Solaris のシステム管理

バッファー動作をチェックする方法 (sar)

sar -b コマンドを使用すると、バッファー動作の統計情報が表示されます。

バッファーは、i ノード、シリンダグループブロック、間接ブロックなどのメタデータをキャッシュに書き込むために使用されます。

$ sar -b
SunOS venus 5.6 Generic sun4m    08/20/96
0:0:03 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
1:0:02     0       0     100       0       0      57       0   0

表 64-8 は、-b オプションを指定したときに表示されるバッファー動作を示します。最も重要なエントリは、キャッシュヒット率 %rcache%wcache です。この 2 つのエントリは、システムバッファーリングの効率を測定します。%rcache が 90 未満の場合や、%wcache が 65 未満の場合は、バッファー領域を大きくすれば性能を改善できる可能性があります。

表 64-8 sar -b コマンドからの出力

フィールド名 

説明 

bread/s

ディスクからバッファーキャッシュに投入された 1 秒当りの平均読み取り数 

lread/s

バッファーキャッシュからの 1 秒当りの平均論理読み取り数 

%rcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理読み込み数の小数部 (lread/s に対する bread/s の比を 100% から差し引いた値)

bwrit/s

バッファーキャッシュからディスクに書き込まれた 1 秒当りの平均物理ブロック数 (512 ブロック) 

lwrite/s

バッファーキャッシュへの 1 秒当りの平均論理書き込み数 

%wcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理書き込み数の小数部 (lwrit/s に対する bwrit/s の比を 100% から差し引いた値)

pread/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理読み取り数 

pwrit/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理書き込み要求数 

例 - バッファー動作をチェックする

次の sar -b 出力の例は、すべてのデータは許容範囲に収まっているので、%rcache バッファーと %wcache バッファーが処理速度低下の原因ではないことを示します。

$ sar -b
SunOS venus 5.6 Generic sun4m    08/20/96
14:28:12 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
14:29:12       0      14     100       6      17      67       0       0
14:30:12       0      12      99       6      16      65       0       0
14:31:12       0      12     100       6      16      65       0       0

Average        0      12     100       6      16      66       0       0