Solaris 8 のインストール (上級編)

custom_probes ファイルの作成

ルールキーワードと値の説明プローブキーワードと値 で説明したルールおよびプローブキーワードでは不十分な場合は、custom_probes ファイルを作成して、独自のカスタムルールまたはプローブキーワードを定義できます。

custom_probes ファイルは、2 種類のタイプの関数を含む Bourne シェルスクリプトです。custom_probes ファイルは、rules ファイルを保存したのと同じ JumpStart ディレクトリに保存する必要があります。次に、custom_probes ファイルに定義できる 2 種類の関数を示します。

custom_probes ファイルの構文

custom_probes ファイルには、任意の有効な Bourne シェルコマンド、変数、またはアルゴリズムを含めることができます。


注 –

custom_probes ファイルで単一の引数を必要とするプローブおよび比較関数を定義できます。rules ファイル内で対応するカスタムプローブキーワードを使用する場合、このキーワードの後に続く引数が ($1 として) 解釈されます。

rules ファイル内で対応するカスタムルールキーワードを使用する場合、引数はこのキーワードの後から解釈され、次の && または begin スクリプトのどちらか最初にきた方の前で解釈が終了します。


custom_probes ファイルは、次の要件を満たす必要があります。

より明確で効果的な構成にするために、最初にすべてのプローブ関数をファイルの一番上に定義してから、比較関数を続けて定義してください。

custom_probes の関数名の構文

プローブ関数名は、probe_ で始める必要があります。比較関数名は、cmp_ で始める必要があります。

probe_ で始まる関数は、新しいプローブキーワードを定義します。たとえば、関数 probe_tcx は、新しいプローブキーワード tcx を定義します。cmp_ で始まる関数は、新しいルールキーワードを定義します。たとえば、cmp_tcx は、新しいルールキーワード tcx を定義します。

custom_probes ファイルを作成する方法

  1. テキストエディタを使用して Bourne シェルスクリプトのテキストファイルを作成します。このファイルに custom_probes という名前を付けます。

  2. custom_probes テキストファイルで、プローブ関数と比較関数を定義します。


    注 –

    custom_probes ファイルには、引数を必要とするプローブおよび比較関数を定義できます。rules ファイル内で対応するカスタムプローブキーワードを使用する場合、このキーワードの後に続く引数は順番に ($1、$2 などとして) 解釈されます。

    rules ファイル内で対応するカスタムルールキーワードを使用する場合、引数はこのキーワードの後から解釈され、次の && または begin スクリプトのどちらか最初にきた方の前で解釈が終了します。


  3. custom_probes ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します (rules ファイルと同じ)。

  4. rootrules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

custom_probes ファイルとキーワードの例

プローブ関数と比較関数の例は次のディレクトリにも入っています。

次の custom_probes ファイルには、TCX グラフィックスカードがあるかどうかをテストするプローブおよび比較関数が含まれます。


例 25–1 custom_probes ファイル

#!/bin/sh
# 
# custom_probe script to test for the presence of a TCX graphics card.
# 
 
# 
# PROBE FUNCTIONS
# 
probe_tcx() {
  SI_TCX=`modinfo | grep tcx | nawk '{print $6}'`
  export SI_TCX
}
 
# 
# COMPARISON FUNCTIONS
# 
cmp_tcx() {
  probe_tcx
 
  if [ "X${SI_TCX}" = "X${1}" ]; then
     return 0
  else
     return 1
  fi
}

次のサンプル rules ファイルは、前の例で定義されているプローブキーワード (tcx) の使用方法を示しています。TCX グラフィックスカードがシステムにインストールされていて検出されると、profile_tcx が実行されます。そうでない場合は、profile が実行されます。


注 –

プローブキーワードは、rules ファイルの先頭または先頭近くに指定してください。これは、そのプローブキーワードに依存する可能性のあるほかのルールキーワードよりも前に読み取られて実行されるようにするためです。



例 25–2 rules ファイルで使用されるカスタムプローブキーワード

 
probe tcx
tcx     tcx     -     profile_tcx     -
any     any     -     profile         -