この節では、以下の機能について説明します。
ローカルシステムの SunVTS ユーザーインタフェースを、ネットワーク上の別のシステムで動作している SunVTS カーネルに接続することができます。ひとたび遠隔システムに接続すると、その遠隔システムのテストは、ユーザーインタフェースによって制御されます。
遠隔システムで SunVTS カーネルが動作していることを確認します。
これにはいくつかの方法があります。「SunVTS カーネル (vtsk) を起動する」を参照してください。
ローカルシステム (SunVTS ユーザーインタフェースが動作しているシステム)で、Connect to ボタンをクリックします。
Connect to Machine ダイアログボックスが表示されます。
接続先の遠隔システムの名前を指定します。
Apply をクリックします。
SunVTS ユーザーインタフェースは、遠隔システムのテストを制御している状態になります。
テスト状況のメッセージが電子メールでテスト実行者宛てに送信されるように SunVTS を設定することができます。
Set Options プルダウンメニューから Notify を選択します。
Notify Options ダイアログボックスが表示されます。
Send Email プルダウンメニューから以下のいずれかを選択します。
Disabled ― 電子メール通知機能を無効にします。
Now ― 電子メールの通知をただちに 1 回行い、その後電子メール通知機能を無効にします。
On Error ― エラーが発生したときに電子メールを送信します。
Periodically ― Log Period の指定に従い、定期的に電子メールを送信します。
on_error&periodically ― 定期的かつエラー発生時に電子メールを送信します。
email address フィールドに電子メールアドレスを入力します。
Periodically または on_error&periodically を選択した場合は、ログ期間を分単位で指定します。
Apply をクリックします。
SunVTS エラーログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.err) および情報ログ (/var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.info) のログファイルのサイズは、デフォルトでそれぞれ最大 1 MB に制限されています。ログファイルが最大サイズに達した場合は、その内容は logfilename.backup というファイルに移され、以後のイベントは、メインのログファイルに追加されます。再びログファイルが最大サイズに達すると、その内容はバックアップファイルに移され、先のバックアップファイルの内容は上書きされます。個々のログファイルに対して保守されるバックアップファイルは 1 つだけです。
コントロールパネルの Set Options から Thresholds を選択します。
Thresholds Option ダイアログボックスが表示されます。
矢印ボタンを使用して、Max System Log Size の数字を増やします。
1 から 5 (MB) の数字を選択してください。たとえば、5 MB を選択した場合は、SunVTS のログファイルの最大容量は 20 MB になります (2 つのログファイルがあり、それぞれが同じサイズのバックアップファイルを 1 つ持ちます)。
Apply をクリックします。
Trace test オプションを使用して、テスト実行中に行われたすべてのシステムコールのログを作成することができます。この機能では、標準の UNIX コマンド truss を使用して、システムコールのログをとります。トレース機能によってログに記録されたトレースメッセージは、エラーの原因を特定する際の強力なデバッグツールになります。
Trace Test ボタンをクリックします。
Trace Test ダイアログボックスが表示されます。
テスト名一覧からトレースするテストを選択します。
テストの選択を終えると、ただちにシステムコールのトレースが有効になります。実行中のテストを選択した場合は、すぐにトレースが開始され、SunVTS のコンソールウィンドウにトレーステストメッセージが表示されます。トレース可能な各デバイスの隣には、"T" の文字が表示されます。
トレース機能を使用すると、テストの処理オーバーヘッドが増加します。複数のテストを実行する場合は、オーバーヘッドの増加によってテストの性能が低下する可能性があります。トレースメッセージをファイルに送信すると、ファイルサイズは急速に増大します。
システム構成を物理表示にしている場合は、1 つの階層 (システムボード上の 1 つのコントローラなど) しか表示されず、数階層下のデバイスをトレースすることができません。その場合は、システム構成を論理表示にしてデバイスのトレースを実行してください。
Console ― Message パネルにトレースメッセージが表示されます。
File ― トレースメッセージが /var/opt/SUNWvts/logs/sunvts.trace に記録されます。
Done をクリックします。
ロックと優先指定を使用して、システムレベル、グループレベル、デバイスレベルで設定したオプションを保持または上書きすることができます。
通常、システムまたはグループレベルでオプション設定を変更すると、新しいオプション設定は下位のすべてのレベルに伝達されます。ロックを有効にすることで、上位レベルで設定されたオプションが下位レベルのオプション設定に適用されなくなります。
優先指定により、下位レベルのロックは無効になります。
ロックするグループレベルまたはデバイスレベルから Test Advanced Options ダイアログボックスを開きます。
