Solaris スマートカードは、iButton と Sun SCRI External Card Readr 1 という 2 種類の外付けカードリーダーと Sun SCRI Internal Card Reader 1 という 1 種類の内蔵カードリーダーをサポートしています。
次の表に、サポートされているカードリーダーと、これらのカードリーダーを追加するときに指定する必要がある値 (カード端末の出荷時の名前とリーダーモデル名) を示します。
表 3-2 サポートされているカードリーダー
SmartCard Console でカードリーダーを設定する場合は、ナビゲーション区画で「カードリーダー」を選択します。このオプションでは、次のことを行うことができます。
新しいカードリーダーの追加
以前に構成済みのカードリーダー用に設定されている属性の表示と変更
SmartCard Console を起動する方法については、「SmartCard Console を起動するには (コマンド行)」を参照してください。
(オプション) 外付けカードリーダーがシステムに物理的に取り付けられていることを確認します。
カードリーダーのマニュアルの手順に従って、外付けスマートカードリーダーをシリアルポートに物理的に取り付けます。
ナビゲーション区画で「カードリーダー」をクリックします。
「Add Reader」をダブルクリックします。
追加したいカードリーダーのタイプをダブルクリックします。
「カードリーダー: SunCardReader」ダイアログボックスが表示されます。
「Basic Configuration」フォルダタブを選択します。
「Device Port」の下にある下矢印をクリックします。
カードリーダーが取り付けられているポートをクリックします。
「了解」をクリックします。
プロンプトが表示されたら、ocfserv を再起動します。
カードリーダーの「Basic Configuration」フォルダには、次のような属性があります。
Unique Card Terminal Name - カードリーダーを識別するための一意な名前。コマンド行でカードリーダーを追加するときには、user_friendly_reader 名と呼ばれます。
Model Name - メーカーが付けた、カードリーダーのモデル名。「Add Reader」ダイアログボックスから選択します。表 3-2 では、card_reader_model 名と呼ばれます。
Device Port - カードリーダーが取り付けられているポートの絶対パスによるデバイス名。たとえば、シリアルポート b は /dev/cua/b です。
「Advanced Configuration」フォルダには、メーカーが付けた、カードリーダーの card_terminal_factory_name が表示されます。メーカーが新しく発行したカードリーダーの名前を変更した場合などを除き、この名前を変更する必要はありません。
カードリーダーの基本属性を表示または変更するには、次の手順を使用します。
「Unique Card Terminal Name」フィールドにカードリーダーの一意な名前を入力します。あるいは、デフォルトの名前をそのまま使用します。
同じタイプのカードリーダーを何台もシステムに取り付けている場合は、各カードリーダーの一意なカード端末の出荷時の名前を入力する必要があります。
表示されたモデル名よりも新しいバージョンのカードリーダーを使用している場合は、カードリーダーのモデル名を入力します。
矢印をクリックして、適切なデバイスパスを選択します。
ダイアログが表示されたら、ocfserv を再起動します。
コマンド行でカードリーダーを追加するには、smartcard -c admin コマンドを次の構文で使用します。
smartcard -c admin -t terminal -j card_terminal_factory_name -x add -d device_pathname -r user_friendly_reader_name -n card_reader_model |
-c admin |
OCF 属性の表示または変更を指定します。 |
-t terminal |
カードリーダーの構成を指定します。 |
-j card_terminal_factory_name |
カードリーダータイプのカード端末の出荷時の名前を指定します。特定のカード端末の出荷時の名前については、後述の手順を参照してください。 |
-x add |
カードリーダーの追加を指定します。 |
-d device_pathname |
カードリーダーが取り付けられているデバイスポートを指定します。 |
-r user_friendly_reader_name |
リーダーの一意な名前を指定します。 |
-n reader_model_name |
カードリーダーのモデル名を指定します。特定のカードリーダーのモデル名については、後述の手順を参照してください。 |
詳細は、smartcard(1M) のマニュアルページを参照してください。
カードリーダーを取り付けるシステム上でスーパーユーザーになります。
外付けカードリーダーがシステムに物理的に取り付けられていることを確認します。
カードリーダーのマニュアルの手順に従って、外付けスマートカードリーダーをシリアルポートに物理的に取り付けます。
次のコマンドを 1 行に入力して、iButton リーダーを追加します。たとえば、次のようにします。
