限りの一貫性を保っています。これにより、ユーザはこれらの環境とデスクトップの間で簡単に移行できます。
他の多くのオペレーティング・システムとは異なり、いくつかの生産性を向上するアプリケーションが内蔵されているので、デスクトップ・ユーザはアプリケーション・ソフトウェアを購入しなくても生産性を高めることができます。
デスクトップの仕様は X/Open 標準団体に提出されているので、デスクトップが「オープン」な仕様であり、ユーザがベンダ独自のソリューションにしばりつけられるというようなことは起こらないことが保証されています。
デスクトップ・ユーザ・インタフェースは Motif のガイドラインに従っています。しかし、Motif はデスクトップの定義は行なっておらず、アプリケーションとウィジェットの基本的な動作だけを定義しています。『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』は、アプリケーションをデスクトップと統合できるようにするためのガイドラインを定義しています。したがって、デスクトップに適合するアプリケーションを作成するには、『CDE 2.1/Motif 2.1 スタイル・ガイドと用語集』と『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』の両方に従ってください。
デスクトップ・インタフェース・ガイドラインに準拠するかどうかは、自発的に決められることです。公式な認定プロセスは存在しません。このスタイル・ガイドと『CDE 2.1/Motif スタイル・ガイドと用語集』のすべての必要なガイドラインを満たすアプリケーションは、デスクトップに準拠していると見なされます。
『CDE 2.1/Motif 2.1 スタイル・ガイドと用語集』は、The Open Group (www.opengroup.com) が規定する、Motif スタイル・ガイド・セットのひとつです。このガイドは『OSG/Motif スタイル・ガイド』を改訂していますが、ガイドライン上の違いはわずかです。
こマニュアルでは、各ガイドラインに、「必須」、「推奨」、または「オプション」という優先順位が付けられています。