Solaris 共通デスクトップ環境 (以降 Solaris CDE とします) は、操作の簡単なユーザーインタフェースを備える Motif ベースの先進的なデスクトップです。CDE は、異なる UNIX 環境で共通の見た目と使い心地を提供します。米国 SunSoft, Inc. (以降「SunSoft」とします)、Hewlett-Packard Company、IBM Corporation、および Novell, Inc. の技術的貢献によって確立された、X Window System と Motif に基づく、クロスプラットフォームでのユーザーインタフェースおよびアプリケーションインタフェースの新しい標準仕様です。
CDE の標準仕様に準拠しながら、Solaris CDE では Solaris のユーザーと開発者のためにさらに性能を向上したり短所を修正したりして、品質の高い製品を提供しています。既存の OpenWindows ユーティリティは、アプリケーションマネージャの特別なフォルダに統合されています。Solaris CDE が提供する新機能には、スペルチェックのほか、グラフィックや PostScript ファイルの表示、回転、拡大縮小、変換を行う画像ビューアが含まれます。
Solaris CDE では、OpenWindows アプリケーションと CDE アプリケーションの間でドラッグ&ドロップ操作を行うことにより OpenWindows アプリケーションを修正することなくそのまま実行できます。すべての OpenWindows と OPEN LOOK のアプリケーションは、扱いづらい互換ライブラリ、再コンパイル、修正に頼ることなく実行することができます。OpenWindows 環境に慣れているユーザーは、これまでどおりの背景、カラーパレット、ポップアップ表示されるワークスペースメニューなどが使用できます。
CDE のユーザー環境には、次の機能が含まれます。
デスクトップにログインするためのログインマネージャ。ログインマネージャは、ワークステーションがブートされると自動的に利用できます。「リモートログイン」メニューの項目から「オプション」メニューを選択して設定すると、ネットワーク上の任意のシステムで自分のデスクトップを実行できるようになります。
統合された Motif 環境。このフロントパネルからデスクトップアプリケーションを起動します。フォントサイズ、カラー、背景などを選択してデスクトップをカスタマイズできます。
ワークスペースメニュー。デスクトップワークスペースを管理するための項目を含むポップアップメニューです。
オンラインヘルプ情報システム。さまざまなデスクトップアプリケーションに関する情報を提供します。
CDE 1.2 開発環境は、CDE でソフトウェアを開発するユーザーを対象とし、別のパッケージに含まれています。このパッケージには、次のアプリケーションやツールが含まれています。
CDE アプリケーションの開発に必要なユーティリティアプリケーション、マニュアルページ、ライブラリ、およびヘッダーファイル
OPEN LOOK アプリケーションや Microsoft Windows アプリケーションの CDE への移植を容易にするウィジェット。このほかに、端末、テキストエディタ、およびファイル選択ボックスの各ウィジェット
アプリケーションビルダー。CDE アプリケーションプログラミングインタフェース (API) を使ってグラフィカルユーザーインタフェースを作成するためのツール
スクリプト言語のデスクトップ KornShell (dtksh)
Motif、ToolTalkTM メッセージング、およびその他の CDE サービスで利用できるソースコードで提供されるデモプログラム
ファイルマネージャとメールプログラムでの Web およびインターネットとの連携機能
テキストエディタとメールプログラムに統合されたスペルチェッカ
メールプログラムでの基本的な IMAP4 のサポート
CD-ROM やフロッピーディスクなどの取りはずし可能なメディアのサポート
アクセス制御リスト (ACL) のサポート
マルチメディアの画像とオーディオのサポート
画面の自動ロック
カレンダでのフェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS) のサポート。(ただし、NIS+ のみ)