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SC からの SMS DR 操作 (ハイエンドシステムのみ)

この章では、SMS ソフトウェアを実行する Sun Fire high-end serverのシステムコントローラ (SC) から DR 操作を実行する手順について説明します。



caution icon

注意 - ボードまたはコンポーネントに対して DR 操作を実行する前に、DR 操作を実行する前にの説明に従って、対象となるボードまたはコンポーネントの状態および条件を判定します。



この章では、以下のトピックについて説明します。



注 - DR 操作中に SMS DR コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。



SMS DR コマンド rcfgadm(1M) は、ドメインで実行される cfgadm(1M) コマンドとよく似ており、同じオプションを指定できます。ただし、通常、rcfgadm(1M) のほうには、-d domain_id パラメタを追加指定する必要があります。この章では、別の コマンドを中心に説明します。rcfgadm(1M) の詳細は、rcfgadm(1M)を参照してください。


デバイス情報の表示

DR 操作を実行する前に、SMS コマンド showdevices(1M) を実行してデバイス情報を表示します。この操作は、特にデバイスを削除する場合に重要です。


procedure icon  デバイス情報を表示する

single-step bulletドメインのデバイス情報を表示します。


# showdevices -v -d domain_id

 

showdevices(1M) は、ドメイン内の全デバイスのデバイス情報を表示し、以下のような出力を生成します。


表 5-1 showdevices による CPU 情報の出力例

ドメイン
board
id
状態
speed
ecache
usage
A
SB1
40
online
400
4
 
A
SB1
41
online
400
4
 
A
SB1
42
online
400
4
 
A
SB1
43
online
400
4
 
A
SB2
55
online
400
4
 
A
SB2
56
online
400
4
 
A
SB2
57
online
400
4
 
A
SB2
58
online
400
4
 

表 5-2 showdevices による UltraSPARC IV+ の情報の出力例 ( showdevices -d G )

ドメイン
board
id
状態
speed
ecache
usage
G
SB0
0
on-line
1050
8

 

G
SB0
1
on-line
1050
8

 

G
SB0
2
on-line
1050
8

 

G
SB0
3
on-line
1050
8

 

G
SB0
4
on-line
1050
8

 

G
SB0
5
on-line
1050
8

 

G
SB0
6
on-line
1050
8

 

G
SB0
7
on-line
1050
8

 

G
SB9
288
on-line
900
8

 

G
SB9
289
on-line
900
8

 

G
SB9
290
on-line
900
8

 

G
SB9
291
on-line
900
8

 

G
SB12
384
on-line
900
8

 

G
SB12
385
on-line
900
8

 

G
SB12
386
on-line
900
8

 

G
SB12
387
on-line
900
8

 


表 5-3 showdevices によるメモリードレイン状況の出力例

ドメイン
board
board mem MB
perm mem MB
base addr
domain mem MB
target board
deleted MB
remaining MB
A
SB1
2048
933
0x600000
4096

C2

250

1500

A
SB2
2048
0
0x200000
4096

 

 

 


表 5-4 showdevices による入出力デバイス情報の出力例

ドメイン
board
device
resource
usage
A
101
sd0
 
 
A
101
sd1
 
 
A
101
sd2
 
 
A
101
sd3
/dev/dsk/c0t3d0s0
mounted from filesystem "/"
A
101
sd3
/dev/dsk/c0t3d0s1
dump device (swap)
A
101
sd3
/dev/dsk/c0t3d0s1
swap area
A
101
sd3
/dev/dsk/c0t3d0s3
mounted filesystem "/var"
A
101
sd3
/var/run
mounted filesystem "/var/run"
A
101
sd4
 
 
A
101
sd5
 
 

    

詳細は、showdevices(1M) を参照してください。このコマンドで使用できるオプションと引数の一覧、およびデバイス固有情報の表示方法については、showdevices(1M) のマニュアルページを参照してください。


プラットフォーム情報の表示

特定ドメインへのボードの追加、ドメイン間でのボードの移動、ドメインからのボードの削除を行うときは、まず showboards(1M) コマンドを使って、ドメイン ID、このドメインで使用できるボード、およびドメインのステータスを確認します

