この章では、Sun eri FastEthernet PCI アダプタが使用するドライバソフトウェアの構成に関する情報と手順について説明します。
Solaris CD には 64 ビット対応のドライバが含まれています。
ネットワークインタフェースとして eri を使用する前に、以下の説明に従って、システムのホストファイルを作成・編集する必要があります。
コマンド行で、grep コマンドを使用して eri デバイスの /etc/path_to_inst ファイルを検索します。たとえば、以下のようになります。
# grep eri /etc/path_to_inst "/pci@8,700000/network@5,1" 0 "eri" |
/etc/hostname.erinum ファイルを作成します。ここで、num は使用する各インタフェースに対応するインスタンス番号です。
手順 1 の例の場合、ネットワークインタフェースを使用するには、以下のファイルを作成する必要があります。
ファイル名 |
インスタンス番号 |
---|---|
/etc/hostname.eri0 |
0 |
未使用のまま残したい Sun eri FastEthernet ネットワークインタフェースに対して、/etc/hostname.erinum ファイルは作成しないでください。
/etc/hostname.erinum ファイルには、該当するネットワークインタフェースに対するホスト名を入れる必要があります。
ホスト名には IP アドレスを割り当てる必要があります。これは /etc/hosts ファイルに入力する必要があります。
ホスト名は他のどのインタフェースの他のどのホスト名とも異なる名前にしてください。たとえば、/etc/hostname.hme0 と /etc/hostname.eri0 では同じホスト名を共有できません。
以下に例として、手順 1 のインスタンスの例を使用した2 つの /etc/hostname.erinum ファイル (zardos、zardos-11) を示します。これらのファイルは、Sun eri FastEthernet が実装された zardoz という名前のシステムに必要です。
# cat /etc/hostname.hme0 zardoz # cat /etc/hostname.eri0 zardoz-11 |
有効となっているそれぞれの eri ネットワークインタフェースについて、/etc/hosts ファイルに適切なエントリを作成します。
上記の例を使用すると、以下のようになります。
# cat /etc/hosts # # Internet host table # 127.0.0.1 localhost 129.144.10.57 zardoz loghost 129.144.11.83 zardoz-11 |
IPv6 (インターネットプロトコル バージョン 6) は、現在使用されている IPv4 の機能を拡張したものです。Solaris オペレーティング環境の今回のリリースに含まれる Sun eri FastEthernet デバイスドライバは、IPv4 と IPv6 の両方をサポートしています。IPv4では、/etc/hosts 構成ファイルを使用しますが、IPv6 では異なる構成ファイルを使用します。IPv6 への移行、管理、実装については、『Solaris 8 のシステム管理 (第 3 巻)』を参照してください。
システムを再起動します。
Sun eri インタフェースを起動デバイスとして使用するには、以下の作業を実行します。
ok プロンプトで以下のように入力します。
ok show-nets |
show-nets コマンドはシステムデバイスの一覧を示します。以下の例のように、eri デバイスのフルパス名が表示されます。
/pci@8,700000/network@5,1 |
これらの eri デバイスから起動用のデバイスを1つだけ選択する必要があります。
ok プロンプトで以下のように入力します。
ok boot full_path_name_of_the_eri_device |
Sun eri FastEthernet ドライバの性能をカスタマイズするには、以下の作業を実行します。
eri デバイスドライバは、SUNW,eri Ethernet デバイスを制御します。デバイスドライバは、接続相手との間で自動ネゴシエーションプロトコルを使用して、接続の速度を選択します (「自動ネゴシエーション」を参照)。
以下の 3 通りの方法のうちのいずれかを使用して、eri デバイスドライバのパラメタを手動で設定し、システムの各 SUNW,eri デバイスをカスタマイズすることができます。
/kernel/drv ディレクトリに eri.conf ファイルを作成することによって、パラメタをデバイスごとに設定します。
ndd ユーティリティーを使用して、パラメタを一時的に変更します。この変更はシステムを再起動すると失われます。
/etc/system ファイルにパラメタ変数を入力することによって、システムのすべての SUNW,eri デバイスに対して、一括して eri デバイスドライバのパラメタを設定します。
詳細は、第 4 章「パラメタの設定」を参照してください。
ok プロンプトで show-nets コマンドを入力し、システムデバイスの一覧を表示します。
以下の例のように、eri デバイスのフルパス名が表示されます。
/pci@8,700000/network@5,1 |
以下のように入力します。
ok nvedit |
0: 行の終わりでリターンキーを押し、以下のように入力します。
0: probe-all install-console banner 1: apply transfer-speed=10 full_ path_name_of_a_eri_device |
すでに NVRAM のコマンドが使える場合は、ファイルの最後にこれらの行を追加してください。
full_path_name_of_a_eri_device を入力してから、Control-C を押します。
手順 2から4の手順を行って、それぞれの eri ネットワークインタフェースのネットワーク速度を設定します。
前の例では、速度は10 Mbps に設定しています。速度を 100 Mbps に設定する場合は、10 を 100 に置き換えてください。
ok プロンプトで、以下のように入力します。
ok nvstore ok setenv use-nvramrc? true |
システムを再起動します。
ネットワーク速度の設定についての詳細は、「強制モードの設定」を参照してください。