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アクセスしやすさ

アクセスしやすさとは、障害を持つユーザが、サービス、製品、および情報の利用を含む重要な生活活動に参加するのを妨げている障壁を取り除くという意味です。

アクセスに対する障壁を除くことは、障害者だけでなく、幅広い人々に役立つことがあります。たとえば、舗道に斜面が付けられるまでは、車椅子の人々が道を渡るのは困難あるいは不可能でした。舗道の斜面は、車椅子の人々だけでなく、自転車に乗っている人々や、ショッピング・カートや乳母車を押している人々にも役立っています。

これと同じように、アクセスしやすいソフトウェアを設計することは、幅広いユーザにとっての利益になります。マウスの代わりにキーボードを使えるようにすることで、キーボード主体の作業を行なっているユーザは楽になります。ポータブル・コンピュータのユーザや、電話の音が響くオープン・オフィスで仕事をしているユーザは、音を聞くことができない場合があります。警告音を利用したり、それに置き代わる視覚的なヒントを用意すれば、聴覚障害者だけでなく、そのようなユーザにも役立ちます。

アクセスしやすいコンピュータ製品の市場は拡大しつつあります。約 4000 万人のアメリカ人が何らかの障害を持っており、年齢構成が高くなるにつれて、老齢による障害を持つ人は増えていきます (55 歳では 25% ですが、65 歳では 50% に上昇します)。

障害を持つユーザは、すべてのコンピュータ・ユーザと同じように、年齢、コンピュータの使用経験、関心の度合、教育程度などはさまざまです。障壁が除かれれば、コンピュータは他のユーザと同じ立場で競争するためのツールになりえます。障害を持つユーザには、エンジニア、芸術家、科学者、デザイナ、法律家、管理業務のアシスタント、ソフトウェア・エンジニアなど、さまざまな職業の人がいます。こうした多様なユーザに共通するのが、コンピュータが毎日の仕事の中で重要な役割を果たしているという点です。

容易なアクセスを提供することは、幅広いユーザにとって利益となるだけでなく、リハビリテーション連邦法の 508 条で定められているように、あらゆる連邦機関との契約条件における必須事項になっています。私企業においても、障害をもつアメリカ人法 (ADA) の下で、現在と将来の従業員のことを考慮すると、同じような配慮が必要となります。