フラッシュのコマンドは、フラッシュアーカイブの作成と管理に使用します。
flarcreate コマンドは、マスターシステムからフラッシュアーカイブを作成するために使用します。このコマンドは、マスターシステムがマルチユーザーモードまたはシングルユーザーモードで稼働している時に使用できます。また、flarcreate は、マスターシステムが Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD からブートしている時、あるいは Solaris 8 SOFTWARE CD および Solaris 8 LANGUAGES CD のネットイメージからブートしている時にも使用できます。フラッシュアーカイブを作成する時は、マスターシステムはできるだけ静的な状態にしておく必要があります。このコマンドの構文は次のとおりです。
flarcreate -n name [-R root] [-S] [-H] [-c] [-x excl ude] [-t [-p posn][-b blocksize]] [-i date] [-m [-u section [-d dir]] [-f file_list] [-F] [-U key=val] ] [-a author] [-e descr:-E desc r_file] [-T type]
このコマンド行で、path は、アーカイブファイルを保存するディレクトリです。filename は、アーカイブファイルの名前です。パスを指定しない場合、flarcreate はアーカイブファイルを現在のディレクトリに保存します。
表 20–3 flarcreate のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
必須オプション |
|
-n name |
このオプションの値は、アーカイブの名前です。指定する name は、content_name キーワードの値になります。 |
圧縮用のオプション |
|
-c |
compress(1) を使用してアーカイブを圧縮します。 |
ディレクトリとサイズを指定するオプション |
|
- R root |
root のファイルシステムツリーからアーカイブを作成します。このオプションを指定しない場合、flarcreate は / ファイルシステムからアーカイブを作成します。 |
-S |
アーカイブにサイズ情報を含めません。 |
-x exclude |
ディレクトリ exclude をアーカイブの対象外にします。ファイルシステムとして -R root を指定すると、ディレクトリ exclude へのパスは root からの相対パスとみなされます。 |
-H |
ハッシュ識別子を生成しません。 |
ユーザー定義のセクションで使用されるオプション |
|
-u section |
ユーザー定義のセクションを含めます。ユーザー定義のセクションを複数含めるには、セクション名を空白で区切ったリストにします。 |
-d dir |
dir から、-u で指定したセクションを取り出します。 |
テープアーカイブで使用されるオプション |
|
-t |
テープデバイス上にアーカイブを作成します。filename 引数は、テープデバイスの名前です。 |
-p posn |
-t オプションとの併用でのみ使用できます。flarcreate がアーカイブを格納するための、テープデバイス上の位置を指定します。このオプションを指定しない場合、flarcreate はテープの現在の位置にアーカイブを配置します。 |
-b blocksize |
flarcreate がアーカイブの作成時に使用するブロックサイズを指定します。ブロックサイズを指定しない場合、flarcreate はデフォルトのブロックサイズ 64k を使用します。 |
ファイルを指定するためのオプション |
|
-f file_list |
file_list に示されるファイルをアーカイブに追加します。 file_list ファイルでは、1 ファイルを 1 行で表す必要があります。各ファイルへのパスは、代替ルートディレクトリからの相対パスまたは絶対パスです。 file_list の値として「-」を指定すると、ファイルのリストとして stdin の出力が使用されます。「-」を指定すると、アーカイブのサイズは計算されません。 |
-F |
file_list に示されるファイルだけを使ってアーカイブを作成します。 |
アーカイブ識別のためのオプション |
|
-U key=val |
identification セクションに、ユーザー定義のキーワードと値を含めます。 |
-i date |
date は、creation_date キーワードの値として使用されます。date を指定しない場合、flarcreate は現在のシステム日時を使用します。 |
-m master |
master は、creation_master キーワードのアーカイブを作成したマスターシステムの名前として使用されます。master を指定しない場合、flarcreate は uname -n が出力するシステム名を使用します。 |
-e descr |
descr は、content_description キーワードの値として使用されます。-E オプションを使用する場合はこのオプションを使用できません。 |
-E descr_file |
ファイル descr_file から content_description キーワードの値を取得します。-e オプションを使用する場合はこのオプションを使用できません。 |
-a author |
author は、identification セクション内の content_author キーワードの値として使用されます。作成者を指定しない場合、flarcreate は identification セクションの content_author キーワードを含めません。 |
-T type |
type は、content_type キーワードの値として使用されます。タイプを指定しない場合、flarcreate は content_type キーワードを含めません。 |
flar コマンドは、アーカイブの管理に使用します。このコマンドで行うことができる作業は以下のとおりです。
作成済みのアーカイブについての情報を取得するには、-i または info オプションを指定して flar コマンドを使用します。このコマンドの構文は次のとおりです。
flar -i:info [- l] [-k keyword] [- t [-p posn] [- b blocksize]] filename
表 20–4 flar -i (flar info) のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
-k keyword |
キーワード keyword の値のみを返します。 |
-l |
アーカイブセクション内のすべてのファイルをリスト表示します。 |
フラッシュアーカイブを複数のセクションに分割するには、-s または split オプションを指定して flar コマンドを使用します。flar コマンドは、現在のディレクトリまたは指定されたディレクトリ内に各セクションを個々のファイルに分けてコピーします。ファイルには、セクション名からとった名前が付けられます。たとえば、cookie セクションは、cookie と名付けられたファイルに保存されます。flar コマンドでは、1 つのセクションだけを保存するように指定できます。このコマンドの構文は次のとおりです。
flar -s:split[- d dir] [-u section] [-f archive] [-S section] [-t [-p posn] [-b blocksize]] filename
表 20–5 flar -s (flar split) のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
-d dir |
コピーするセクションを、現在のディレクトリからではなく dir から取得します。 |
-u section |
このオプションを使用しない場合、flar は現在のディレクトリ内のすべてのセクションをコピーします。このオプションを使用した場合、flar は cookie セクション、identification セクション、archive セクション、および section セクションをコピーします。1 つのセクション名を指定することも、あるいは空白で区切って複数のセクション名を指定することも可能です。 |
-f archive |
アーカイブセクションを、archive という名前のファイルに入れるのではなく、archive というディレクトリに抽出します。 |
-S section |
アーカイブから section と名付けられたセクションだけをコピーします。 |
個々のセクションからフラッシュアーカイブを作成するには、-c または combine オプションを指定して、flar コマンドを使用します。各セクションは、セクション名を名前に持つ個々のファイル内にあると見なされます。少なくとも、cookie (cookie セクション)、identification (identification セクション)、および archive (archive セクション) の 3 つのファイルが存在する必要があります。archive がディレクトリである場合、flar コマンドは、結合されたアーカイブに含める前に、cpio を使用してこれをアーカイブします。identification セクションにアーカイブの圧縮が指定されている場合、flar は新しく結合されたアーカイブのコンテンツを圧縮します。
flar -c:combine [-d dir] [-u section] [-t [-p posn] [-b blocksize]] filename
どのセクションについても検証は何も行われません。特に、identification セクション内のどのフィールドについても、検証や更新は行われません。
オプション |
説明 |
---|---|
-d dir |
結合するセクションを、現在のディレクトリからではなく dir から取得します。 |
-u section |
このオプションを指定しない場合、flar は現在のディレクトリ内のすべてのセクションを結合します。このオプションを使用した場合、flar は cookie セクション、identification セクション、archive セクション、および section セクションのみを結合します。1 つのセクション名を指定することも、あるいは空白で区切って複数のセクション名を指定することも可能です。 |