LP 印刷サービスによって設定されるプリンタポート特性には、プリンタの通信設定と互換性がなければなりません。LP 印刷サービスから提供されたデフォルトのプリンタポート設定値がプリンタで機能しない場合は、プリンタのマニュアルを参照し、そのプリンタが LP 印刷サービスに対してどのような設定値が必要かを調べてください。プリンタ通信設定を設定および表示するには、stty コマンドを使用します。
表 44-1 は、LP 印刷サービスに使用されるデフォルトの stty 設定値を示しています。
表 44-1 LP 印刷サービスに使用される stty のデフォルト設定値
オプション |
意味 |
---|---|
-9600 |
ボーレートを 9600 に設定する |
-cs8 |
8 ビットバイトを設定する |
-cstopb |
1 バイトあたり 1 ストップビットを送信する |
-parity |
パリティを生成しない |
-ixon |
XON/XOFF (START/STOP または DC1/DC3 ともいう) を使用可能にする |
-opost |
この表の以下のすべての設定値を使用して「処理後出力」を実行する |
-olcuc |
小文字を大文字に割り当てない |
-onlcr |
改行をキャリッジリターン/改行に変更する |
-ocrnl |
キャリッジリターンを改行に変更しない |
-onocr |
カラム 0 の位置でもキャリッジリターンを出力する |
-n10 |
改行の後に遅延を入れない |
-cr0 |
キャリッジリターンの後に遅延を入れない |
-tab0 |
タブの後に遅延を入れない |
-bs0 |
バックスペースの後に遅延を入れない |
-vt0 |
垂直タブの後に遅延を入れない |
-ff0 |
用紙送りの後に遅延を入れない |
印刷サーバーにスーパーユーザーまたは lp としてログインします。
lpadmin コマンドを使用してプリンタポート特性を調整します。
# lpadmin -p printer-name -o "stty=options"
-p printer-name |
ポート特性を調整するプリンタ名 |
-o "stty=options" |
options で指定したポート特性 (stty オプション) を設定する。このコマンドで 1 つ以上の stty オプションを変更できる。オプションを区切るには空白を使用し、オプションを一重引用符で囲む。 オプションについては、stty(1) のマニュアルページを参照。LP 印刷サービスで使用されるデフォルトの stty 設定については、表 44-1 を参照 |
次のコマンドを使用して、プリンタポート特性が変更されたかどうかを確認します。
# stty -a
次の例で、コマンドはプリンタ luna のポート特性を設定します。-parenb オプションはパリティチェック/生成を使用可能にし、parodd は奇数パリティの生成を設定し、cs7 は文字サイズを 7 ビットに設定します。
# lpadmin -p luna -o "stty='parenb parodd cs7'"
次の例で、コマンドはプリンタ venus の端末ボーレートを 19200 に設定します。
# lpadmin -p venus -o "stty=19200"