# smartcard -c admin -t terminal -j com.ibutton.oc.terminal.jib.iButtonCardTerminalFactory -x add -d /dev/cua/b -r MyButtonReader -n DS1402 |
-c admin |
OCF 属性の表示または変更を指定します。 |
-t terminal |
カードリーダーの構成を指定します。 |
-j com.ibutton.oc.terminal.jib.iButtonCardTerminalFactory |
iButton リーダーのカード端末の出荷時の名前を指定します。 -j オプションの後にカード端末の出荷時の名前を入力するときは、上記のように正確に入力してください。文字の間に空白文字や改行は挿入しないでください。 |
-x add |
カードリーダーの追加を指定します。 |
-d /dev/cua/b |
カードリーダーが取り付けられているデバイスポートを指定します。 |
-r MyButtonReader |
iButton カードリーダーの一意な名前を指定します。 |
-n DS1402 |
iButton カードリーダーのモデル名を指定します。 |
ocfserv を停止します。
# pkill ocfserv |
次回 SmartCard Console または smartcard コマンドを使用すると、ocfserv プロセスが再起動します。
カードリーダーを取り付けるシステム上でスーパーユーザーになります。
外付けカードリーダーがシステムに物理的に取り付けられていることを確認します。
カードリーダーのマニュアルの手順に従って、外付けスマートカードリーダーをシリアルポートに物理的に取り付けます。
次のコマンドを 1 行に入力して、Sun SCRI External Reader 1 を追加します。たとえば、次のようにします。
# smartcard -c admin -t terminal -j com.sun.opencard.terminal.scm.SCMStc.SCMStcCardTerminalFactory -x add -d /dev/cua/b -r MyExternalReader -n SunSCRI |
-c admin |
OCF 属性の表示または変更を指定します。 |
-t terminal |
カードリーダーの構成を指定します。 |
-j com.sun.opencard.terminal.scm.SCMStc.SCMStcCardTerminalFactory |
Sun SCRI External Card Reader 1 のカード端末の出荷時の名前を指定します。 -j オプションの後にカード端末の出荷時の名前を入力するときは、上記のように正確に入力してください。文字の間に空白文字や改行は挿入しないでください。 |
-x add |
カードリーダーの追加を指定します。 |
-d /dev/cua/b |
カードリーダーが取り付けられているデバイスポートを指定します。 |
-r MyExternalReader |
SCRI External Card Reader 1 の一意な名前を指定します。 |
-n SunSCRI |
Sun SCRI External Card Reader 1 のモデル名を指定します。 |
ocfserv を停止します。
# pkill ocfserv |
次回 SmartCard Console または smartcard コマンドを使用すると、ocfserv プロセスが再起動します。
カードリーダーを取り付けるシステム上でスーパーユーザーになります。
次のコマンドを 1 行に入力して、Sun SCRI Internal Card Reader 1 を追加します。たとえば、次のようにします。
# smartcard -c admin -t terminal -j com.sun.opencard.terminal.scm.SCMI2c.SCMI2cCardTerminalFactory -x add -d /dev/scmi2c1 -r MyInternalReader -n SunISCRI |
-c admin |
OCF 属性の表示または変更を指定します。 |
-t terminal |
カードリーダーの構成を指定します。 |
-j com.sun.opencard.terminal.scm.SCMI2c.SCMI2cCardTerminalFactory |
Sun SCRI Internal Card Reader 1 のカード端末の出荷時の名前を指定します。 -j オプションの後にカード端末の出荷時の名前を入力するときは、上記のように正確に入力してください。文字の間に空白文字や改行は挿入しないでください。 |
-x add |
カードリーダーの追加を指定します。 |
-d /dev/scmi2c1 |
カードリーダーが取り付けられているデバイスポートを指定します (たとえば、/dev/scmi2cn)。このとき、scmi2cn の n は、システム上で n 番目の SunISCRI リーダーであることを示します。 |
-r MyInternalReader |
SCRI Internal Card Reader 1 の一意な名前を指定します。 |
-n SunISCRI |
SCRI Internal Card Reader 1 のモデル名を指定します。 |
ocfserv を停止します。
# pkill ocfserv |
次回 SmartCard Console または smartcard コマンドを使用すると、ocfserv プロセスが再起動します。