setfacl コマンドを使用してファイルの ACL エントリを設定します。
$ setfacl -s user::perms,group::perms,other:perms,mask:perms,acl_entry_list filename ...
-s |
ファイル上にすでに ACL が存在する場合は、ACL 全体を新しい ACL エントリに置き換える |
user::perms |
所有者のアクセス権 |
group::perms |
所有者グループのアクセス権 |
other:perms |
所有者または所有者グループのメンバー以外のユーザーのアクセス権 |
mask:perms |
ACL マスクのアクセス権。マスクは、ユーザー (所有者以外) とグループに許される最大アクセス権を示す |
acl_entry_list |
ファイルまたはディレクトリ上で特定のユーザーとグループに関して設定する 1 つ以上の ACL エントリのリスト。ディレクトリ上でデフォルトの ACL エントリを設定することもできる。有効な ACL エントリについては、表 51-9 と表 51-10 を参照 |
filename |
ACL エントリを設定するファイルまたはディレクトリ |
ファイルに ACL が設定されたかどうかを確認する方法については、「ファイルに ACL が設定されているかどうかをチェックする方法」を参照してください。ファイルにどの ACL エントリが設定されているかを確認するには、getfacl コマンドを使用します。
$ getfacl filename
ファイルにすでに ACL が存在する場合に -s オプションを指定すると、ACL 全体が新しい ACL エントリに置き換えられます。
次の例では、ch1.doc ファイルで、ユーザーに読み取り/書き込み権、グループに読み取り権のみ、その他のユーザーアクセス権を「なし」に設定します。また、ユーザー george には、このファイルの読み取り/書き込み権が与えられ、ACL マスクに読み取り/書き込み権が設定されます。これは、ユーザーやグループは実行権を持たないことを意味します。
$ setfacl -s user::rw-,group::r--,other:---,mask:rw-,user:george:rw- ch1.doc $ ls -l total 124 -rw-r-----+ 1 nathan sysadmin 34816 Nov 11 14:16 ch1.doc -rw-r--r-- 1 nathan sysadmin 20167 Nov 11 14:16 ch2.doc -rw-r--r-- 1 nathan sysadmin 8192 Nov 11 14:16 notes $ getfacl ch1.doc # file: ch1.doc # owner: nathan # group: sysadmin user::rw- user:george:rw- #effective:rw- group::r-- #effective:r-- mask:rw- other:---
次の例では、ch2.doc ファイルで、ユーザーに読み取り/書き込み/実行権を、グループに読み取り権のみ、その他のユーザーのアクセス権を「なし」に設定します。また、sysadmin グループ内のユーザーには、ファイルの読み取り/書き込み権が与えられ、ACL マスクには読み取り/書き込み権が設定されます。
$ setfacl -s u::7,g::4,o:0,g:sysadmin:6,m:6 ch2.doc $ getfacl ch2.doc