Solaris 2.6 情報ライブラリ (SPARC 版)

文書サーバー用ソフトウェアをインストールする

この節では、AnswerBook2 のサーバーのソフトウェアをインストールする前に必要な条件と決定しておく事項について説明します。


注 -

この節は、文書サーバーシステムの管理者のみを対象としています。AnswerBook2 のクライアントの場合は、インストール作業は必要ありません。



注 -

この製品には、クライアントレベルのアクセス制御機能はありません。クライアントマシンから文書サーバーの URL にアクセスできる場合は、そのサーバー上の文書を表示できます。


この節の構成は、次のとおりです。

文書サーバーの管理方法の詳細については、文書サーバーソフトウェアをインストールしてから、AnswerBook2 インタフェースから利用できるオンラインヘルプを参照してください。

サーバーソフトウェアをインストールする前に

インストールを開始する前に、システムが 「ハードウェアとソフトウェアの要件」を満たしていることを確認し、「インストール形態の選択」で説明する、ソフトウェアのインストール先を決めてください。

ハードウェアとソフトウェアの要件

インストールを開始する前に、AnswerBook2 サーバーソフトウェアのインストール先となるシステムが、表 8-2表 8-3 のハードウェアおよびソフトウェアの要件を満たしていることを確認してください。

表 8-2 ハードウェアとソフトウェアの要件

構成要素 

要件 

文書サーバーシステムのハードウェア 

SPARCstation 2 以上 (SPARCstation 5 を推奨) 

x86 ベースのコンピュータ 

オペレーティングシステム 

Solaris 2.6 (SPARC または Intel 版) 

Admin GUI と AnswerBook2 のクライアントのビューア 

HotJava、Netscape Navigator、Lynx などの HTML 3.2 対応ブラウザ 

表 8-3 ディスク容量の要件

ディレクトリパス 

説明 

領域 

/usr/lib/ab2/

製品インタフェース用の実行可能ファイル、サーバーの処理ファイル、ライブラリファイル、およびグラフィックスと文書のソースファイルが入っています。 

19.5M バイト 

/var/log/ab2/

カタログファイルと、ログ機能が有効になっている場合はログファイルが入っています。 

0.01M バイト (サーバーへのアクセス量に応じて増加) 

/etc/init.d/ab2mgr

サーバーの起動ファイル 

0.01M バイト 

また、実際のブックファイル用に、ある程度のディスク容量を確保する必要があります。必要量は、コレクションごとに異なります。

インストール形態の選択

AnswerBook2 サーバーのソフトウェアをインストールする前に、インストール形態を検討する必要があります。

ソフトウェアをインストールする


注意 - 注意 -

Solaris 2.6 Beta リリース以降で文書コレクションとサーバーソフトウェアが変更されているため、新しい文書サーバーソフトウェアや文書コレクションパッケージをインストールする前に、2.6 Beta 文書のコレクションパッケージを文書サーバーから削除する必要があります。

ab2admin -o del_coll を実行するか、Admin GUI で「リストからコレクションを削除」を使って、これらのコレクションを文書サーバーのデータベースから削除します。次に、新しいパッケージをインストールする前に、pkgrm を使ってパッケージをサーバーから削除します。


AnswerBook2 サーバーのソフトウェアをインストールするには、次の手順に従ってください。

  1. Solaris Documentation CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

  2. 文書サーバーのマシンに root でログインし、ディレクトリをインストールするパッケージのある位置に変更します。

    たとえば、SPARC 用のサーバーの場合、サーバーソフトウェアのパッケージへのパスは次のようになります。


    # cd cdrom/Solaris_2.6_Doc/sparc/Product/
    

    この場合、cdrom は CD-ROM ドライブのマウントポイントです。

  3. pkgadd ユーティリティまたは swmtool ユーティリティを使って、次のサーバーソフトウェアのパッケージを選択します。

    • SUNWab2r (0.02M バイト) - ルートパーティションにインストールされ、構成ファイルと起動用のファイルが入っています。

    • SUNWab2s (0.21M バイト) - 文書処理を実行するための共有ファイルが入っています。

    • SUNWab2u (21.02M バイト) - サーバーと管理機能のための実行可能ファイルとバックエンド処理用のファイルが入っています。


    注 -

    サーバーパッケージをデフォルト以外のディレクトリにインストールするには、# pkgadd -d . -a none コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、pkgadd ユーティリティから、ソフトウェアをインストールするディレクトリの指定を求めるプロンプトが表示されます。


  4. 必要であれば、サーバーを起動します。

    パッケージをインストールすると、サーバーがデフォルトのポート番号 8888 を使用するように起動されます。起動しない場合は、次のコマンドを使って起動します。


    # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o start
    
  5. ブックコレクションをインストールします。

    文書サーバーは、処理対象の文書がインストールされていなければ機能しません。コレクションは、Solaris 2.6 Documentation CD、または既存の文書コレクションや他の製品に添付のコレクションなど、他の位置からインストールできます。表 8-4 に、Solaris 2.6 Documentation CD で利用できる文書コレクションを示します。

