プロファイルを作成した後で、pfinstall(1M) コマンドを使用してプロファイルをテストします。プロファイルのテストは、実際にプロファイルを使用してシステムのインストールまたはアップグレードを行う前に行なってください。
pfinstall が生成するインストール出力を調べることによって、意図するとおりにプロファイルが動作するかを簡単に調べることができます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。
pfinstall を利用すると、以下の要素に対してプロファイルをテストできます。
pfinstall を実行しているシステムのディスク構成
その他のディスク構成。ディスクの構造 (ディスクのバイト/セクタ、フラグ、スライスなど) を示すディスク構成ファイルを使用します。ディスク構成ファイルの作成については、ディスク構成ファイルの作成と x86: ディスク構成ファイルを作成する方法を参照してください。
ディスク構成ファイルを使用して、システムのアップグレードに使用するプロファイルをテストすることはできません。代わりに、システムの実際のディスク構成およびシステムに現在インストールされているソフトウェアに対して、プロファイルをテストする必要があります。
特定の Solaris リリースでプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内にあるプロファイルをテストする必要があります。たとえば、Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris 8 を実行しているシステムに対して pfinstall コマンドを実行する必要があります。
以下のどちらかの状況でプロファイルをテストする場合は、一時的なインストール環境を作成する必要があります。
旧バージョンの Solaris ソフトウェアを使用しているシステム上で Solaris 8 のアップグレードプロファイルをテストする場合。
Solaris 8 の初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 システムをまだインストールしていない場合。
次に示すメディアのいずれか 1 つのイメージからシステムをブートします。
Solaris 8 DVD (SPARC)
Solaris 8 DVD (Intel)
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel)
アップグレードプロファイルをテストしたい場合は、アップグレードするシステムをブートしてください。
システムを識別するための質問に答えます。
Solaris 8 オペレーティング環境をインストールするプログラムとして Solaris 8 対話式インストールプログラムを選択します。
表示される最初の画面を閉じます。
シェルから pfinstall コマンドを実行します。
プロファイルを作成したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または IA) のシステムであることを確認します。
アップグレードプロファイルをテストする場合、アップグレードする実際のシステム上のプロファイルをテストしてください。
次の表にもとづいて、次に行うことを決定します。
状態 |
手順 |
---|---|
初期インストールプロファイルをテストする (Solaris 8 ソフトウェアが動作しているシステムがある場合) |
そのシステムでスーパーユーザーになり、手順 5 へ進みます。 |
アップグレードプロファイルをテストする (初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 が動作しているシステムがない場合) |
一時的な Solaris 8 環境を作成し、プロファイルをテストします。詳細は、一時的な Solaris 8 環境を作成してプロファイルをテストする方法を参照してください。続いて、手順 3へ進みます。 |
一時的なマウントポイントを作成します。
# mkdir /tmp/mnt |
テストしたいプロファイル (1 つ以上) が入ったディレクトリをマウントします。
マウントするメディア |
コマンド |
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リモート NFS ファイルシステムをマウントする (ネットワーク上のシステムの場合) |
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UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする |
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PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする |
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システムのメモリーサイズを指定してプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE に使用するメモリーサイズを M バイトで設定します。
# SYS_MEMSIZE=memory_size # export SYS_MEMSIZE |
手順 4 でディレクトリを
マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。
# cd /tmp/mnt |
マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。
# cd jumpstart_dir_path |
pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D:-d disk_config_file[[-c path]] profile |
-d または -D オプションを指定してください。いずれかを指定しないと pfinstall は指定されたプロファイルを使用して Solaris 8 ソフトウェアをインストールします。その結果、システム上のデータがすべて上書きされます。
-D |
pfinstall は、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストします。アップグレードプロファイルをテストする場合は、-D オプションを使用する必要があります。 |
-d disk_config_file |
pfinstall は、ディスク構成ファイル (disk_config_file) を使用してプロファイルをテストします。pfinstall が動作しているディレクトリに disk_config_file が置かれていない場合は、パスを指定する必要があります。 ディスク構成ファイルの作成方法については、ディスク構成ファイルの作成を参照してください。
注 – アップグレードプロファイル (install_type upgrade) で -d disk_config_file オプションを使用することはできません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。 |
Solaris 8 ソフトウェアイメージのパス。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。 注 – プラットフォーム対応の Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージからブートした場合は、-c オプションは不要です。DVD または CD イメージは、ブート処理の一環として /cdrom 上にマウントされます。 |
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profile |
テストするプロファイル名。profile が pfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。 |
次の例は、pfinstall を使用して basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。このテストは、Solaris 8 ソフトウェアがインストールされているシステム上のディスク構成に対して行われます。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャを使用しているので、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスが指定されています。
# cd /jumpstart # /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof |
次の例は、pfinstall を使用して Solaris 8 システム上の basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。535_test ディスク構成ファイルがテストされ、システムメモリーが 64M バイトあるかどうか確認されます。また、この例で pfinstall は、/export/install ディレクトリにある Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のイメージを使用します。
# SYS_MEMSIZE=64 # export SYS_MEMSIZE # /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof |