第2章 |
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この章では、System Management Services (SMS) ソフトウェアを実行する Sun Fire 15K/12K システムコントローラ (SC) の DR 機能の使用手順を説明します。次の手順について説明します。
DR 操作を実行する前には、特にデバイスを削除する場合は、showdevices(1M) コマンドを使用してデバイス情報を表示します。
デバイス情報を表示する |
showdevices (1M) コマンドを使用して、ドメインのデバイス情報を表示します。
上記のコマンドは、ドメイン内の全デバイスのデバイス情報を表示し、以下のような出力を生成します。
以下は、上記の showdevices(1M) コマンドのメモリー出力の一例です。
以下は、上記の showdevices(1M) コマンドによる入出力デバイスの出力例です。
showdevices(1M) コマンドについての詳細は、showdevices の節を参照してください。このコマンドのオプションと引数の全一覧、およびデバイス固有情報の表示については、showdevices(1M) マニュアルページを参照してください。
特定ドメインでのボードの追加、移動、または削除を行うには、まず showboards(1M) コマンドを使用して、ドメイン ID、ドメインに使用できるボード、およびドメインのステータスを判定します。
すべての DR コマンドでドメイン ID を使用できます。ボードリストを使用すれば特定のボードを割り当てられるドメインを判別でき、そのドメインのステータスを見ればドメインにボードを追加、削除または移動できるかどうかを知ることができます。コンポーネントが使用可能構成要素リストにあるかどうかを調べるには、showplatforms(1M) コマンドを使用します。
showplatforms(1M) コマンドを使用するには、適切な特権が必要です。showplatforms(1M) コマンドを使用できるユーザーグループの一覧など、このコマンドについての詳細は、showplatformの節を参照してください。また、showplatform (1M) マニュアルページも参照してください。
プラットフォーム情報を表示する |
ドメイン情報を取得するには、showplatform(1M) コマンドを使用します。
showplatform(1M) コマンドは、次の例のように、ドメイン ID、使用可能構成要素リスト、およびドメインのステータスを表示します。
ボードを削除または移動するには、ボードを照会して、ボードの状態とボードの割り当て先ドメインを調べる必要があります。
Sun Fire 15K/12K の SC では、ボードは unavailable、available、assigned、または active の 4 つの状態のいずれかです。
注 - SC 上にあるボードの状態は、ドメインにあるボードの状態とは異なります。ドメイン上のボードの状態に関する詳細は、『Sun Fire 15K/12K Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください。 |
以下の表では、SC 上のボードの状態について説明しています。
削除または移動するボードを含むドメインの ID を明らかにするか、または特定のボードがすでにあるドメインに割り当てられていることがわかったら、showboards (1M) コマンドを使用してボードの状態を調べます。ボードは、削除も移動もできない状態にある可能性があります。
注 - showboards(1M) コマンドの出力は、ユーザーの特権によって異なります。たとえば、プラットフォーム管理者はサーバー内のすべてのボードに関する情報を取得できます。これに対して、ドメイン管理者とドメイン構成者は、アクセス権を持つドメインに割り当て済みで使用可能なボードに関する情報だけを取得できます。詳細は、showboardsを参照してください。 |
ボード情報を表示する |
showboards(1M) コマンドを使用して、ドメインのボード情報を表示します。
上記のコマンドは、ドメイン A のデバイス情報を表示します。次は、表示される情報の例です。
Slot Pwr Type of Board Board Status Test Status Domain SB0 On CPU Board Active Passed A SB1 - Empty Slot Assigned - A |
showboards(1M) コマンドを使用すると、割り当て済みの全システムボード、使用可能な全システムボード、またはドメイン内の全 CPU/メモリー、および入出力ボードのいずれかもしくはすべてを表示できます。ボード情報表示の詳細については、showboards(1M) マニュアルページを参照してください。
ドメインにボードを追加すると、ボードの状態は何度か変更されます。ボードがまだ割り当てられていない場合は、まずドメインに割り当てられます。さらにドメインに接続されてから構成され、Solaris オペレーティング環境に組み込まれます。接続されたボードは、物理ドメインの一部とみなされて、オペレーティングシステムで使用できるようになります。
ドメインにボードを追加するには適切な特権が必要です。このコマンドの使用に必要な特権を含め、詳細については、addboardを参照してください。
