Solaris のシステム管理

SPARC: システムディスクまたは二次ディスクの追加

表 23-1 作業マップ: システムディスクまたは二次ディスクの追加
 

作業 

 

説明 

 

手順の説明 

 

ディスクの接続とブート 

 

システムディスク 

新しいディスクを接続して、ローカルまたはリモートの Solaris 2.x CD からブートする。 

 

「SPARC: システムディスクを接続してブートする方法」

 
   

二次ディスク 

新しいディスクを接続し、システムでディスクが認識されるように再構成ブートを実行する。 

 

「SPARC: 二次ディスクを接続してブートする方法」

        
 

スライスの作成とディスクラベルの作成 

 

まだディスクメーカによって実行されていない場合は、ディスクスライスを作成してディスクにラベルを付ける。 

 

「SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法」

 
          
 

ファイルシステムの作成 

 

newfs コマンドを使用してディスクスライス上に UFS ファイルシステムを作成する。システムディスク用の場合はルート (/) と /usr ファイルシステムを作成しなければならない。

 

「SPARC: ファイルシステムを作成する方法」

 
          
 

ファイルシステムの復元 

 

システムディスク上にルート (/) と /usr ファイルシステムを復元する。必要に応じて、二次ディスク上にファイルシステムを復元する。

 

第 35 章「ファイルとファイルシステムの復元の手順」

 
          
 

ブートブロックのインストール 

 

システムディスクのみ 

システムをブートできるように、ルート (/) ファイルシステムにブートブロックをインストールする。

 

「SPARC: システムディスクにブートブロックをインストールする方法」

 
      

SPARC: システムディスクを接続してブートする方法

この手順は、システムがシャットダウンされていることを前提としています。

  1. 損傷したシステムディスクをシステムから外します。

  2. 追加しようとするディスクにシステム上の他のデバイスとは異なるターゲット番号が設定されているかどうかを確認します。

    通常は、ディスクの裏側にそのための小型スイッチが付いています。

  3. 交換用のディスクがシステムに正しく接続されているかどうかをチェックします。

    インストールについての詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。

  4. ローカルとリモートのどちらの Solaris 2.x CD からブートするかに応じて、次の表の手順で操作します。

    ブート元 

    操作 

    ローカル CD-ROM ドライブ内の Solaris 2.x CD から 

    1. CD が CD-ROM ドライブに入っているかどうかを確認する。 

    2. CD からシングルユーザーモードでブートする。 

    ok boot cdrom -s

    ネットワーク上の CD-ROM ドライブ内の Solaris 2.x CD から 

    ネットワークからシングルユーザーモードでブートする。 

    ok boot net -s

     

    数分後に root プロンプト (#) が表示されます。

このあとの手順

システムをブートしたら、ディスク上にスライスとディスクラベルを作成できます。「SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法」を参照してください。

SPARC: 二次ディスクを接続してブートする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ディスクタイプが Solaris ソフトウェアでサポートされない場合は、ハードウェアに添付された説明書に従って、そのディスクのデバイスドライバを追加します。

    このディスク用の format.dat のエントリの作成方法については、format.dat のエントリを作成する方法」を参照してください。

  3. システムのブート時に読み込まれる /reconfigure ファイルを作成します。

    # touch /reconfigure
    

    /reconfigure ファイルを作成すると、電源を入れるとき、または後からシステムをブートするときに、SunOS ソフトウェアは新しくインストールされた周辺デバイスの有無をチェックします。

  4. システムをシャットダウンします。

    # shutdown -i0 -g30 -y
    

    -i0

    システムを init 状態 0 (電源切断) にする。 

    -gn

    ログインしているユーザーに、n 秒後にシステムのシャットダウンを開始することを通知する。

    -y

    ユーザーの介入なしでコマンドを実行するように指定する。 

    運用環境がシャットダウンされると、ok または > プロンプトが表示されます。

  5. システムとすべての外部周辺デバイスの電源を切ります。

  6. 追加しようとするディスクにシステム上の他のデバイスとは異なるターゲット番号が設定されているかどうかを確認します。

    通常は、ディスクの裏側にそのための小型スイッチが付いています。

  7. ディスクがシステムに正しく接続されているかどうかをチェックします。

    インストールについての詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。

  8. すべての外部周辺デバイスの電源を入れます。

  9. システムの電源を入れます。

    システムがブートし、ログインプロンプトを表示します。

このあとの手順

システムをブートしたら、ディスク上にスライスとディスクラベルを作成できます。「SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法」を参照してください。

SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. format ユーティリティを起動します。

    # format
    

    利用可能なディスクのリストが表示されます。

  3. 画面に表示されるリストから、パーティションに分割し直したいディスクの番号を入力します。

    Specify disk (enter its number): disk-number
    

    disk-number

    パーティションに分割し直したいディスクの番号 

  4. partition メニューにアクセスします (スライスを設定できます)。

    format> partition
    
  5. 現在のパーティション (スライス) テーブルを表示します。

    partition> print
    
  6. 変更作業を開始します。

    partition> modify
    
  7. ディスクをすべて free hog に設定します。

    Choose base (enter number) [0]? 1
    

    free hog スライスについて詳しくは、「free hog スライスの使用方法」を参照してください。

  8. 続行するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら、y と応答して新しいパーティションテーブルを作成します。

    Do you wish to continue creating a new partition table based on 
    above table[yes]?y
    
  9. プロンプトが表示されたら、free hog パーティション (スライス) と各スライスのサイズを指定します。

    システムディスクを追加するときは、次のどちらか、または両方のスライスを設定しなければなりません。

    • ルート (スライス 0)、スワップ (スライス 1)

    • /usr (スライス 6)

    スライスを設定すると、新しいパーティションテーブルが表示されます。

  10. プロンプトが表示されたら y と応答して、表示されたパーティションテーブルを現在のパーティションテーブルにします。

    Okay to make this the current partition table[yes]? y
    

    現在のパーティションテーブルが希望どおりでないために変更したい場合は、no と応答して手順 6 に戻ります。

  11. パーティションテーブルに名前を付けます。

    Enter table name (remember quotes): "partition-name"
    

    partition-name

    新しいパーティションテーブルの名前 

  12. 新しいディスク上のスライスを割り当て終わったら、新しいパーティションテーブルを使用してディスクにラベルを付けます。

    Ready to label disk, continue? yes
    
  13. partition メニューを終了します。

    partition> q
    
  14. verify コマンドを使用して、ディスクラベルを確認します。

    format> verify
    
  15. format メニューを終了します。

    format> q
    

SPARC: 例 - システムディスクのディスクスライスとラベルを作成する

次の例では、format ユーティリティを使用して 200M バイトのディスクを 2 つのスライスに分割します。一方のスライスはルート (/) ファイルシステム用で、他方はスワップ領域用です。

# format
Searching for disks...done
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
       0. c0t2d0 <SUN0207 cyl 1254 alt 2 hd 9 sec 36>
          /sbus@1,f8000000/esp@0,800000/sd@2,0
       1. c0t3d0 <SUN0424 cyl 1151 alt 2 hd 9 sec 80>
          /sbus@1,f8000000/esp@0,800000/sd@3,0
Specify disk (enter its number): 0
selecting c0t2d0
[disk formatted]
format> partition
partition> print
partition> modify
Select partitioning base:
	0. Current partition table (original)
	1. All Free Hog
Choose base (enter number) [0]? 1

Part      Tag    Flag     Cylinders        Size       Blocks
  0       root    wm       0               0         (0/0/0)
  1       swap    wu       0               0         (0/0/0)
  2     backup    wu       0 - 1253      198.39MB    (1254/0/0)
  3 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  4 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  5 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  6        usr    wm       0               0         (0/0/0)
  7 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)

SPARC: 例 - システムディスクのディスクスライスとラベルを作成する (続き)

Do you wish to continue creating a new partition
table based on above table[yes]? yes
Free Hog partition[6]? 5
Enter size of partition `0' [0b, 0c, 0.00mb]: 100mb
Enter size of partition `1' [0b, 0c, 0.00mb]: 98mb
Enter size of partition `3' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `4' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `6' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `7' [0b, 0c, 0.00mb]:

Part      Tag    Flag     Cylinders        Size       Blocks
  0       root    wm       0 -  632      100.14MB    (633/0/0)
  1       swap    wu     633 - 1233       95.08MB    (601/0/0)
  2     backup    wu       0 - 1253      198.39MB    (1254/0/0)
  3 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  4 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  5 unassigned    wm    1234 - 1253        3.16MB    (20/0/0)
  6        usr    wm       0               0         (0/0/0)
  7 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)

