Solstice DiskSuite 4.2.1 ご使用にあたって

Solaris オペレーティングシステムのアップグレード時にシステム起動スライスを検索する方法

ミラー型ルートファイルシステムを使用しているマシンでは、Solaris インストールソフトウェアによって、ルートミラーで使用されているすべてのスライスが、アップグレードで使用可能として表示されます。スライス名に、システムの vfstab や DiskSuite 構成データベースで、同じスライスに使用されているものとは異なるコントローラ番号が含まれる可能性もあります。バグ ID 番号 4046177、4043749、4017614、および 4041649 で、この問題について説明しています。

アップグレード可能なすべてのスライスが同一コントローラ上にある場合、コントローラ番号の相違を無視し、システム vfstab のルートスライスと同じターゲットとディスク番号をもつスライスの選択が可能です。次の手順に従うと、アップグレード時にシステム vfstab を表示し、アップグレードするスライスを事前に選択できます。

  1. Solaris インストールソフトウェアによって、アップグレード可能なスライスのリストが表示されたときに、ウィンドウシステム上で別のシェルを起動するか、またはスライス名を書き留めてから、インストールプログラムを終了します。

  2. コマンドシェルで、インストールソフトウェアによって表示されたスライスのいずれかを /a にマウントします。


    # mount /dev/dsk/slice_name /a
    
  3. システムの vfstab を表示します。


    # more /a/etc/vfstab
    
  4. Solaris インストールプログラムを再起動または再開し、/a/etc/vfstab でルートファイルシステムにマウントしたものと同じターゲットとディスク番号を持つスライスをアップグレードします。

スライスが別のコントローラにある場合、次の手順で、起動スライスになるスライスを特定します。

  1. Solaris インストールソフトウェアによって、アップグレード可能なスライスのリストが表示されたときに、ウィンドウシステム上で別のシェルを起動するか、またはスライス名を書き留めてから、インストールプログラムを終了します。

  2. コマンドシェルで、インストールソフトウェアによって表示されたスライスのいずれかを /a にマウントします。


    # mount /dev/dsk/slice_name /a
    
  3. システムの vfstab を表示します。


    # more /a/etc/vfstab
    
  4. vfstab でルートスライスを見つけ、対応する /devices パスを表示します。


    # ls -l /a/dev/dsk/root_slice_name
    
  5. 次のコマンドを使用して、ミニルートの各スライス名に対応するデバイスパスを特定します。


    # ls -l /dev/dsk/slice_name
    
  6. インストールプログラムを再起動または再開し、システムのルートスライスと同じ /devices パス名、または最も近いパス名を持つスライスをアップグレードします。Solaris 8 と Solaris 2.5.1、2.6 とでは、表示されるパス名がわずかに異なります。また、Solaris 8 では、SCSI デバイスのパス名の末尾が cmdk(7D) ではなく sd(7D) に変更されています。しかし、起動デバイスのパス名に最も近いパス名を選択することは、それほど難しくありません。

不適切なスライスを誤って選択してアップグレードした場合は、旧バージョンの Solaris 環境でシステムが再起動します。その場合、他のスライスで再度アップグレードを行ってください。