Enable ボタンをクリックしてロックを設定します (または Disable ボタンをクリックしてロックを解除します)。
ロックを設定すると、上位レベルでオプション設定を変更しても、ロックしたデバイスのオプション設定には適用されません。
Apply をクリックします。
優先指定を使用して、ロックによる保護を無効にすることができます。システムレベルで優先指定を行うと、すべてのロックが無効になります。グループレベルで優先指定を行うと、そのグループ下のロックがすべて無効になります。
以下いずれかのレベルで Advanced Option ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ―コントロールパネルの Set Options から Advanced を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置き、Test Advanced Options を選択します。
優先指定の設定を有効にします (または、優先指定の設定を解除します)。
Apply をクリックします。
オプションを組み合わせることによって、診断の要件に応じてテストの数を増減することができます。たとえば、個々のテストインスタンスが同時に実行されるようにテストオプションを変更して、単一または複数のプロセッサに対する負荷レベルを上げることができます。以下の手順を単独で、または組み合わせて使用し、テストセッションの規模を調整することができます。
デバイス上で、同じテストのコピーを複数同時に実行することにより、テストセッションの数を増減することができます。個々のコピーを「テストインスタンス」と呼びます。各テストインスタンスは、独立した、同一テストのプロセスです。テストインスタンスの数は、システムレベル、グループレベル、デバイスレベルで以下のように設定することができます。
以下のいずれかのレベルで Test Execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― コントロールパネルの Set Options から Test Execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
矢印ボタンでインスタンスの数を増減します。
Apply をクリックします。
テスト同時実行オプションは、テストセッション間のある時点で実行されるテストの数を設定します。テスト同時実行値は、1 度に 1 つのテストを実行するように設定することも、テストセッションのストレスレベルを上げるように大きく設定することもできます。
Schedule Option ダイアログボックス (システムレベルとグループレベル) には、設定を変更することでテストセッション数を増減できるオプションが 2 つあります。
System Concurrency ― システムレベルで同時に実行されるテストの最大数を設定します。この設定により、Group Concurrency は無効になります。
Group Concurrency ― 同じグループ内で同時に実行されるテストの最大数を設定します。このオプションは、システムレベルとグループレベルで使用することができます。
以下のいずれかのレベルから Test Execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― コントロールパネルの Set Options から Test Execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
矢印ボタンで System Concurrency および Group Concurrency の値を増減します。
Apply をクリックします。
デフォルトでは、各テストインスタンスは、Solaris カーネルによってその時点で使用可能なプロセッサに割り当てられます。マルチプロセッサシステムでは、以下の手順でテストインスタンスを特定のプロセッサに割り当てることができます。
以下のいずれかのレベルで Test Execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― コントロールパネル の Set Options から Test Execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
Processor Affinity フィールドは、マルチプロセッサシステムでのみ表示されます。
Processor Affinity オプションは、cputest や fputest などのプロセッサテストでは使用できません。これらのテストは、システム上の各プロセッサに個別に関連付けられているため、異なるプロセッサに割り当てることはできません。
Processor Affinity フィールドからProcessor を選択します。
Apply をクリックします。
SunVTS のテストセッションがデフォルトのオプション値で実行するときよりも多くのテストデータを出力するように設定することができます。手順を以下に示します。
以下のいずれかのレベルで Test Execution ダイアログボックスを開きます。
システムレベル ― コントロールパネル の Set Options から Test Execution を選択します。
グループレベル ― グループにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
デバイスレベル ― デバイスにポインタを置き、プルダウンメニューから Test Execution Options を選択します。
以下のオプションを 1 つ以上有効 (または無効) にします。