ドメイン ID は、すべての DR コマンドで使用できます。ボードリストを使って、特定のボードの割り当て先ドメインを判別できます。さらに、そのドメインのステータスから、ドメインへのボードの追加、ドメイン間でのボードの移動、またはドメインからのボードの削除が可能かどうかを確認できます。コンポーネントが使用可能なコンポーネントのリスト (ACL) に記載されているかどうかを調べるには、showplatform(1M) コマンドを使用します。

showplatform(1M) コマンドを使用するには、適切な特権が必要です。このコマンドを使用できるユーザーグループの一覧など、このコマンドの詳細は、showplatform(1M)を参照してください。


procedure icon  プラットフォーム情報を表示する

single-step bulletドメイン情報と ACL 情報を一覧表示します。


# showplatform

 

showplatform(1M) コマンドは、以下の例のように、ドメイン ID、使用可能なコンポーネントのリスト、およびドメインのステータスを表示します。


ACLs for domain domainA:
        slot0: SB0, SB1, SB2, SB3
        slot1: IO0, IO1, IO2, IO3
 
ACLs for domain domainB:
        slot0: None
        slot1: None
 
 
Domain        Solaris Nodename      Domain Status
 
domainA       sms3-b0               Powered Off
domainB       sms3-b1               Running Solaris

 


ボード情報の表示

システムボードを削除または移動する前に、ボードを照会して、ボードとボードの割り当て先ドメインの状態を確認する必要があります。showboards(1M) コマンドを使用できるユーザーグループなど、showboards(1M) コマンドの詳細は、showboards(1M)と、showboards(1M) のマニュアルページを参照してください。

SC 状態モデル

Sun Fire high-end serverの SC では、ボードの状態は、unavailable、available、assigned、active のいずれかになります。



注 - SC で確認できるボードの状態は、ドメインで確認できるボードの状態とは異なります。ドメインで確認できるボードの状態については、DR の概念を参照してください。




表 5-5 Sun Fire ハイエンドシステムの SC で確認できるボードの状態

名前

説明

unavailable

ボードはドメインで使用できません (unavailable)。このボードは、指定されたドメインの ACL に記載されていません。または、別のドメインに割り当てられています。ドメインの ACL に記載されていないボードは、そのドメインに見えません。unavailable 状態のボードは、そのドメインの一部とはみなされません。

available

ボードはドメインに追加可能な状態 (available) です。ボードは、ドメインの ACL に記載されています。同じボードを複数のドメインで使用することができます。available 状態のボードは、論理ドメインの一部とみなされません。

assigned

ボードはドメインに割り当て済みであり、このドメインの ACL に記載されている可能性があります。ボードは、このドメイン以外のドメインで使用できません。assigned 状態のボードは、論理ドメインの一部とみなされます。

active

ボードは接続されています。つまり、このボードは接続され、Solaris OS に組み込まれ、Solaris OS で使用できる状態にありますactive 状態のボードは、物理ドメインの一部とみなされます。


 

showboards(1M) コマンド

削除または移動対象のボードを含むドメインの ID が確認できたら (または特定のボードがすでにあるドメインに割り当てられていることがわかったら)、showboards(1M) コマンドを使ってボードの状態を確認します。ボードは、削除も移動もできない状態にある場合があります。



注 - showboards(1M) コマンドの出力結果は、ユーザーが持っている特権によって異なります。たとえば、プラットフォーム管理者はサーバー内のすべてのボードに関する情報を取得できます。これに対して、ドメイン管理者とドメイン構成者は、自分がアクセス権を持っているドメインに割り当てられた使用可能なボードに関する情報しか取得できません。詳細は、showboards(1M)と、showboards(1M) のマニュアルページを参照してください。




procedure icon  ボード情報を表示する

single-step bulletドメインのボード情報を表示します。


# showboards -d domain_id

 

上記のコマンドは、以下のようなデバイス情報を表示します。


Slot

Power

Board Type

Board Status

Test Status

Domain

SB0

On

CPU Board

Active

Passed

A

SB1

-

Empty Slot

Assigned

-

A


 

showboards(1M) コマンドでは、割り当て済みの使用可能なすべてのシステムボードと、ドメイン内のすべての入出力ボードを表示できます。ボード情報の表示方法については、showboards(1M) のマニュアルページを参照してください。


ボードの追加

ドメインにボードを追加すると、ボードの状態は何回か変化します。ボードがまだ割り当てられていない場合は、まずドメインに割り当てられます。次に、ドメインに接続され、Solaris OS に組み込まれます。接続されたボードは、物理ドメインの一部とみなされ、OS で使用可能です。

ドメインにボードを追加するには、適切な特権が必要です。addboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権など、このコマンドの詳細は、addboard(1M)と、addboard(1M) のマニュアルページを参照してください。



注 - DR を使ってドメインに COD ボードを追加するときは、対象ドメインの RTU ライセンス数に十分余裕があり、COD ボード上のアクティブな CPU をすべて有効にできることを確認してください。この条件が満たされていないと、ドメイン内で有効にできない CPU が検出されるたびに、DR によってメッセージが表示されます。COD オプションについては、『System Management Services (SMS) 管理者マニュアル』を参照してください。




procedure icon  ドメインにボードを追加する

single-step bulletボードをドメインに追加します。


# addboard -d domain_id board_id

 

以下の例では、ドメイン A にシステムボード 2 (SB2) を追加します。この処理の再試行は、必要に応じて、10 分 (600 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# addboard -d A -r 2 -t 600 SB2

 

注 - DR 操作中に addboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。




ボードの削除

ドメインからボードを削除すると、そのボードは、現在割り当てられていて、場合によっては有効 (active) 状態にあるドメインから削除されます。ボードを削除するには、そのボードが割り当て済み (assigned) か有効 (active) でなければなりません。

必ずボード上のコンポーネントの使用状態を確認した上で、ドメインから削除してください。ボードに永続メモリーが搭載されている場合は、ボードを削除する前に、メモリーを同じドメイン内の別のボードに移動しておきます。同様に、使用中のデバイスがある場合は、そのデバイスがシステムで使用されなくなるまで待ってから、ボードを削除する必要があります。

ドメイン管理者は、ボードの構成を解除して切り離すことができますが、ドメインの ACL に記載されていないボードの割り当てを解除することはできません。deleteboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権など、このコマンドの詳細は、deleteboard(1M)と、deleteboard(1M) のマニュアルページを参照してください。


procedure icon  ドメインからボードを削除する

single-step bulletボードをドメインから削除します。


# deleteboard board_id

 

以下は、deleteboard(1M) コマンドを使って現在のドメインからシステムボード 2 (SB2) を削除する例です。この処理の再試行は、必要に応じて、15 分 (900 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# deleteboard -r 2 -t 900 SB2

 

注 - DR 操作中に deleteboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。




ボードの移動

ボードを別のドメインに移動する処理は、いくつかの段階を経て行われます。まず、ボードが現在割り当てられており、アクティブになっている可能性があるドメインから、ボードを切り離します。このとき、ボードの状態は assigned または active である必要があります。次に、ボードを対象のドメインに割り当てます。その後、ボードを対象のドメインに接続し、Solaris OS に組み込みます。これで、ボードが使用可能な状態になります。

必ずボード上のメモリーとデバイスの使用状態を確認した上で、ボードを移動してください。ボードに永続メモリーが搭載されている場合は、ボードを別のドメインに移動する前に、メモリーを同じドメイン内の別のボードに移動しておく必要があります。同様に、使用中のデバイスがある場合は、そのデバイスがシステムで使用されなくなるまで待ってから、ボードを移動する必要があります。

moveboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権など、このコマンドの詳細は、moveboard(1M)と、moveboard(1M) のマニュアルページを参照してください。



注 - DR を使って別のドメインに COD ボードを移動するときは、対象ドメインの RTU ライセンス数に十分余裕があり、COD ボード上のアクティブな CPU をすべて有効にできることを確認してください。この条件が満たされていないと、ドメイン内で有効にできない CPU が検出されるたびに、DR によってメッセージが表示されます。COD オプションについては、『System Management Services (SMS) 管理者マニュアル』を参照してください。




procedure icon  ボードを移動する

single-step bulletボードを別のドメインに移動します。


# moveboard -d domain_id board_id

 

以下は、moveboard(1M) コマンドを使って、現在オンドメインからドメイン A へシステムボード 2 (SB2) を移動する例です。この処理の再試行は、必要に応じて、15 分 (900 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# moveboard -d A -r 2 -t 900 SB2

 

