対話式インストールで Solaris 8 のインストールを開始する前に、知っておく必要がある情報について説明します。
IA (Intel Architechure) ベースのシステムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、インストールを開始する前に、「DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)」の説明を必ずお読みください。
Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、一部のロケールは、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールを決定していました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入され、地域を選択することによって必要なロケールを決定します。このため Solaris 8 では、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にオペレーティングシステムのインストール時にシステム構成をカスタマイズすることができます。
初期インストールの場合、インストールするロケールは「地域の選択」画面で選択してください。ただし、C ロケール (POSIX ロケール) と en_US.UTF-8 ロケール (Unicode をサポート) は、自動的にインストールされます。
従来のリリースからのアップグレードインストールの場合、「地域の選択」画面でいくつかのロケール (アップグレードするシステムによって使用できるロケールは異なる) が自動的に選択されています。これは、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語の一部のロケールがシステム上に暗黙のうちにインストールされていたためです。
Unicode ロケール (UTF-8) には、複数言語の入力を可能にする機能があります。Unicode ロケールは、その個々のロケールで提供されるアジア言語の入力方式を利用しているので、文字入力に必要なアジア言語のロケールをインストールしてください。たとえば、韓国語入力を可能にするには、ko.UTF-8 ロケールをインストールしてください。
以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。
Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。
システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。
Symbios 53C896 ベースのコントローラ (symhisl)
AMI MegaRAID コントローラ (mega)
Compaq 53C8xx ベースの SCSI コントローラ (cpqncr)
回避方法 : symhisl、mega、cpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。
回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。
システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。
次のコマンドを実行します。
prtconf -D
名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。
BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。
これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。
Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。
このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。
回避方法 : HP Vectra XU シリーズシステムを最新の BIOS バージョン GG.06.13 で、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。
ブートパスはハードディスクコードを使用しないため、ブートフロッピーディスクまたはブート CD でシステムをブートすることができます。、ブート可能デバイスとしてネットワークまたは CD-ROM ドライブの代わりに、ハードディスクを選択してください。
デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境は、DMA 機能が無効になっている状態で正しく動作します。
パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にするには:
「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」の手順 1 の代わりに、次の手順を実行してください。
Device Configuration Assistant フロッピーディスクまたは INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して、Intel 版 Solaris の Device Configuration Assistant を実行します。
Device Configuration Assistant フロッピーディスクでブートする時に、新しい ata-dma-enabled 属性の値がフロッピーディスク上に保存されます。したがって、属性値を変更した場合、Device Configuration Assistant フロッピーディスクを再度使用した時に変更後の値が適用されます。
次に、「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」の手順 5d の代わりに、次の手順を実行してください。
どのデバイス (ネットワークアダプタまたは CD-ROM ドライブ) からインストールを実行するかを選択し、F2 キーを押します。
DiskSuiteTM metadb 複製には、DiskSuite 構成データの一部にドライバ名が含まれています。Solaris オペレーティング環境 2.5.1 または 2.6 を実行する IA ベースのシステムでは、SCSI ドライバ名は cmdk です。cmdk ドライバは、Solaris 8 オペレーティング環境では sd ドライバに置換されています。
回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを損失しないようにするには、DiskSuite が動作している IA システムのアップグレードを開始する前に、メタデバイス構成をテキストファイルに保存し、metadb 複製を削除してください。IA システムのアップグレード後に、DiskSuite のコマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。
『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』には、metadb 構成の保存、metadb 複製の削除、IA システムの Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード、DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、メタデバイス構成の復元について、それぞれの手順が記載されています。Solairs 8 オペレーティング環境には、これらの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれています。