この章では、SunVTS のインストールと削除方法について説明します。
SunVTS 4.0 は、以下のパッケージからインストールされます。
表 2-1 SunVTS のパッケージ
パッケージ名 |
説明 |
---|---|
SUNWvts |
SunVTS カーネルとユーザーインタフェース、テストの 32 ビットバイナリ版が含まれている主要パッケージです。SunVTS を実行するには、必ずインストールする必要があります。 |
SUNWvtsx |
SunVTS テストの 64 ビットバイナリ版と SunVTS カーネルが含まれています。64 ビットの実行をサポートするシステムにインストールしてください。SunVTS の 32 ビット機能だけを使用する場合は必要ありません。このパッケージは、64 ビット版の Solaris オペレーティングシステムがインストールされていないシステムにインストールすることはできません。 |
SUNWodu |
オンライン状態のシステムをテストするための SunVTS オンライン診断ユーティリティが含まれています。また、オンライン機能を利用するには、以下に示すとおり、正しい configd パッケージ (SUNWeswsa、SUNWeswga または SUNWsycfd) がインストールされていることが必要です。このパッケージは、物理マッピングまたはオンライン診断の機能を使用する場合にだけ必要です。 |
SUNWvtsmn |
SunVTS のマニュアルページ (vtsprobe.1m、vtstty.1m、vtsui.ol.1m、vtsk.1m、vtsui.1m) が含まれています。これらのファイルは、デフォルトでは、/opt/SUNWvts/man ディレクトリにインストールされます。また、manpath 変数を変更する必要があります (この章で説明します)。必須ではありませんが、インストールすると、SunVTS のコマンドに関する有用な情報が得られます。 |
SUNWjvtsm |
SunVTS のマニュアルページ (日本語) が含まれています。標準の /usr/man ディレクトリにインストールしてください。必ずしもインストールする必要はありませんが、SunVTS ユーザーに有用な情報が含まれています。 |
SUNWeswsa SUNWeswga SUNWsycfd |
SunVTS の物理マッピングおよびオンライン診断機能をサポートするときに必要な、SyMON 構成リーダー (configd) プログラムが含まれています。これらの機能を使用するには、システムの種類に応じて、 3 つのパッケージのいずれかをインストールする必要があります。 SUNWeswsa - Sun Ultra Desktops システムをサポートしています。 SUNWeswga - Sun Enterprise Workgroup サーバーシステムをサポートしています。 SUNWsycfd - Sun Enterprise Server システムをサポートしています。 |
これらのパッケージは、Solaris メディアキットに含まれているサプリメント CD に収録されています。
パッケージのインストールに使用することができるユーティリティは、いくつかありますが、この章では、pkgadd ユーティリティを使用して、ローカルの CD-ROM ドライブから SunVTS をインストールする方法を説明します。swmtool を使用してパッケージをインストールする方法については、『Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』を参照してください。
Solaris 環境がマルチユーザーレベルで起動されている必要があります。下記の注を参照してください。
スーパーユーザーである必要があります。
SunVTS を格納するパーティションに未使用ディスク空間が 37 MB 以上存在する必要があります。デフォルトのインストール先は、/opt ディレクトリです。
SunVTS 4.0 は、Solaris 8 オペレーティング環境用に導入されたものであり、Solaris 8 オペレーティング環境上での動作を前提に設計されています。
% su
SunVTS がシステムにインストールされているかどうかを確認します。
# pkginfo -c sunvts
SunVTS パッケージがインストールされていない場合、画面には何も表示されません。SunVTS のインストールに進むことができます。
次のようなメッセージが表示された場合は、SunVTS がインストールされています。下記の注をお読みください。
system SUNWvts SunVTS
同じディレクトリに異なるバージョンの SunVTS をインストールしないでください。SunVTS をインストールする前に、pkgrm コマンドを使用して、既存の SunVTS を削除してください。詳細は、「日本語環境での SunVTS の使用について」を参照してください。
CD-ROM ドライブにサプリメント CD を挿入します。
ボリュームマネージャーによって、CD が自動的にマウントされます。
下記の例を参考に pkgadd を使用して、SunVTS をインストールします。
SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールする場合は、以下のように入力します。
# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/SunVTS_4.0/Product SUNWvts
問い合わせに答えます。
ほかのパッケージの要件を通知するインストールメッセージが表示されることがあります。このメッセージによって、SunVTS の正常なインストールまたは実行が妨げられることはありません。これらのパッケージをインストールする方法については、以下の手順を参照してください。
SunVTS の物理マッピングまたはオンライン診断機能を使用する場合 (以下の注を参照) は、お使いのシステムをサポートしている Sun Enterprise SyMON の configd パッケージ (Sun デスクトップシステムの場合は SUNWeswsa、Sun Enterprise Server システムの場合は SUNWsycfd) をインストールします。
# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/SunVTS_4.0/Product SUNWeswsa <または> SUNWsycfd
configd プログラム、SunVTS の物理マッピングおよびオンライン診断機能は、Sun Enterprise SyMON 2.0.1 がサポートする Sun Ultra システム (Sun4) でのみサポートされています。
実際の Solaris オペレーティング環境に合わせて SunVTS サポートパッケージをインストールします。 (詳細は、「SunVTS のパッケージ」を参照してください。)
# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/SunVTS_4.0/Product SUNWvtsx SUNWodu SUNWvtsmn
SUNWvts のインストールで -a none を使用した場合は、ここでも -a none を使用してください。
SunWodu パッケージは、適切な configd パッケージがインストールされていないシステムにだけインストールされます。
SunWvtsx パッケージは、64 ビット版の Solaris オペレーティングシステムがインストールされているシステムにだけインストールされます。
SunVTS および SyMON の configd パッケージがインストールされたことを確認します。
# pkginfo SUNWvts SUNWvtsx SUNWvtsmn SUNWodu SUNWeswsa <または> SUNWsycfd system SUNWeswsa Sun Enterprise SyMON Configd Agent For Ultra Workstations system SUNWodu Online Diagnostic Utilities system SUNWvts SunVTS system SUNWvtsmn SunVTS Man Pages system SUNWvtsx 64-bit SunVTS
SunVTS のマニュアルページは、"SunVTS のインストールディレクトリ/man" ディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWvts/man) にインストールされます。マニュアルページを利用するには、ログインシェルに対応する初期化ファイル (通常、Bourne および Korn シェルでは .profile、C シェルでは .login) の MANPATH シェル変数にこのディレクトリを追加する必要があります。
下記の手順では、SunVTS パッケージのインストールでデフォルトの SunVTS インストールディレクトリ (/opt/SUNWvts) が使用されているものとして説明しています。デフォルト以外のディレクトリにインストールした場合は、手順の説明中のディレクトリ名を、マニュアルページを実際にインストールしたディレクトリの名前に置き換えてください。
テキストエディタで適切な初期化ファイルを開き、MANPATH 変数に SunVTS のマニュアルページのディレクトリ (デフォルトでは/opt/SUNWvts/man ) を追加します。
MANPATH=/usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man;export MANPATH |
setenv MANPATH /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man |
. [ドット] または source コマンドで初期化ファイルを再読み込みするか、ログインし直すことによって、編集した初期化ファイルをシェルに読み取らせます。
SyMON のマニュアルページディレクトリが MANPATH 変数に設定されていることを確認します。
# echo $MANPATH /usr/share/man:/usr/man:/opt/SUNWvts/man
ユーザーの作業環境、シェル変数、初期化ファイルのカスタマイズについては、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
SunVTS 4.0 ソフトウェアは、国際化 (I18N: Internationalization) に対応しており、ユーザーが国際化について熟知している場合は、SunVTS を日本語環境に対応させて実行できるように設計されています。日本語環境で SunVTS を実行する際には、英語フォントまたは日本語フォントのいずれかを使用できます。以下の手順で、どちらの言語を使用するか選択してください。
SunVTS を起動する前に、LANG 変数を英語に設定します。C シェルを使用した例を以下に示します。
# mkdir -p /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app-defaults |
ここで LANG には、使用している言語の言語コード (日本語 EUC の場合は ja) を入力します。
作成したディレクトリに SunVTS Xresource (Vtsui) ファイルをコピーします。
# cp /opt/SUNWvts/lib/Vtsui /opt/SUNWvts/lib/locale/LANG/app -defaults |
上記の例は、SunVTS をデフォルトのディレクトリ (/opt) にインストールした場合を前提としています。SunVTS を別のディレクトリにインストールした場合は、そのディレクトリのパスに合わせて指定してください。
日本語環境で必要なフォント仕様に合うように、Vtsui ファイルのフォント定義をカスタマイズします。
新しいバージョンの SunVTS をインストールする前に、既存の SunVTS を削除する必要があります。以下に、pkgrm コマンドを使用して既存の SunVTS を削除する手順を示します。