Verbose ― テストセッションの実行中、テストの開始および停止時刻を示す詳細メッセージを表示します。
Core File ― このオプションを有効にすると、テストセッションがコアダンプされる際に、コアファイルが作成されます。コアファイル名は sunvts_install_dir/bin/core.testname.xxxxxx です。testname はコアダンプされたテスト、xxxxxx は一意のファイル名を付けるためにシステムが生成した文字列を表しています。
Option Files 機能を使用して、選択したデバイスの現在の設定とテストオプションを保存し、再使用することができます。同じテストセッションの構成を繰り返し使用するときに便利な機能です。
構成情報は、ユーザーが指定したファイル名で /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。
オプションファイルは手動で編集しないでください。オプションファイルに不必要な文字があると、ファイルの使用時に予期せぬ動作を引き起こす場合があります。
SunVTS で、保存するテストセッションを構成します。
「SunVTS のテストセッションを構成する」を参照してください。
コントロールパネルの Option Files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option File Name フィールドでオプションファイル名を指定します。
Store をクリックします。
Option Files ダイアログボックスが閉じ、今後の使用に備えてテストセッションの構成が保存されます。
別のシステムで作成されたオプションファイルを読み込むことは可能ですが、テストを実行するシステムに対して構成が有効であることを確認する必要があります。
64 ビット環境で作成されたオプションファイルを 32 ビット環境に読み込むことはできません。
コントロールパネルから Option Files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option File プルダウンリストからオプションファイルを選択します。
Load をクリックします。
テストセッションの構成が SunVTS に読み込まれ、使用可能になります。また、テストセッションを起動する前に、構成を変更することもできます。
コントロールパネルから Option Files を選択します。
Option Files ダイアログボックスが表示されます。
Option File プルダウンリストから削除するオプションファイルを選択します。
Remove をクリックします。
確認ダイアログボックスで、OK をクリックします。
自動起動機能と保存したオプションファイルを使用して、テストセッションの構成および実行のプロセスを簡略化することができます。
コントロールパネルの Set Options から Schedule を選択します。
Schedule ダイアログボックスが表示されます。
Schedule ダイアログボックスで Auto Start の設定を有効にします。
SunVTS が自動的にテストを起動するように構成されます。
オプションファイルを作成します。
「オプションファイルを作成する」を参照してください。
コントロールパネルの Quit から Terminate UI & Kernel を選択します。
自動起動機能を動作させるには、SunVTS を終了して再起動する必要があります。
作成したオプションファイルを指定し、以下のコマンドを使用してコマンド行から SunVTS を再起動します。
# /opt/SUNWvts/bin/sunvts -ol option_file |
SunVTS のメインウィンドウが表示され、テストセッションが自動的に開始されます。
テストセッションは、実行中に一時停止することができます。たとえば、スクロールして見えなくなった コントロールパネルのメッセージを表示する場合や、ログファイルを参照して印刷する場合などです。
テストセッションの実行中に、コントロールパネルの Suspend をクリックします。
Status パネルに 「Suspend」と表示され、ユーザーが再開するまでテストセッションは中断されます。
コントロールパネルの Resume を選択します。
Status パネルに「Testing」と表示され、SunVTS カーネルが中断されたテストセッションを再開します。
Record および Replay 機能を使用して、SunVTS のテストセッションを記録することができます。1 回の記録で保存されるテストセッションは 1 つだけです。
イベントは、/var/opt/SUNWvts/vts_replay_file というファイルに記録されます。
テストセッションを記録しておくと、後に記録されたイベントを使用して、記録されたイベントシーケンスを SunVTS カーネルで再生することができます。
Record および Replay 機能は、イベントシーケンスを忠実に再現しますが、イベントの時間の長さは再現することができません。これは、それぞれの実行時間が異なるためです。
SunVTS で実行するテストセッションを構成します。
「SunVTS のテストセッションを構成する」を参照してください。
コントロールパネルの Start から Start With Record を選択します。
テストセッションが実行され、イベントが記録されます。テストを停止すると、記録されたセッションを再実行することができます。
コントロールパネルの Start から Replay を選択します。
カーネルは、SunVTS を構成したときと同様の構成で同じテストを再実行します。
再実行中は、SunVTS カーネルは、記録されたテストセッションを再表示しているだけでなく、実際に実行しています。