    表 8-4 Solaris 2.6 Documentation CD に含まれるブックパッケージ

    パッケージ名 

    コレクションのタイトル 

    SUNWabe 

    Solaris 2.6 User Collection 

    SUNWAxg 

    Solaris XGL 3.3 AnswerBook 

    SUNWAxi 

    Solaris XIL 1.3 AnswerBook 

    SUNWapex 

    PEX AnswerBook 

    SUNWaman 

    Reference Manual AnswerBook 

    SUNWabsdk 

    Solaris 2.6 Software Developer Collection Vol 1 

    SUNWaadm 

    Solaris 2.6 System Administrator Collection Vol 1 

    SUNWabadm 

    Solaris 2.6 System Administrator AnswerBook Vol 2 

    SUNWakcs 

    KCMS AnswerBook 

    SUNWdtad 

    Solaris Common Desktop Environment Developer AnswerBook 

    SUNWabdev 

    Solaris 2.6 Software Developer AnswerBook Vol 2 

    SUNWjabe 

    Solaris 2.6 ユーザー Collection Vol. 1 (日本語) 

    SUNWabeja 

    Solaris 2.6 ユーザー AnswerBook Vol. 2 (日本語) 

    SUNWjaadm 

    Solaris 2.6 システム管理 Collection Vol. 1 (日本語) 

    SUNWaadja 

    Solaris 2.6 システム管理 AnswerBook Vol. 2 (日本語) 

    SUNWamaja 

    Solaris 2.6 リファレンスマニュアル AnswerBook (日本語) 

    SUNWjabsd 

    Solaris 2.6 ソフトウェア開発 Collection Vol. 1 (日本語) 

    SUNWasdja 

    Solaris 2.6 ソフトウェア開発 AnswerBook Vol. 2 (日本語) 

    SUNWjdad 

    Solaris 共通デスクトップ環境 1.2 開発者用 AnswerBook (日本語) 

    1. pkgadd ユーティリティまたは swmtool ユーティリティを使って、新しいブックコレクションをサーバーにインストールします。

      文書コレクションのパッケージは、Solaris 2.6 Documentation CD の次のディレクトリに入っています。


      # cd cdrom/Solaris_2.6_Doc/common/Product/
      

      この CD から文書コレクションのパッケージをインストールすると、各コレクションは pkgadd プロセスの実行中に文書サーバーのデータベースに自動的に追加されます。コレクションパッケージを他の位置からインストールする場合は、Admin GUI の「リストにコレクションを追加」機能または ab2admin -o add_coll コマンドを使って、これらのコレクションを文書サーバーのデータベースに追加する必要があります。

    2. コレクションのパッケージがすでにシステムにインストールされている場合は、サーバーの「ローカルにインストールされたコレクションを検出」機能または ab2admin -o scan コマンドを使って、各コレクションを自動的に検出させ、サーバーの文書データベースに追加できます。

      この機能は、ローカルにインストールされたパッケージに対してだけ有効です。

      他のシステム上にある文書コレクションを提供するには、「リストにコレクションを追加」機能または ab2admin -o add_coll コマンドを使って、ab_cardcatalog または collinfo ファイルへの絶対パス名を指定します。たとえば、文書サーバーが imayoyo で、システム elsewhere 上のマニュアルコレクションを提供したい場合は、次のコマンドを使います。


      # ab2admin -o add_coll -d /net/elsewhere/books/SUNWdtad
      

  6. (オプション) サーバーを登録します。

    文書サーバーを他のユーザーにフェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS) 経由で自動検出させたい場合は、サーバーを登録する必要があります。サーバーを登録するには、次のコマンドを使います。

    # /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr server_url
    

    上記の server_url は、このサーバーにアクセスするための完全修飾 URL です (たとえば、imayoyo.eng.sun.com:8888)。詳細は、「文書サーバーを登録する」を参照してください。

文書サーバーを登録する

文書サーバーをサイトのサーバー群に組み入れるか、ユーザーが複数の文書サーバーから選択できるようにするには、フェデレーテッド・ネーミング・サービスを使ってサーバー名を登録できます。登録されていない文書サーバーの場合も、その URL がわかっていればアクセスできます。

サーバーを登録するには、ab2regsvr コマンドを使います。ab2regsvr コマンドを実行すると、システムの構成が検査され、使用中のネーミングサービスに応じて適切なサーバー用のネームスペースが設定されます。

サーバーを登録するには、次のコマンドを使います。

# /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr server_url

この場合、server_url は、このサーバーにアクセスするための完全修飾 URL です (たとえば、imayoyo.eng.sun.com:8888)。

どのサーバーが現在登録されているかを調べるには、次のコマンドを使います。

% fnlookup -v thisorgunit/service/answerbook2

次のように登録されているサーバーリストが表示されます。

Reference type: onc_answerbook2
Address type: onc_addr_answerbook2
  length: 19
  data: 0x68 0x74 0x74 0x70 0x3a 0x2f 0x2f 0x61 0x6e 0x73  http://ans
        0x77 0x65 0x72 0x73 0x3a 0x38 0x38 0x38 0x38       wers:8888

この例で、登録されているサーバーは answers:8888 です。

次のような応答が表示される場合は、登録されている文書サーバーはありません。

Lookup of 'thisorgunit/service/answerbook2' failed:
Name Not Found: 'answerbook2'

ネームサービスと AnswerBook2

Solaris 環境には、次の 3 つの主要なネームサービスがあります。

上記のネームサービスを使って文書サーバーを検索する代わりに、環境変数 AB2_DEFAULTSERVER を使ってデフォルトの AnswerBook2 サーバーを定義できます。たとえば、.cshrc ファイルに次の行を挿入できます。

setenv AB2_DEFAULTSERVER http://imayoyo.eng.sun.com:8888

環境変数を定義していない場合は、AnswerBook2 をデスクトップから起動すると、fnlookup thisorgunit/service/answerbook2 コマンドが実行され、使用可能な文書サーバーが検索されます。次に、検出されたサーバーのいずれかが選択され、URL にそのサーバーの名前を使って AnswerBook2 ブラウザが起動されます。