注 - DR 操作中に moveboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。




アクティブなシステムボードの交換

この節では、ドメイン内のアクティブなシステムボードを交換する方法について説明します。


procedure icon  アクティブなシステムボードを交換する

1. 現在のドメインからシステムボードを削除します。


# deleteboard board_id

 

以下の例では、現在のドメインからシステムボード 2 (SB2) を削除します。


# deleteboard -r 2 -t 900 SB2

 

2. 交換用ボードをドメインに追加します。


# addboard -d domain_id board_id

 

以下の例では、ドメイン A にシステムボード 3 (SB3) を追加します。この処理の再試行は、必要に応じて、15 分 (900 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# addboard -d A -r 2 -t 900 SB3

 


SMS DR コマンドとオプション

この節では、SMS DR コマンドと関連オプションについて説明します。SMS DR コマンドについては、『System Management Services (SMS) リファレンスマニュアル』を参照してください。

addboard(1M)

addboard(1M) コマンドは、ボードをドメインに接続します。詳細は、ボードの追加と、addboard(1M) のマニュアルページを参照してください。


表 5-6 addboard コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

board_id

追加対象のボードの ID。ボード ID はボードの位置に対応しています。たとえば SB2 はスロット 2 のボードです。複数のボード IDを使用できます。

-c function

次に移行するボードの構成状態を指定します。ボードの追加は、いくつかの段階に分けて行うことができます。たとえば、ボードを割り当て、接続し、その後構成することができます。

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-f

指定されたアクションを強制的に実行します。通常、これはハードウェア固有の処理で、安全性の確保より優先して行われます。強制的に状態を変更すると、条件が ok または unknown 以外の占有装置のハードウェアリソースを、ハードウェア固有の安全性チェックとは無関係に使用できるようになります。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-n

すべてのプロンプトに対して No で答えます。

-q

非出力モードで実行します。メッセージやプロンプトは標準出力に書き出されません。-q を単独で使用すると、-n オプションを指定した場合と同じ結果になります。

-r retry_count

操作に失敗した場合、指定された回数だけ再試行できます。

-t timeout

再試行までの待機時間を秒単位で指定します。

-y

すべてのプロンプトに対して Yes で答えます。


 

表 5-7 に、addboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権を一覧します。platform operator グループ、platform service グループ、superuser グループのユーザーは、このコマンドを実行できません。


表 5-7 addboard コマンドを実行するために必要な特権

プラットフォーム管理者

ドメイン管理者

ドメイン構成者

assign-c オプション付きで実行して、ドメインにボードを割り当てることができます。

ボードがドメインに割り当てられている場合、またはドメインの使用可能なコンポーネントのリストに記載されていて、かつほかのドメインに割り当てられていない場合、このドメインにボードを接続したり、構成したりできます。

ボードがドメインに割り当てられている場合、またはドメインの使用可能なコンポーネントのリストに記載されていて、かつほかのドメインに割り当てられていない場合、このドメインにボードを接続したり、構成したりできます。


 

以下の例では、ドメイン A にシステムボード 2 (SB2) を接続します。この処理の再試行は、必要に応じて、10 分 (600 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# addboard -d domainA -r 2 -t 600 SB2

 

注 - DR 操作中に addboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。



deleteboard(1M)

deleteboard(1M) コマンドは、特定のボードを特定のドメインから切り離します。詳細は、ボードの削除と、deleteboard(1M) のマニュアルページを参照してください。


表 5-8 deleteboard コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

board_id

削除対象のボードの ID。ボード ID はボードの位置に対応しています。たとえば SB2 はスロット 2 のシステムボードです。複数のボード ID を使用できます。

-c function

次に移行するボードの構成状態を指定します。ボードの削除は、いくつかの段階に分けて行うことができます。たとえば、ボードの構成を解除し、ボードを切り離し、その後割り当てを解除することができます。

-f

指定されたアクションを強制的に実行します。通常、これはハードウェア固有の処理で、安全性の確保より優先して行われます。強制的に状態を変更すると、条件が ok または unknown 以外の占有装置のハードウェアリソースを、ハードウェア固有の安全性チェックとは無関係に使用できるようになります。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-n

