AnswerBook2 製品は、Sun のオンライン文書システムです。このシステムでは、SGML ベースの AnswerBook コレクション、Display PostScript 形式の AnswerBook コレクション、マニュアルページなど、さまざまな Solaris の情報の表示や印刷が、Web ブラウザインタフェースを使用して実行できます。
AnswerBook2 製品には強力な検索エンジンが組み込まれているため、文書ライブラリ全体で情報を検索できます。AnswerBook2 文書コレクションは、文書サーバーにインストールすることも、ローカルにインストールすることもできます。
この章では、「AnswerBook1」は、バージョン 2.6 より前の Solaris オペレーティングシステムで提供された AnswerBook 製品を指します。
Web ブラウザが HTML 3.2 をサポートしている場合は、Web ブラウザベースのインタフェースを使ってどのプラットフォーム (任意のオペレーティングシステムが動作している) からもオンライン文書を表示できます。
Web ブラウザの設定によっては、AnswerBook2 文書から情報をコピーし、コマンド行のような他の場所にペーストすることができます。
文書ライブラリ中で語句を検索できるように、強力な検索エンジンが組み込まれています。
AnswerBook2 インタフェースからページ、章、およびブックを直接印刷するように設定できます。
単一のインタフェースを使って新旧の AnswerBook 文書を表示できます。
特定の文書サーバーを使う場合に表示される文書コレクションのサブセット (個人用ライブラリ) を定義できます。
文書を 1 箇所 (サーバー) に格納し、ユーザーのデスクトップ (クライアント) からアクセスできるように、クライアントサーバーアーキテクチャを使用します。
管理機能を実行するための、コマンド行インタフェース (CLI) とブラウザベースのインタフェース (GUI) が用意されています。
AnswerBook1 と AnswerBook2 製品との主な相違点を次に示します。
Web ブラウザベースのインタフェース-AnswerBook2 製品は Web ブラウザをベースにしたインタフェースを使用します。したがって、任意のプラットフォーム上で HTML 3.2 に対応するブラウザを使用すれば、オンライン文書を表示できます。
ソースの柔軟性-AnswerBook2 サーバーを使用すると、AnswerBook1 文書 (Display Postscript 形式)、AnswerBook2 文書 (SGML 形式)、または通常の HTML ファイルを提供できます。
サーバーを使用して HTML ファイルを提供することはできますが、AnswerBook2 の全機能が HTML ファイルに対しても利用可能なわけではありません。
クライアント-サーバーのサポート-AnswerBook2 製品ではクライアント-サーバーアーキテクチャを採用しています。これにより、サーバーと文書コレクションを 1 箇所にインストールし、他のシステムから文書を見ることができます。さらに、文書管理者は「フェールオーバー」機構 (該当する文書が見つからなかった場合に代替サーバー上で探す) を使用して複数の文書サーバーを定義し、文書間のリンクを常に動作させることができます。
プラットフォームの互換性-このリリースでは、AnswerBook2 文書サーバーは Solaris 2.6 オペレーティング環境で動作させる必要があります。ただし、AnswerBook2 クライアントは任意の環境で動作させることができます。また、将来のリリースでは、サーバー機能を他の環境についても提供する予定です。
デフォルトの検索動作-AnswerBook2 製品では、デフォルトの検索動作として、OR (AnswerBook1 製品でのデフォルトの検索動作) ではなく、AND を使用しています。
AnswerBook2 製品の構成は比較的簡単で、次の要素からなっています。
Web ブラウザ - Solaris 2.6 製品リリースには、HotJava ブラウザが組み込まれていますが、HTML 3.2 対応の任意のブラウザを使って Sun のオンライン文書を表示できます。
オンライン文書を表示するのに必要なのは、Web ブラウザだけです。他のすべての要素は、文書サーバーシステムの一部です。
AnswerBook2 アプリケーションとユーティリティ - 文書の表示と印刷、および管理機能に使う GUI が組み込まれています (管理機能は、コマンド行インタフェースからも実行できます)。
文書および管理サーバー - 問合せ機能を実行し、文書をアプリケーションに「提供」します。また、データベース、パスワード認証、および他の管理機能を実行します。
文書 - 新しい文書 (SGML 形式)、または、古い文書 (Display PostScript 形式) を表示できます。
この節では、AnswerBook2 製品に関して頻繁に寄せられる質問と、その回答について説明します。
AnswerBook2 は、web ブラウザを通して Sun のオンライン文書を提供する web ベースの新しい環境です。AnswerBook2 を使用すると、従来の AnswerBook1 のコレクションやマニュアルページなど、 Solaris に関するさまざまな情報を表示したり、検索したり、印刷したりできます。
AnswerBook1 は Display PostScript を使ってハードコピーをオンライン化した文書を表示します。 AnswerBook2 は Web ブラウザを使って、既存の AnswerBook1 形式、または SGML 形式の文書を表示します。 また、AnswerBook2 は完全なクライアントサーバーモデルをサポートしています。文書はサーバーで集中管理できるので、ユーザーが必要とするのは、そのマニュアルを表示する Web ブラウザだけです。
はい。 その AnswerBook1 の文書が Solaris 2.2 オペレーティングシステムのリリース後に作成されたものであれば、AnswerBook2 で見ることができます。AnswerBook1 のブックを、AnswerBook2 のサーバーのデータベースに追加するには、 AnswerBook2 の「コレクションの追加」機能で、AnswerBook1 の ab_cardcatalog ファイルのあるディレクトリを指定してください。
違いがあります。整合性を保つために、AnswerBook1 文書用の AnswerBook2 インタフェースは、AnswerBook1 製品のインタフェースに似たものになっています。したがって、AnswerBook2 製品では、AnswerBook1 コレクションと AnswerBook2 コレクションに使う機能に次のような違いがあります。
AnswerBook1 の目次全体を展開表示または省略表示できません。展開表示、省略表示できるのは、目次の中の 1 つの節だけです。
AnswerBook1 の本文ページには、「他のトピック」部分は含まれません。 他のページに進むには、「次のトピックへ」リンクを使うか、ブラウザの「戻る」ボタンで目次まで戻ってから、ブックの別の節に進んでください。
AnswerBook1 の本文ページには、個々の節ではなく、章全体が一度に表示されます。
AnswerBook1 ブックの場合、検索結果は階層構造では表示されません。
検索結果を示すアイコンは、AnswerBook1 の情報を検索した結果を正しく表現できません。多くの場合、アイコンは完全に塗りつぶされているか、または完全に空になっています。
AnswerBook1 のテキスト内では、検索した単語は強調表示されません。
AnswerBook1 のグラフィックスは、インラインでは表示されず、アイコンで表示されます。アイコンをクリックすると、PostScript 形式のグラフィックスが表示されます。