ボードを取り外すには、後述するように、ボードに接続されているすべての装置について、そのための準備をして、ボードの構成解除操作と切り離し操作を行う必要があります。
この節では、具体的な作業手順を説明しません。作業手順は、第 2 章「作業手順」で説明します。
ボードの取り外しは、大きく分けて次の 2 つの作業で構成されます。
ボード上の装置の準備。
ボードの構成解除。
現在のところ、インタリーブ方式のメモリーに対して動的再構成を行うことはできません。システムでインタリーブ方式のメモリーが使用されているかどうかを確認するには、prtdiag または cfgadm コマンドを使用します。インタリーブ方式のメモリーが搭載されていないメモリー ボードおよび CPU/メモリーボードは、動的に再構成することができます。
別のボード上に代替資源がない場合は、重要なシステム資源を搭載したボードを切り離すことはできません。たとえば、起動ディスクは重要なシステム資源です。
重要ではないシステム資源を搭載したボードは、その資源に対する代替パスが存在するかどうかに関係なく構成解除することができます。そのためには、システム資源のファイルシステムのすべてをマウント解除し、スワップパーティションを削除する必要があります。 マウント解除する前に、ファイルや装置を開いている処理を終了したり、lockfs(1M) を使用して、ファイルシステムにハードロックをかけたりする必要がある場合もあります。すべての入出力装置ドライバが切り離し可能である必要があります。
システムのスワップ空間は、異なるボード上のコントローラに接続されたディスク上の複数のパーティションとして構成されている必要があります。この種の構成ではスワップパーティションを動的に追加したり削除したりすることができるため、特定のスワップパーティションが重要な資源となることはありません。 詳細は、swap(1M) を参照してください。
メモリーまたはディスクスワップ空間を切り離す場合は、実行中のプログラムが動作を継続するために必要な容量のメモリーまたはディスクスワップ空間が残されている必要があります。
構成解除操作を完了するには、ネットワークインタフェースを含む、そのボード上のすべての入出力装置を手動で終了する必要があります。システムに AP がインストールされている場合は、すべての入出力機能を取り外すボードから代替入出力ボードに切り替えることができます。
ボード上にある構成解除の対象部品を確認するには、prtdiag(1M)、ifconfig(1M)、mount(1M)、ps(1M)、swap(1M) コマンドのいずれかを使用します。prtdiag(1M) コマンドによって情報を得ることもできますが、情報量が少なくなります。
ボードを構成解除されることによって、そのボード上のネットワークインタフェースの使用が自動的に停止するわけではありません。インタフェースは、それぞれ手動で使用を停止する必要があります。
以下の条件に当てはまるインタフェースを構成解除することはできません。その場合、構成解除操作は失敗し、エラーメッセージが返されます。
ネットワークインタフェースがマシンの主ネットワークインタフェースである。すなわち、その IP アドレスが /etc/nodename ファイルに含まれているネットワークインタフェース名に対応している。この場合、マシンの主ネットワークインタフェースを終了すると、ネットワーク情報ネームサービスの動作が妨げられ、その結果として、ftp(1)、rsh(1)、rcp(1)、rlogin(1) などのアプリケーションを使用して遠隔ホストにネットワーク接続することができなくなります。NFS クライアントとサーバーの動作も影響を受けます。
AP メタデバイスにインタフェースが設定されている際に、ネットワークインタフェースが、その AP メタデバイスの有効な代替パスである。ボードを構成解除する際は、AP システムが使用するインタフェースが有効なパスでない必要があります。有効なパスを、構成解除するボード上にないインタフェースに手動で切り替えてください。そのようなパスが存在しない場合は、ifconfig を停止し、AP インタフェースに対して ifconfig unplumb コマンドを実行します。有効なパスを手動で切り替えるには、apconfig(1M) コマンドを使用します。