Solaris のシステム管理

バックアップデバイス名

バックアップに使用するテープまたはフロッピーディスクドライブに論理デバイス名を与えて指定します。この名前は、「raw」のデバイスファイルが入っているサブディレクトリを指し、ドライブの論理デバイス番号が含まれています。テープドライブの命名規則では、物理デバイス名ではなく論理デバイス名を使用します。表 38-2 は、この命名方式を示しています。

表 38-2 バックアップデバイスの基本的なデバイス名

デバイスの種類 

名前 

テープ 

/dev/rmt/n

フロッピーディスク 

/vol/dev/rdiskette0/unlabeled

ドライブは、その「推奨」密度で書き込みますが、一般にこれはサポートされる最大密度を意味します。ほとんどの SCSI ドライブは、テープの密度や形式を自動的に検出し、それに応じて読み込むことができます。

テープドライブは、コントローラのタイプに応じて次の 2 つのカテゴリに分かれています。

/dev/rmt サブディレクトリには、各種の出力密度をサポートする一連のテープデバイスファイルが入っています。

通常は、図 38-1 のようにテープドライブデバイスを指定します。

図 38-1 テープドライブデバイス名

Graphic

同じシステム上で SCSI テープドライブと SCSI 以外のテープドライブを使用できます。

表 38-3 は、各種のテープコントローラ/装置と媒体のデバイス省略名を示しています。ドライブ番号のデバイス省略名の 1 文字目を次表のように 0 にしなくても、システムに接続されるテープドライブ数に応じて 1、2、3 などを使用できるので注意してください。

表 38-3 テープコントローラ/装置と媒体のデバイス省略名

コントローラ 

ドライブデバイス 

 

タイプ 

サイズ 

形式 

トラック数 

デバイス省略名 

リール 

Xylogics 472 

Fujitsu M2444 

1/2 インチ 

1600 bpi 

/dev/rmt/0m

 

 

1/2 インチ 

6250 bpi 

/dev/rmt/0h

SCSI フロントロード 

HP 

1/2 インチ 

800 bpi 

/dev/rmt/0m

 

 

 

6250 bpi 

/dev/rmt/0h

カートリッジ 

SCSI 

Sysgen 

1/4 インチ 

QIC-11 

/dev/rmt/0l

 

 

 

QIC-24 

/dev/rmt/0m

 

 

 

QIC-11 

/dev/rmt/0l

 

 

 

QIC-24 

/dev/rmt/0m

 

Emulex MT-02 

1/4 インチ 

QIC-11 

/dev/rmt/0l

 

 

 

QIC-24 

/dev/rmt/0m

 

 

 

QIC-11 

/dev/rmt/0l

 

 

 

QIC-24 

/dev/rmt/0m

 

Archive QIC-150 

1/4 インチ 

QIC-150 

18 

/dev/rmt/0h

 

Wangtek QIC-150 

1/4 インチ 

QIC-150 

18 

/dev/rmt/0h

 

Desktop Backup Pack 

1/4 インチ 

QIC-150 

18 

/dev/rmt/0h

 

Exabyte 8200 (2.3 GB) 

8 mm 

8 mm 

Helical Scan 

/dev/rmt/0m

 

Exabyte 8500 (2.3 GB) 

8 mm 

8 mm 

Helical Scan 

/dev/rmt/0l

 

Exabyte 8500 (5 GB) 

8 mm 

8 mm 

Helical Scan 

/dev/rmt/0m

 

Archive Python 

4 mm 

4 mm 

Helical Scan 

/dev/rmt/0

ラックマウント式の SCSI 以外の 1/2 インチリールドライブ

Tapemaster または Xylogics 472 コントローラが付いた 1/2 インチのラックマウント式テープドライブの場合は、デバイス名の変数 A (/dev/rmt/XA) の代わりに表 38-4 for the A の密度を使用してください。

表 38-4 ラックマウント式 1/2 インチテープドライブの密度指定

文字 

密度 

null

デフォルトの推奨「最高」密度 (通常は非圧縮状態で 6250 bpi) 

l

800 bpi 

m

1600 bpi 

h

6250 bpi 

u

圧縮状態で 6250 bpi 

密度文字を省略すると、通常、テープは圧縮されずに最高密度で書き込まれます。

SCSI 1/4 インチカートリッジと 1/2 インチフロントロード式リールドライブ

SCSI 1/4 インチカートリッジと 1/2 インチフロントロード式リールドライブの場合は、デバイス名の変数 A (/dev/rmt/XA) の代わりに表 38-5 の密度を使用してください。

表 38-5 SCSI テープドライブの形式または密度指定

文字 

密度 

1/4 インチカートリッジ 

密度 

1/2 インチフロントロード式リール 

null

デフォルトの推奨 (最高) 密度 

デフォルトの推奨 (最高) 密度 

l

QIC-11 形式 

800 bpi 

m

QIC-24 形式 

1600 bpi 

h

QIC-150 

6250 bpi 

u

予約済み 

予約済み 

1/4 インチカートリッジの場合、密度はデータが書き込まれる形式、つまり QIC 形式で指定されます。QIC-11 形式と QIC-24 形式では、各トラック上に 1 インチ当たり約 1000 バイトが書き込まれます。QIC-150 形式の密度は、やや高くなります。60M バイト 1/4 インチのカートリッジドライブの「推奨」密度は QIC-24 で、150M バイト 1/4 インチカートリッジドライブは QIC-150 です。

18 トラックドライブでは QIC-150 にしか書き込めません。QIC-24 や QIC-11 への書き込みに切り替えることはできません。形式セクションが役に立つのは、QIC-24 と QIC-11 の両方に書き込めるドライブだけです。

テープドライブのデフォルト密度を指定する

通常は、テープドライブを 0 から n までの論理デバイス番号で指定します。表 38-6 は、デフォルトの密度設定を使用してテープデバイス名を指定する方法を示しています。

表 38-6 テープドライブのデフォルト密度指定

指定するドライブ 

使用する番号 

第 1 のドライブ、巻き戻し 

/dev/rmt/0

第 1 のドライブ、巻き戻しなし 

/dev/rmt/0n

第 2 のドライブ、巻き戻し 

/dev/rmt/1m

第 2 のドライブ、巻き戻しなし 

/dev/rmt/1n

デフォルトでは、ドライブはその「推奨」密度で書き込みますが、これは一般にそのドライブでサポートされる最大密度です。テープデバイスを指定しなければ、コマンドはデバイスでサポートされるデフォルト密度でドライブ番号 0 に書き込みます。

テープドライブに別の密度を指定する

テープを特定の密度しかサポートされないテープドライブが付いたシステムに転送するには、目的の密度で書き込むデバイス名を指定します。表 38-7 は、テープドライブに別の密度を指定する方法を示しています。

表 38-7 テープドライブに別の密度を指定する

指定 

番号 

第 1 のドライブ、巻き戻し、低密度 

/dev/rmt/0l

第 1 のドライブ、巻き戻しなし、低密度 

/dev/rmt/0ln

第 2 のドライブ、巻き戻し、中密度 

/dev/rmt/1m

第 2 のドライブ、巻き戻しなし、中密度 

/dev/rmt/1mn

デバイス名と密度文字については、図 38-1 を参照してください。