ファイルシステムのスナップショットを含む仮想デバイスは、標準の読み取り専用デバイスとして振舞います。これは、仮想デバイスを、ファイルシステムのデバイスをバックアップするかのようにバックアップすることができるということを示します。
ufsdump コマンドを使用して UFS スナップショットをバックアップする場合、バックアップ時にスナップショットの名前を指定することができます。詳細は、次の節を参照してください。
tar コマンドを使用してスナップショットをバックアップする場合、次のように、バックアップを行う前にスナップショットをマウントします。
# mkdir /backups/home.bkup # mount -F UFS -o ro /dev/fssnap/1 /backups/home.bkup # cd /backups/home.bkup # tar cvf /dev/rmt/0 . |
ファイルシステムをバックアップする方法についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)」の章を参照してください。
スーパーユーザーになります。
バックアップをとるファイルシステムのスナップショットを特定します。
# fssnap -i /file-system |
例:
# fssnap -i /usr Snapshot number : 1 Block Device : /dev/fssnap/1 Raw Device : /dev/rfssnap/1 Mount point : /usr Device state : idle Backing store path : /scratch/usr.back.file Backing store size : 480 KB Maximum backing store size : Unlimited Snapshot create time : Tue Aug 08 09:57:07 2000 Copy-on-write granularity : 32 KB |
ファイルシステムのスナップショットのバックアップを行います。
# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /snapshot-name |
例:
# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /dev/rfssnap/1 |
スナップショットがバックアップされたことを確認します。
# ufsrestore ta /dev/rmt/0 |
ファイルシステムのスナップショットをインクリメンタル (増分的) に作成したい場合、つまり最後のスナップショット以降に変更のあったファイルだけをバックアップしたい場合は、ufsdump コマンドを新しい N オプションとともに使用します。このオプションは、増分ダンプをトラックするために /etc/dumpdates ファイルに挿入されるファイルシステムのデバイス名を指定します。
次の例では、ufsdump コマンド内で fssnap コマンドを組み込んでファイルシステムの増分ダンプを作成しています。
スーパーユーザーになります。
ファイルシステムスナップショットの増分ダンプを作成します。
# ufsdump 1ufN /dev/rmt/0 /dev/rdsk/c0t1d0s0 `fssnap -F ufs -o raw,bs= /export/scratch,unlink /dev/rdsk/c0t1d0s0` |
上記の例では、ブロックデバイスではなく raw デバイスの名前を表示するために -o raw オプションが使用されています。このオプションの使用により、fssnap コマンドを raw デバイスを必要とするコマンド (ufsdump コマンドなど) に組み込むことが容易になります。
スナップショットがバックアップされたことを確認します。
# ufsrestore ta /dev/rmt/0 |
仮想デバイスから作成されたバックアップは、基本的には、スナップショットがとられた時点でのオリジナルのファイルシステムの状態を表しています。バックアップから復元を行う場合は、オリジナルのファイルシステムから直接そのバックアップをとったかのように (たとえば ufsrestore コマンドを使用したものなどのように) 復元します。ファイルシステムの復元についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ファイルとファイルシステムの復元 (手順)」の章を参照してください。