Expert3D ボードには、内部入出力コネクタと外部入出力コネクタの両方があります。内部コネクタはマルチビューイングに、外部コネクタは外部の画像との同期化とステレオに使います。 図 8-1 は、外部入出力コネクタを示します。
ステレオコネクタを使用して、 Expert3D グラフィックスアクセラレータに立体視ゴーグルを接続できます。ステレオコネクタは、図 8-2 に示すように7 ピンの DIN コネクタです。
表 8-4 にステレオケーブルの信号を示します。
表 8-4 Expert3D ステレオコネクタの信号
ピン |
説明 |
---|---|
1 |
接地 |
2 |
5.0V (ヒューズ付き、300mA まで供給、1.0A 上限) |
3 |
+12V (ヒューズ付き、300mA まで供給、1.0A 上限) |
4 |
STEREO 信号 |
5 |
接続なし |
6 |
接続なし |
7 |
接続なし |
ステレオ信号は、図 8-3に示すように、左右の立体シャッタの切り替え周期が 50 パーセントデューティーの、TTL レベルの信号です。
Expet3D グラフィックアクセラレータのステレオケーブルと立体視ゴーグルについての詳細は、導入先にお問い合わせください。
ビデオ同期ポートは、ディスプレイシステムが垂直リフレッシュレートをロックしようとする際の定期信号を Expert3D ボードに入力するインタフェースです。このポートは 75 オーム BNC のオスのコネクタを使っています。このポートに接続するには、メスの BNC コネクタが付いた 75 オームの同軸ケーブルが必要です。
ビデオ同期ポートは次のフォーマットをサポートします。
NTSC 複合ビデオ
PAL 複合ビデオ
100 nS (TBV) 以上のパルスをもつ TTL、LVTTL、または CMOS レベルの互換信号 (50 Hz から 180 Hz)
図 8-4 の J1 および J2 に示される、Expert3D カードの内部のマルチビュー入力ポートおよびマルチビュー出力ポートは、Expert3D カードから他のカードへケーブル接続をする際に使います。これらのポートはワークステーションのシャーシ内からのみ接続できます。
マルチビューを使用する場合、Expert3D カードは 2 つまでしかフレームロックできません。2 つの Expert3D カードがマルチビューに使われている場合、片方がマスターとして割り当てられ、もう一方がスレーブとして割り当てられます。
システムを起動するとき、すべての Expert3D カードは Solaris によってマスターモードに設定されます。Expert3D カードをマルチビューで使用するためには、SUNWifb_config ユーティリティーを使ってカードの 1 つをスレーブモードにします。
システム上で設定できるマスター Expert3D カードの数は 1 つのみです。
すべての Expert3D モニターが、Expert3D でサポートする解像度に設定されているかを確認します。
デバイスのロケーションおよび、ロケーションに基づいてつけられるデバイスの番号の情報については、boot このマニュアルページを参照してください。Expert3D のマスターデバイスとして、どのデバイス (ifb0 またはifb1) を使ってもかまいません。
フレームロックを使って 2 つの Expert3D カードをマルチビュー用に設定するには、以下のようにします。
システムのマスターとして割り当てる Expert3D カードを選択します。
システムの起動またはコンソールヘッドとして使っている Expert3D カードをマスターとして割り当てることも 1 つの方法です。
システムにインストールされているすべての Expert3D カードが、マスターモードの Expert3D カードと同じ画面解像度に設定されていることを確認します。
マスターモードのカードと異なる画面解像度に設定されている Expert3D カードがある場合は、解像度がマスターと同じになるよう変更します。
SUNWifb_config ユーティリティーを使って、Expert3D カードの解像度を調べられます。たとえば、以下のように入力します。
% /usr/lib/fbconfig/SUNWifb_config -dev /dev/fbs/ifb0 -prconf |
この操作をすべての Expert3D カードに対して実行します。
SUNWifb_config ユーティリティーに Expert3D カードの現在の解像度や、カードがマスターかスレーブかなどの情報が表示されます。
Expert3D カードの解像度を変更する場合は、 SUNWifb_configユーティリティーを使って以下の例のように入力します。
% /usr/lib/fbconfig/SUNWifb_config -dev /dev/fbs/ifb1 -res ¥ 1280x1024x76 now nocheck |
フレームロックマルチビューケーブルを各 Expert3D カードに接続します。
図 8-4を参照してください。
マスターの Expert3D カードのディスプレイウィンドウで、他の Expert3D カードをスレーブモードに設定します。
SUNWifb_config ユーティリティーで以下のように入力します。
% /usr/lib/fbconfig/SUNWifb_config -dev /dev/fbs/ifb1 -slave on |
複数のカードの設定を変更する場合、カード毎に別々に設定を行ってください。
以上の設定が終わると、システムでフレームロックとバッファースワップ同期用のソフトウェアアプリケーションを使えるようになります。
Expert3D カードをスレーブモードからマスターモードに戻すには、以下のいずれかの操作を実行します。
システムの電源を再投入します。
SUNWifb_config を使い、たとえば以下のように入力します。
% /usr/lib/fbconfig/SUNWifb_config -dev /dev/fbs/ifb1 -slave off |
複数のカードの設定を変更する場合、カード毎に別々に設定を行ってください。