Solaris 2.6 情報ライブラリ (SPARC 版)

デスクトップ

Solaris 2.6 は、デフォルトのデスクトップとして共通デスクトップ環境 (以降 CDE とします) を備えています。また、OpenWindows デスクトップも継続してサポートします。

共通デスクトップ環境

Solaris 共通デスクトップ環境 (以降 Solaris CDE とします) は、操作の簡単なユーザーインタフェースを備える Motif ベースの先進的なデスクトップです。CDE は、異なる UNIX 環境で共通の見た目と使い心地を提供します。米国 SunSoft, Inc. (以降「SunSoft」とします)、Hewlett-Packard Company、IBM Corporation、および Novell, Inc. の技術的貢献によって確立された、X Window System と Motif に基づく、クロスプラットフォームでのユーザーインタフェースおよびアプリケーションインタフェースの新しい標準仕様です。

CDE の標準仕様に準拠しながら、Solaris CDE では Solaris のユーザーと開発者のためにさらに性能を向上したり短所を修正したりして、品質の高い製品を提供しています。既存の OpenWindows ユーティリティは、アプリケーションマネージャの特別なフォルダに統合されています。Solaris CDE が提供する新機能には、スペルチェックのほか、グラフィックや PostScript ファイルの表示、回転、拡大縮小、変換を行う画像ビューアが含まれます。

Solaris CDE では、OpenWindows アプリケーションと CDE アプリケーションの間でドラッグ&ドロップ操作を行うことにより OpenWindows アプリケーションを修正することなくそのまま実行できます。すべての OpenWindows と OPEN LOOK のアプリケーションは、扱いづらい互換ライブラリ、再コンパイル、修正に頼ることなく実行することができます。OpenWindows 環境に慣れているユーザーは、これまでどおりの背景、カラーパレット、ポップアップ表示されるワークスペースメニューなどが使用できます。

CDE のユーザー環境

CDE のユーザー環境には、次の機能が含まれます。

CDE 開発環境

CDE 1.2 開発環境は、CDE でソフトウェアを開発するユーザーを対象とし、別のパッケージに含まれています。このパッケージには、次のアプリケーションやツールが含まれています。

特に重要な CDE アプリケーション機能

SPARC デスクトップシステムの電源管理システム

電源管理システムソフトウェアによって、デスクトップシステムを使用していないときに消費電力を節約することができます。デフォルトでは、すべての UltraSPARC デスクトップシステムは、最後に使用してから 30 分経過すると自動的に電源が切れます。電源管理システムソフトウェアは、後でシステムを電源が切れる前の状態に自動的に復元します。ユーザーは、必要に応じて電源管理システムの設定を変更したり解除したりできます。

詳細については、電源管理システム ユーザーマニュアルを参照してください。

OpenWindows 3.6 環境

OpenWindows 3.6 デスクトップとライブラリは、バグが修正されて更新され、西暦 2000 年問題に対応しています。OpenWindows 3.6 には次の機能があります。

X サーバーは、OpenWindows 環境の基盤となるプログラムで、Display PostScript (DPS) 画像システムの拡張機能を備える X11R6 サンプルサーバーです。X サーバーには、いくつかの X 拡張機能、フォントサーバー、および DPS フォント拡張機能も含まれます。

詳細については、Xsun(1)Xserver(1)、および X11(7) のマニュアルページを参照してください。

英語版 Solaris CD の新しいユーザーロケール

英語版を含む、Solaris のすべての各国語対応済みバージョンには、表 3-2 に示す新しいロケールのサポートが含まれます。

表 3-2 Solaris 2.6 に含まれる新しいユーザーロケール

国 

ロケール名 

ISO コードセット 

オーストリア 

de_AT (部分的にドイツ語のロケール)

8859-1 

エストニア 

et

8859-1 

チェコ 

cz

8859-2 

ハンガリー 

hu

8859-2 

ポーランド 

pl

8859-2 

ラトビア 

lv

8859-4 

リトアニア 

lt

8859-4 

ロシア 

ru

8859-5 

ギリシャ 

el

8859-7 

トルコ 

tr

8859-9 

これらのロケールは、クラスタ全体の一部である SUNWploc1SUNWplow1SUNWpldte の各パッケージでサポートされています。

ギリシャとロシアの 2 つのロケールは、非ラテンスクリプトを基にしているので別売の SMCC キーボードを使ってテキストを入力する必要があります。

Unicode 2.0 のサポート

Unicode 2.0 と ISO 10646 に準拠する 2 つのロケールが追加されました。これらのロケールはマルチスクリプトの入力と出力を可能とし、Solaris 環境でこの機能を使用できる最初のロケールです。また、CDE 環境だけをサポートし、Motif と CDE ライブラリが含まれます。

フォント管理

「フォント管理」を使うと、X Window System で簡単にフォントをインストールしたり利用したりできます。「フォント管理」は、複数バイト言語の TrueType、Type0、Type1、および CID の各フォントをサポートし、フォントの比較プレビュー機能を備えています。「フォント管理」は、CDE デスクトップに完全に統合されています。

TrueType フォントは、X と DPS でサポートされます。「フォント管理」を使うと、Solaris 環境に Sun 以外のフォントを簡単にインストールし、統合することができます。

詳細については、X/Open の Web サイト http://www.xopen.org を参照してください。

アジア言語の拡張

Solaris 2.6 ソフトウェアでは、拡張 UNIX コード (EUC) に依存するアーキテクチャが改善されました。日本の ShiftJIS (PCK)、中国の Big5、韓国の Johap などのアジアの PC エンコーディング標準用にコードセットとロケールが追加されました。これらのロケールは、CDE 環境だけをサポートし、Motif と CDE ライブラリが含まれます。

Solaris ユーザー登録

ユーザー登録を行うことにより、Sun が提供する製品情報やサポートなどを受けることができます。