ボードをドメインに追加する |
addboard(1M) コマンドを使用して、ボードをドメインに追加します。
次の addboard(1M) コマンドの例は、システムボード 2 (SB2) を domain_id で指定されたドメインに追加しています。必要に応じて、待機時間 10 分 (600秒) で 2 回再試行されます。
注 - DR 操作中に addboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインのログに出力されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、そのボードを使用するには、ドメインの再起動が必要です。 |
ドメインからボードを削除すると、そのボードは現在割り当てられていて、場合によっては有効 (active) 状態にあるドメインから削除されます。ボードを削除する場合、そのボードは割り当て済み (assigned) か有効 (active) 状態でなければなりません。
必ずボード上のコンポーネントの使用状態を確認した上で、ドメインから削除してください。ボードが常時メモリーのホストである場合、ボードを削除する前に、メモリーを同じドメイン内の別のボードに移動しておきます。同様に、使用中のデバイスが存在する場合は、そのデバイスがシステムで使用されなくなるまで待ってから、ボードを削除する必要があります。
ドメイン管理者はボードの構成を解除して切り離すことができますが、ボードが使用可能構成要素リストにないと、ドメインからボードの割り当てを解除することはできません。このコマンドを使用するのに必要な特権の説明を含め、詳細は deleteboardの節を参照してください。
ボードをドメインから削除する |
deleteboard(1M) コマンドを使用して、ドメインからボードを削除します。
次の deleteboard(1M) コマンド例では、システムボード 2 (SB2) をその現在のドメインから削除しています。必要に応じて、待機時間 15 分 (900秒) で 2 回再試行されます。
注 - DR 操作中に deleteboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインのログに出力されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、そのボードを使用するには、ドメインの再起動が必要です。 |
あるドメインから別のドメインへのボードの移動は、いくつかの段階を通して実行されます。まず、ボードが現在割り当てられており、アクティブになっている可能性があるドメインから切り離します。ボードの状態は assigned または active である必要があります。次に、ボードを対象のドメインに割り当てます。この後、そのボードを対象のドメインに接続してから Solaris オペレーティング環境で構成すれば、ボードを使用できるようになります。
必ずボード上のメモリーとデバイスの使用状態を確認した上で、ドメインから削除してください。ボードが常時メモリーのホストである場合は、そのメモリーを同じドメイン内の別のボードに移動してから、ボードを移動する必要があります。同様に、使用中のデバイスが存在する場合は、そのデバイスがシステムで使用されなくなるまで待ってから、ボードを移動する必要があります。
moveboard(1M) コマンドを使用するのに必要な特権の説明を含め、詳細は moveboardの節を参照してください。
ボードを移動する |
moveboard(1M) コマンドを使用して、ボードをあるドメインから別のドメインに移動します。
次の moveboard(1M) コマンドの例では、システムボード 2 (SB2) をその現在のドメインから、domain_id によって指定されたドメインに移動しています。必要に応じて、待機時間 15 分 (900秒) で 2 回再試行されます。
注 - DR 操作中に moveboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインのログに出力されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、そのボードを使用するには、ドメインの再起動が必要です。 |
この節では、あるドメインでアクティブなシステムボードを別のシステムボードと交換する方法を説明します。
アクティブなシステムボードを交換する |
次の手順により、システムボード 2 (SB2) が現在のドメインから取り外されて、システムボード 3 (SB3) と交換されます。
1. deleteboard(1M) コマンドを使用して、ドメインからシステムボード 2 (SB2) を削除します。
このステップで、システムボード 2 が現在のドメインから削除されます。必要に応じて、待機時間 15 分 (900秒) で 2 回再試行されます。
2. addboard(1M) コマンドを使用して、システムボード 3 (SB3) をドメインに追加します。
このステップで、システムボード 3 が domain_id によって指定されたドメインに追加されます。必要に応じて、待機時間 15 分 (900秒) で 2 回再試行されます。
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