Okay to make this the current partition table[yes]? yes
Enter table name (remember quotes): "disk2"
Ready to label disk, continue? yes

partition> quit
format> verify
format> quit

SPARC: 例 - 二次ディスクのディスクスライスとラベルを作成する

次の例では、format ユーティリティを使用して 200M バイトのディスクを /export/home1 ファイルシステム用の 1 つのスライスにします。

# format
Searching for disks...done
AVAILABLE DISK SELECTIONS:
       0. c0t2d0 <SUN0207 cyl 1254 alt 2 hd 9 sec 36>
          /sbus@1,f8000000/esp@0,800000/sd@2,0
       1. c0t3d0 <SUN0424 cyl 1151 alt 2 hd 9 sec 80>
          /sbus@1,f8000000/esp@0,800000/sd@3,0
Specify disk (enter its number): 0
selecting c0t2d0
[disk formatted]
format> partition
partition> print
partition> modify
Select partitioning base:
	0. Current partition table (original)
	1. All Free Hog
Choose base (enter number) [0]? 1

Part      Tag    Flag     Cylinders        Size       Blocks
  0       root    wm       0               0         (0/0/0)
  1       swap    wu       0               0         (0/0/0)
  2     backup    wu       0 - 1253      198.39MB    (1254/0/0)
  3 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  4 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  5 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  6        usr    wm       0               0         (0/0/0)
  7 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
Do you wish to continue creating a new partition
table based on above table[yes]? y
Free Hog partition[6]? 5
Enter size of partition `0' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `1' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `3' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `4' [0b, 0c, 0.00mb]: 198mb
Enter size of partition `6' [0b, 0c, 0.00mb]:
Enter size of partition `7' [0b, 0c, 0.00mb]: 

SPARC: 例 - 二次ディスクのディスクスライスとラベルを作成する (続き)

Part      Tag    Flag     Cylinders        Size
      Blocks
  0       root    wm       0               0         (0/0/0)
  1       swap    wu       0               0         (0/0/0)
  2     backup    wu       0 - 1253      198.39MB    (1254/0/0)
  3 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)
  4 unassigned    wm       0 - 1251      198.07MB    (1252/0/0)
  5 unassigned    wm    1252 - 1253        0.32MB    (2/0/0)
  6        usr    wm       0               0         (0/0/0)
  7 unassigned    wm       0               0         (0/0/0)

Okay to make this the current partition table[yes]? yes
Enter table name (remember quotes): "home1"
Ready to label disk, continue? y
partition> q
format> verify
format> q
# 

このあとの手順

ディスクスライスを作成してディスクのラベル付けが終わったら、ディスク上にファイルシステムを作成します。「SPARC: ファイルシステムを作成する方法」を参照してください。

SPARC: ファイルシステムを作成する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. newfs コマンドを使用して、スライスごとにファイルシステムを作成します。

    # newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
    

    /dev/rdsk/cwtxdysx

    作成するファイルシステムの raw デバイス 

    newfs コマンドについての詳細は、第 27 章「ファイルシステムの作成手順」を参照してください。

  3. 未使用のマウントポイントにマウントすることによって、新しいファイルシステムを確認します。

    # mount /dev/dsk/cwtxdysz/mnt
    # ls
    lost+found

参照先

追加するディスク 

参照先 

システムディスク 

ディスク上にルート (/) と /usr のファイルシステムを復元する必要がある。第 35 章「ファイルとファイルシステムの復元の手順」を参照。

ルート (/) と /usr ファイルシステムの復元後、ブートブロックをインストールする。「SPARC: システムディスクにブートブロックをインストールする方法」を参照。

二次ディスク 

新しいディスク上にファイルシステムを復元しなければならないことがある。第 35 章「ファイルとファイルシステムの復元の手順」を参照。

 

新しいディスク上にファイルシステムを復元しない場合は、二次ディスクを追加する作業が終わったことになる。ファイルシステムをユーザーが利用できるようにする方法については、第 28 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除の手順」を参照。

SPARC: システムディスクにブートブロックをインストールする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. installboot コマンドを使用して、システムディスクにブートブロックをインストールします。

    # /usr/sbin/installboot /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/ufs/bootblk 
    /dev/rdsk/cwtxdys0
    

    /usr/platform/`uname -i`/lib/fs /ufs/bootblk

    ブートブロックコード 

    /dev/rdsk/cwtxdys0

    ルート (/) ファイルシステムの raw デバイス

  3. システムを実行レベル 3 にして、ブートブロックがインストールされていることを確認します。

    # init 6
    

SPARC: 例 - システムディスクにブートブロックをインストールする

次の例では、SPARCstation 10 にブートブロックをインストールします。

# installboot /usr/platform/sun4m/lib/fs/ufs/bootblk /dev/rdsk/c0t0d0s0