割り当てを変更して、ユーザーが使用するディスク容量と i ノード数を調整できます。または、必要に応じて各ユーザーから、あるいはファイルシステム全体から割り当てを削除できます。
表 58-4 で、割り当てを変更または削除するのに使用するコマンドを示します。
表 58-4 割り当てを変更または削除するコマンド
コマンド |
機能 |
---|---|
edquota(1M) |
各ユーザーについて i ノード数またはディスク容量の強い制限値と弱い制限値を変更する。また、任意のユーザーが弱い制限値を超えることが許される期間の長さを変更する。 |
quotaoff(1M) |
指定したファイルシステムの割り当てを無効にする。詳細は、quotaoff(1M) のマニュアルページを参照。 |
デフォルトでは、ユーザーは 1 週間、割り当ての期間の弱い制限値を超えることができます。1 週間以上期間の弱い制限値を超えると、システムはそのユーザーに対し、i ノードとディスクブロックの使用を禁止します。
edquota コマンドを使用すると、この割り当ての期間制限を変更できます。
次のように割り当てエディタを使用して、期間の弱い制限値を含む一時ファイルを作成します。
# edquota -t
期間制限を、0 (デフォルト) から数値とキーワード month、week、day、hour、min、または sec を使用して指定する値に変更します。
一時ファイルをクローズして、変更結果を保存します。
この手順は、現在のディスク割り当て違反者には影響しません。
次の例は、/export/home がただ 1 つのマウント済みファイルシステムであるシステムで edquota によってオープンされた一時ファイルの内容を示しています。値 0 (デフォルト) は、デフォルトで、1 週間の期間制限値が使用されることを意味します。
fs /export/home blocks time limit = 0 (default), files time limit = 0 (default)
次の例は、ブロック割り当ての超過に対する期間制限値が 1 週間に変更され、ファイル数の超過に対する期間制限値が 10 日に変更された後の、上の例と同じ一時ファイルの内容を示しています。
fs /export/home blocks time limit = 2 weeks, files time limit = 16 days
次のように割り当てエディタを使用して、quotas ファイルがそれぞれの最上位ディレクトリにある各マウント済みファイルシステムに対して 1 行ずつエントリが入っている一時ファイルをオープンします。
# edquota username
username |
割り当てが変更されるユーザー名 |
edquota コマンドの引数として複数のユーザーを指定できますが、表示される情報にはどのユーザーのものなのか示されないので、混乱を招く恐れがあります。
1K バイトディスクブロック数の弱い制限値と強い制限値、および i ノード数の弱い制限値と強い制限値を入力します。
ユーザーの割り当てが正しく変更できたかどうかを確認するには、次のように quota コマンドを使用します。
# quota -v username
-v |
ディスク割り当てが有効にされている、すべてのマウント済みのファイルシステムについて、ユーザーのディスク割り当て情報を表示します。 |
username |
割り当てを確認したいユーザー名 |
次の例は、/files だけがマウント済みファイルシステムで、edquota によってオープンされた一時ファイルの内容を示しています。このファイルシステムの最上位ディレクトリに quotas ファイルが含まれています。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 0) inodes (soft = 0, hard = 0)
次の例は、上と同じ一時ファイルの割り当て変更後の内容を示しています。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 500) inodes (soft = 0, hard = 100)
次の例は、ユーザー smith の強い制限値の変更結果を確認する方法と、1K バイトブロック数と i ノード数の強い制限値がそれぞれ 500 と 100 に変更されていることを示しています。
# quota -v smith Disk quotas for smith (uid 12): Filesystem usage quota limit timeleft files quota limit timeleft /files 1 0 500 1 0 100
次のように割り当てエディタを使用して、quotas ファイルがその最上位ディレクトリにある各マウント済みファイルシステムに対して 1 行の割り当て情報を含む一時ファイルを作成します。
# edquota username
username |
割り当てを無効にしようとするユーザー名 |
edquota コマンドの引数として複数のユーザーを指定できますが、表示される情報にはどのユーザーのものなのか示されないので、混乱を招く恐れがあります。
1K バイトディスクブロック数の弱い制限値と強い制限値、および i ノード数の弱い制限値と強い制限値を 0 (ゼロ) に変更します。
必ずこれらの値を 0 (ゼロ) に変更してください。テキストファイルから行を削除してはいけません。
割り当てエディタを終了して、変更結果を保存します。
ユーザーの割り当てを無効にできたかどうかを確認するには、次のように quota コマンドを使用します。
# quota -v username
-v |
ディスク割り当てが有効にされている、すべてのマウント済みのファイルシステムについて、ユーザーのディスク割り当て情報を表示します。 |
username |
割り当てを確認しようとするユーザー名またはユーザー識別番号 (UID) |
次の例は、/files だけがマウント済みファイルシステムで、edquota によってオープンされた一時ファイルの内容を示しています。このファイルシステムの最上位ディレクトリに quotas ファイルが含まれています。
fs /files blocks (soft = 50, hard = 60) inodes (soft = 90, hard = 100)
次の例は、割り当てを無効にした後の上と同じ一時ファイルの内容を示しています。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 0) inodes (soft = 0, hard = 10)
次のように入力して、割り当てを無効にします。
# quotaoff [ -v ] -a | filesystem ...
-v |
(省略可能) 詳細形式オプション |
-a |
全ファイルシステムの割り当てを無効にする。 |
filesystem1, 2, 3 ... |
指定する 1 つ以上のファイルシステムの割り当てを無効にする。 |
次の例は、/export/home ファイルシステムの割り当てを無効にします。
# quotaoff -v /export/home /export/home: quotas turned off