表 54-2 に ASET 環境変数と各変数で指定する値を示します。
表 54-2 環境変数とその意味
環境変数 |
指定内容 |
---|---|
ASETDIR (以下を参照) |
ASET の作業ディレクトリ |
ASETSECLEVEL (以下を参照) |
セキュリティレベル |
PERIOD_SCHEDULE |
定期的なスケジュール |
TASKS |
実行するタスク |
UID_ALIASES |
別名ファイル |
YPCHECK |
チェックを NIS と NIS+ まで拡張する |
CKLISTPATH_LOW |
低セキュリティ用のディレクトリリスト |
CKLISTPATH_MED |
中セキュリティ用のディレクトリリスト |
CKLISTPATH_HIGH |
高セキュリティ用のディレクトリリスト |
次に示す環境変数は、ファイル /usr/aset/asetenv に入っています。ASETDIR 変数と ASETSECLEVEL 変数はオプションで、aset コマンドを使用してシェルからでなければ設定できません。他の環境変数は、ファイルを編集して設定できます。次に、各変数について説明します。
ASETDIR は、ASET の作業ディレクトリを指定します。
% setenv ASETDIR pathname
Bourne シェルまたは Korn シェルからは、次のように入力します。
$ ASETDIR=pathname $ export ASETDIR
pathname を ASET 作業ディレクトリの完全パス名に設定してください。
ASETSECLEVEL は、ASET タスクが実行されるセキュリティレベルを指定します。
C シェルから次のように入力します。
% setenv ASETSECLEVEL level
Bourne シェルまたは Korn シェルから、次のように入力します。
$ ASETSECLEVEL=level export ASETSECLEVEL
上記のコマンドで、level を次のいずれかに設定できます。
low |
低セキュリティレベル |
med |
中セキュリティレベル |
high |
高セキュリティレベル |
PERIODIC_SCHEDULE の値の形式は、crontab ファイルと同じです。変数の値は二重引用符で囲んだ 5 つのフィールドからなる文字列として指定します。各フィールドは空白文字 1 つで区切ってください。
"minutes hours day-of-month month day-of-week"表 54-3 Periodic_Schedule 変数の値
変数 |
値 |
---|---|
minutes hours |
開始時刻を分 (0-59) と時間 (0-23) で指定します。 |
day-of-month |
ASET を実行する日付を 1 から 31 までの値で指定します。 |
month |
ASET を実行する月を 1 から 12 までの値で指定します。 |
day-of-week |
ASET を実行する曜日を 0 から 6 までの値で指定します。この方式では、日曜日の値は 0 です。 |
次の規則が適用されます。
どのフィールドでも、値のリストをコンマで区切って指定できます。
値を数値または範囲として指定できます。範囲とは、1 対の数値をハイフンで結合したものです。範囲は、範囲に含まれるすべての時刻に ASET タスクを実行することを示します。
どのフィールドでも、値としてアスタリスク (*) を指定できます。アスタリスクは、そのフィールドに有効なすべての値を指定します。
PERIODIC_SCHEDULE 変数のデフォルトエントリでは、ASET が毎日午後 12:00 に実行されます。
PERIODIC_SCHEDULE="0 0 * * *"
TASKS 変数は、ASET で実行されるタスクをリストします。デフォルトでは、7 つのタスクがすべてリストされます。
TASKS="env sysconfig usrgrp tune cklist eeprom firewall"
UID_ALIASES 変数は、別名ファイルを指定します。別名ファイルがあると、ASET は使用可能な複数の別名のリストをこのファイル内で照会します。形式は UID_ALIASES=pathname です。pathname は、別名ファイルの完全パス名です。
デフォルトは次のとおりです。
UID_ALIASES=${ASETDIR}/masters/uid_aliases
YPCHECK 変数は、システムテーブルをチェックするタスクを拡張して NIS または NIS+ テーブルを含めます。これはブール変数なので、true または false に設定できます。
デフォルトは false で、ローカルシステムテーブルがチェックされます。
YPCHECK=false
3 つのチェックリストパス変数は、チェックリストタスクでチェックされるディレクトリをリストします。次の変数定義はデフォルトで設定されていて、各種レベルの変数の関係を示しています。
CKLISTPATH_LOW=${ASETDIR}/tasks:${ASETDIR}/util:${ASETDIR}/masters:/etc CKLISTPATH_MED=${CKLISTPATH_LOW}:/usr/bin:/usr/ucb CKLISTPATH_HIGH=${CKLISTPATH_MED}:/usr/lib:/sbin:/usr/sbin:/usr/ucblib
チェックリストパス環境変数の値は、シェルパス変数の値と同様で、ディレクトリ名がコロン (:) で区切られたリストです。等号 (=) を使用すると、変数名にその値を設定できます。