すべてのプロンプトに対して No で答えます。

-q

非出力モードで実行します。メッセージやプロンプトは標準出力に書き出されません。-q を単独で使用すると、-n オプションを指定した場合と同じ結果になります。

-r retry_count

操作に失敗した場合、指定された回数だけ再試行できます。

-t timeout

再試行までの待機時間を秒単位で指定します。

-y

すべてのプロンプトに対して Yes で答えます。


 

表 5-9 に、deleteboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権を一覧します。platform operator グループ、platform service グループ、superuser グループのユーザーは、このコマンドを実行できません。


表 5-9 deleteboard コマンドを実行するために必要な特権

プラットフォーム管理者

ドメイン管理者

ドメイン構成者

unassign-c オプション付きで実行して、ドメイン内のアクティブでないボードの割り当てを解除できます。ユーザーがドメイン特権を持っている場合、deleteboard を実行すると、ボードの構成解除と切り離しが行われたあと、割り当てが解除されます。

ドメインからのボードの構成解除、切り離し、または割り当て解除を実行できます。ドメインからボードを割り当て解除できるのは、そのボードがそのドメインの ACL に記載されている場合に限られます。

ドメインからのボードの構成解除、切り離し、または割り当て解除を実行できます。ドメインからボードを割り当て解除できるのは、そのボードがそのドメインの ACL に記載されている場合に限られます。


 

以下は、deleteboard(1M) コマンドを使って現在のドメインからシステムボード 2 (SB2) を切り離す例です。この処理の再試行は、必要に応じて、15 分 (900 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# deleteboard -r 2 -t 900 SB2

 

注 - DR 操作中に deleteboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。



moveboard(1M)

moveboard(1M) コマンドは、ドメインからボードを切り離し、このボードを別のドメインに接続します。詳細は、ボードの移動と、moveboard(1M) のマニュアルページを参照してください。


表 5-10 moveboard コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

board_id

移動対象のボードの ID。ボード ID はボードの位置に対応しています。たとえば SB2 はスロット 2 のシステムボードです。複数のボード ID を使用できます。

-c function

次に移行するボードの構成状態を指定します。ボードの移動は、いくつかの段階に分けて行うことができます。たとえば、ボードを割り当て、接続し、その後構成することができます。

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-f

指定されたアクションを強制的に実行します。通常、これはハードウェア固有の処理で、安全性の確保より優先して行われます。強制的に状態を変更すると、条件が ok または unknown 以外の占有装置のハードウェアリソースを、ハードウェア固有の安全性チェックとは無関係に使用できるようになります。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-n

すべてのプロンプトに対して No で答えます。

-q

非出力モードで実行します。メッセージやプロンプトは標準出力に書き出されません。-q を単独で使用すると、-n オプションを指定した場合と同じ結果になります。

-r retry_count

操作に失敗した場合、指定された回数だけ再試行できます。

-t timeout

再試行までの待機時間を秒単位で指定します。

-y

すべてのプロンプトに対して Yes で答えます。


 

表 5-11 に、moveboard(1M) コマンドを使用するために必要な特権を一覧します。platform operator グループ、platform service グループ、superuser グループのユーザーは、このコマンドを実行できません。


表 5-11 moveboard コマンドを実行するために必要な特権

プラットフォーム管理者

ドメイン管理者

ドメイン構成者

assign-c オプション付きで実行して、あるドメインのボードを別のドメインに割り当てることができます。ただし、該当するボードが最初のドメイン内で無効になっている (active 状態でない) 必要があります。

ボードを別のドメインに割り当て、接続し、構成することができます。ボードが別のドメインで有効になっている場合、moveboard コマンドを実行すると、そのドメインからボードが構成解除され、切り離されます。moveboard を使ってボードの割り当てを解除し、再度割り当てるには、そのボードが ACL に記載されている必要があります。moveboard コマンドは、ボードを接続し、構成することができます。

 

ドメイン管理者は、moveboard(1M) コマンドを使用する両方のドメインのドメイン特権を持っている必要があります。

ボードを別のドメインに割り当て、接続し、構成することができます。ボードが別のドメインで有効になっている場合、moveboard コマンドを実行すると、そのドメインからボードが構成解除され、切り離されます。moveboard を使ってボードの割り当てを解除し、再度割り当てるには、そのボードが ACL に記載されている必要があります。moveboard コマンドは、ボードを接続し、構成することができます。

 

ドメイン構成者は、moveboard(1M) コマンドを使用する両方のドメインのドメイン特権を持っている必要があります。


 

以下は、moveboard(1M) コマンドを使って、システムボード 5 (SB5) を現在のドメインからドメイン B に移動する例です。この処理の再試行は、必要に応じて、15 分 (900 秒) ごとに 2 回まで行われます。


# moveboard -d domainB -r 2 -t 900 SB5

 

注 - DR 操作中に moveboard(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。



rcfgadm(1M)

rcfgadm(1M) コマンドは、SC から DR 操作を実行するコマンドです。このコマンドでは、接続点 (デバイスツリー内のデバイスノード) に対して、リモートで構成管理操作を行うことができます。rcfgadm(1M) コマンドの詳細と使用例については、マニュアルページを参照してください。

表 5-12 に、rcfgadm(1M) コマンドのオプションとオペランドを一覧します。


表 5-12 rcfgadm コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

-a

動的接続点を一覧表示します。

-c function

次に移行するボードの構成状態を指定します。connectdisconnectconfigure、またはunconfigure を実行できます。

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-f

指定のアクションを強制的に実行します。

-h

-h ap_id

-h ap_type

指定のヘルプメッセージを出力します。ap_id または ap_type を指定すると、接続点に関するハードウェア固有のヘルプが表示されます。

-l ap_id | ap_type

指定の接続点の状態と条件を一覧表示します。

-n

すべてのプロンプトに対して No で答えます。

-o hardware_options

指定のハードウェア固有オプションを使用します。

-r retry_count

操作に失敗した場合、指定された回数だけ再試行できます。

-s listing_options

指定のリストオプションを一覧表示します。

-T timeout

再試行までの待機時間を秒単位で指定します。

-t

いくつかの接続点をテストします。

-v

冗長モードで実行します。

-x hardware_function

ハードウェア固有の機能を使用します。

-y

すべてのプロンプトに対して Yes で答えます。


 

表 5-13 に、rcfgadm(1M) コマンドを使用するために必要な特権を一覧します。platform operator グループ、platform service グループ、superuser グループのユーザーは、このコマンドを実行できません。


表 5-13 rcfgadm コマンドを実行するために必要な特権

プラットフォーム管理者

ドメイン管理者

ドメイン構成者

assign または unassign-x オプション付きで実行して、ドメインにボードを割り当てたり、ドメインからボードの割り当てを解除したりできます。unassign を実行するには、実行中のドメインからボードの割り当てが解除され、このボードが無効 (active 状態でない) になっている必要があります。

ドメインからのボードの切り離し、ドメインへのボードの接続と構成、またはドメインからボードの構成解除を実行できます。ドメインの ACL にボードが記載されていれば、ドメインにボードを割り当てたり、ドメインからボードの割り当てを解除したりできます。

ドメインからのボードの切り離し、ドメインへのボードの接続と構成、またはドメインからボードの構成解除を実行できます。ドメインの ACL にボードが記載されていれば、ドメインにボードを割り当てたり、ドメインからボードの割り当てを解除したりできます。


 

注 - DR 操作中に rcfgadm(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインログに記録されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、対象のボードを使用するには、ドメインを再起動する必要があります。



scdrhelp(1M)

scdrhelp(1M) シェルスクリプトは、Sun Fire high-end serverの動的再構成エラーヘルプシステムを起動します。このヘルプシステムは、JavaHelptrademark hsviewer スクリプトを使用します。

ドメイン管理者とドメイン構成者を除くすべてのユーザー特権のグループは、このコマンドを使用できます。

詳細は、エラーメッセージヘルプシステムと、scdrhelp(1M) のマニュアルページを参照してください。

showboards(1M)

showboards(1M) コマンドは、ドメイン内のシステムボードの割り当て情報とステータスを表示し、ボードが COD (Capacity On Demand) ボードであるかどうかを示します。詳細は、ボード情報の表示と、showboards(1M) のマニュアルページを参照してください。

showboards(1M) は DR 固有のコマンドではありませんが、DR コマンドと組み合わせて使用することをお勧めします。以下の表 5-14 に、showboards(1M) のコマンドオプションを示します。


表 5-14 showboards コマンドオプション

オプション

機能

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-v

冗長モードで実行します。このモードでは、ドメイン構成ユニット (DCU) など、すべてのコンポーネントが表示されます。なお、DCU には、CPU、PCI、SC などがあります。


