Solaris 8 MU4 をインストールするには、install_mu を実行するシステムで Solaris 8、Solaris 8 6/00、Solaris 8 10/00、または Solaris 8 1/01 オペレーティング環境がすでに稼動していなければなりません。
ディスクレスクライアントシステムは、MU4 ではサポートされません。
MU4 はシステムライブラリにパッチを適用するため、MU4 をインストールする前にシステムをシングルユーザーモードでリブートするのが最善の方法です。マルチユーザーの状態で MU4 をインストールすると、すでにマップされているライブラリのセクションとマップされていないそのライブラリのセクション間に不一致が起こり、そのライブラリは不安定な状態になります。
シングルユーザーモードでは、ネットワークサービスは使用できません。MU4 イメージが CD 上ではなくネットワーク上にある場合、シングルユーザーモードでシステムをブートする前に MU4 イメージをネットワークからローカルシステムにコピーしなければなりません。
十分なローカルディスク容量がないため MU4 イメージをローカルにコピーできない場合や CD がないまたはつながっていない場合、あるいはシステムをシングルユーザーモードにできない場合には、マルチユーザーモードで NFS を使用して MU4 をインストールすることになります。この場合、システムをできるだけ静かな状態 (つまり、ユーザーがすべてログアウトし、実行されているジョブがない状態) にしておく必要があります。
シングルユーザーモードで MU4 をインストールした場合、インストール後、システムをリブートする必要があります。この時、exit コマンドは使用しないでください。exit を使用すると、システムは init 3 の状態になりますが一時的にユーザーがそのシステムにログインすることができなくなります。マルチユーザーモードの場合、インストール後システムをリブートしないと、どのユーザーもログインすることができなくなります。またインストール後、root ユーザーがログアウトすると、他に root ユーザーがログインしていない限り、誰もシステムにログインすることができなくなります。シングルユーザーモード、マルチユーザーモードのどちらでも、SPARC システムの場合、ok プロンプトの状態にしてシステムをブートしてください。Intel システムの場合、システムをリセットしてください。詳細は、第 4 章「既知の問題」を参照してください。
必ずオペレーティングシステムのバックアップをとった後、手順を進めてください。
日本では MU4 CD は提供していません。
Solaris 8 MU4 をインストールするには、次の手順に従います。
重要なユーザープロセスまたはシステムプロセスが実行されていないことを確認します。
現在のセッションを終了します。
CDE ログイン画面が表示されます。
「オプション」ボタンをクリックして、「コマンド行ログイン」を選択します。
ログインプロンプトが表示されます。
ログイン名として root と入力し、root のパスワードを入力します。
login: root password: root password |
シングルユーザーモードでリブートします。root のシェルプロンプトで次のように実行します。
# reboot -- -s |
shutdown または init コマンドで実行レベルをマルチユーザーモードからシングルユーザーモードへ変更すると、vold プロセスが実行されたままになることがあります。この状態で MU4 CD をマウントしようとすると、問題が発生することがあります。
root のパスワードを入力します。
システムが次のメッセージを表示し、システム保守モードになっていることを確認します。
Entering System Maintenance Mode Sun Microsystems Inc. SunOS 5.8 Generic Feb 2000 # |
install_mu コマンドをどこから実行しているかを明確にします。
MU4 CD をマウントするには、CD をドライブに挿入し、root のシェルプロンプトで次のように実行します。
# mount -o ro -F hsfs /dev/dsk/c0t6d0s0 /cdrom |
CD-ROM ドライブが c0 以外のコントローラにあるか、t6 以外のターゲットにあることがあります。この場合は CD-ROM デバイスへのパスを変更する必要があります。CD-ROM ドライブのマウントについては、システム管理者に問い合わせてください。
install_mu を実行します。
MU4 イメージのローカルコピーから実行するには、次のように入力します。
# cd local_directory # ./install_mu options |
MU4 CD から実行するには、次のように入力します。
# cd /cdrom # ./install_mu options |
以下のオプションがコマンド行で使用できます。
表 2-1 install_mu のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
-d |
パッチをバックアップしない。この引数を使うとソフトウェアのインストールに要する時間が短縮される。ただし、個々のパッチをバックアウトできなくなる。-B オプションと組み合わせて使うことはできない |
-p patchdir |
すべてのパッチが含まれているディレクトリを指定する |
-q |
install_mu の処理状況を示すドットの表示を無効にする |
-B backoutdir |
指定したディレクトリにバックアウトデータを保存する。-d オプションと組み合わせて使うことはできない |
-f |
十分なディスク容量があるかどうかをチェックせずに、パッチセットをインストールする。このオプションを使用すると時間が短縮される。ただし、このオプションを使用するときは、十分な容量があることを確認しておく |
インストールが終了すると、次のメッセージが表示されます。
install_mu completed at date_time. |
このメッセージが表示された場合は、手順 10 に進みます。
エラーが発生した場合は、第 5 章「エラーメッセージ」を参照してください。
次のように実行してシステムをリブートします。
# sync ; reboot |
ログインプロンプトが表示されます。
ライブラリの衝突を防ぐために、MU4 をインストールした後に必ずシステムをリブートしてください。
ログイン名とパスワードを入力します。
login: login password: password |