 

このコマンドは、すべてのユーザー特権のグループで使用できます。ただし、ドメイン管理者とドメイン構成者は、特権を持っているドメインでのみボードを表示できます。

showdevices(1M)

showdevices(1M) コマンドは、システムボード上の構成済み物理デバイスと、これらのデバイスで使用できるリソースを表示します。showdevices(1M) コマンドは DR 固有のコマンドではありませんが、DR コマンドと組み合わせて使用することをお勧めします。詳細は、デバイス情報の表示と、showdevices(1M) のマニュアルページを参照してください。

使用情報は、システムリソースをアクティブに管理しているアプリケーションおよびサブシステムによって提供されます。システムボードの DR 操作がどのような影響を及ぼすかは、管理対象のリソースをオフラインで照会することによって確認できます


表 5-15 showdevices コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

board_id

追加対象のボードの ID。ボード ID はボードの位置に対応しています。たとえば SB2 はスロット 2 のシステムボードです。複数のボード ID を使用できます。

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-p reports

オフライン照会情報を表示します。

-v

すべての入出力デバイスの情報を表示します。


 

ドメインのデバイス情報を表示できるのは、ドメイン管理者とドメイン構成者だけです。ただし、ドメイン管理者とドメイン構成者が特権を持っているドメインのデバイス情報しか表示できません。

showplatform(1M)

showplatform(1M) コマンドは、ACL、各ドメインのドメイン状態、COD (Capacity On Demand) 情報を表示します。showplatform(1M) コマンドは DR 固有のコマンドではありませんが、DR コマンドと組み合わせて使用することをお勧めします。詳細は、プラットフォーム情報の表示と、showplatform(1M) のマニュアルページを参照してください。


表 5-16 showplatform コマンドオプション

オプションとオペランド

機能

-d domain_id

指定されたドメインで DR 操作を実行します。

-h

ヘルプ情報 (使用法) を表示します。

-p domains | available ethernet | cod

以下の項目ごとに、COD 情報を含むレポートを表示します。

  • ドメイン状態 (domains)
  • ドメインの ACL (available)
  • ドメインの Ethernet アドレス (ethernet)

-v

使用可能な全コマンドの情報を表示します。


 

platform service グループと superuser グループを除くすべてのユーザー特権のグループは、このコマンドを使用できます。ただし、ドメイン管理者とドメイン構成者は、自分が特権を持っているドメインでのみプラットフォーム情報を表示できます。


エラーメッセージヘルプシステム

SMS ソフトウェアには、特定のエラーメッセージの説明とそのエラーからの回復方法を検索できる、エラーメッセージヘルプシステムがあります。

DR エラーメッセージヘルプシステムを起動するには、以下のコマンドを実行します。


# /opt/SUNWSMS/jh/scdrhelp/scdrhelp &

 

標準 JavaHelp システムビューア hsviewer により、DR エラーメッセージヘルプシステムが表示されます。このビューアには、図 5-1 に示すように、ツールバーと 2 つの区画 (内容区画とナビゲーション区画) があります。


図 5-1 hsviewer の GUI コンポーネント


JavaHelp の目次

DR エラーメッセージは、図 5-1 に示すように、エラーのタイプ別に論理グループに分けられます。これらのグループは、目次の最上位の見出し項目として表示される主要トピックになります。各グループ名の下に、エラーメッセージの番号と簡易テキストが表示されます。

JavaHelp の索引

DR エラーメッセージは索引が付いているため、索引に主要トピックが表示されます (図 5-2)。索引トピックは、必要に応じて組み込みトピックになります。組み込みトピックだけが、エラーメッセージへのリンクになっています。


図 5-2 JavaHelp の索引の表示


JavaHelp の検索

DR エラーメッセージヘルプシステムには、全文検索機能があります。エラーメッセージヘルプファイルに索引を付けることにより、検索データベースが作成されます。

特定のエラーメッセージを検索する前に、エラーメッセージに含まれるテキスト文字列を検索してください。また、数値の使用は避けてください。数値は、置換可能なテキストとして処理されます。以下は、JavaHelp システムのエラーウィンドウの表示例です。


図 5-3 JavaHelp の検索の表示