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Sun Java System Communications Express 6 2004Q2 管理ガイド 

第 4 章
シングルサインオンの実装

シングルサインオンを使用すると、エンドユーザーは 1 回認証を受ければ、もう一度認証を受けなくても複数のアプリケーションを使用できます。シングルサインオンがメールアプリケーションで有効になっている場合、たとえば Communications Express にログインすると、もう一度認証を受けなくてもメールアプリケーションを使用できます。シングルサインオンは、Identity Server があってもなくても実行できます。


カレンダーとメール、およびアドレス帳とメールユーザーインタフェースとの間の相互運用性を実現するために、Messenger Express または Messenger Express Multiplexor (MEM) と、Communications Express は同じホストに配備されなければなりません。アプリケーションが別のホストに配備されると、セキュリティ上の理由から、ブラウザはアプリケーション間の相互運用を許可しません。


この章には、以下の節があります。


Identity Server を使用したシングルサインオンの設定

以下の節では、Communications Express を Identity Server のシングルサインオンで設定し、使用する方法について説明します。

Communications Express で Identity Server によるシングルサインオンを有効にする

Communications Express が Identity Server で配備されると、Identity Server のシングルサインオンメカニズムを認証に使用します。表 4-1 に示すすべてのパラメータは、設定ウィザードが呼び出されると設定されます。パラメータの設定中は、表 4-1 に示すガイドラインに従ってください。


  • uwcauth.identity.binddn および uwcauth.identity.bindcred の値は、Identity Server のインストール時に入力した値に対応していなければなりません。

    たとえば uwcauth.identity.binddn=uid=amAdmin, ou=People, o=siroe.example.com, o=example.com and uwcauth.identity.bindcred=password などです。
  • uwcauth.identity.binddn および uwcauth.identity.bindcred の値は必ず割り当ててください。
  • バグ番号 4920222 が解決するまで、 Identity Server 関連の jar ファイル (<UWC-deployed-path>/ WEB-INF/libam_sdk.jar and am_services.jar) は一時ディレクトリに移動する必要があります。

Identity Server SSO を操作できるようにするには、uwcauth.properties ファイルにある Communications Express 固有のパラメータ (表 4-1) を変更します。

表 4-1 UWC 固有のパラメータを設定し、Identity Server セッションを使用して Messenger Express にアクセスする 

パラメータ

デフォルト値

目的

uwcauth.identity.enabled

true

Identity Server が使用可能かどうかを指定する

Identity Server が使用可能になると、この属性が「true」になる

uwcauth.identity.login.url

 

Identity Server の SSO を使用可能にする設定変数を指定する。このパラメータは Identity Server がネーミングサービスを実行する URL を示す

uwcauth.identity.login.url=http://siroe.example.com:85/amserver/UI/login など

uwcauth.identity.cookiename

iPlanetDirectoryPro

Identity Server で使用する Cookie 名を指定する

uwcauth.identity.cookiename の値は、Identity Server に設定した値に対応する

uwcauth.identity.binddn

amAdmin のバインド DN

amAdmin の完全な DN を指定する

uid=amAdmin, ou=People, o=siroe.example.com, o=example.com

uwcauth.identity.bindcred

amAdminBindCred

amAdmin のパスワードを指定する

uwcauth.http.port

80

Communications Express が非 SSL ポート上に設定されたときに、Communications Express が待機するポート番号を指定する

uwcauth.https.port

443

Communications Express が Web Server 上に設定されたときに、Communications Express が待機する https ポート番号を指定する

Messaging Express で Identity Server によるシングルサインオンを有効にする

管理者として、msg-svr_install_root/sbin/configutil ツールを使用して、表 4-2 に一覧表示されているパラメータを設定できます。インストーラはこれらのパラメータを設定するため、これらのパラメータはインストールしたあとで明示的に設定する必要があります。

configutil ツールの詳細については、http://docs.sun.com/db/prod/entsys?l=ja にある『Sun Java System Messaging Server 管理ガイド』の第 3 章「一般的なメッセージング機能を設定する」を参照してください。

UWC ユーザーが Identity Server セッションを使用して Messenger Express にアクセスできるように、Sun Java System Messaging Server 設定にリストされた Messenger Express 固有のパラメータを変更できます。

表 4-2 UWC ユーザーが Identity Server セッションを使用して Messenger Express にアクセスできるように Messaging Server 設定の Messenger Express 固有のパラメータを設定する 

パラメータ

目的

local.webmail.sso.amnamingurl

 

Identity Server の SSO を有効にする

変数は Identity Server がネーミングサービスを実行する URL を示す。

configutil -o local. webmail.sso.amnamingurl -v http://siroe.example.com:85/amserver/namingservice

local.webmail.sso.uwcenabled

1

UWC ユーザが Messenger Express にアクセスできるようにする

local.webmail.sso.uwclogouturl

http://siroe.example.com:85/base/UWCmain?op=logout

Communications Express が /uwc などルート以外の URI に配備された場合は、このパラメータの値は

http://siroe.example.com:85/uwc/base/UWCmain?op=logout

Messenger Express が UWC セッションを無効にする URL を指定する

local.webmail.sso.uwcport

85

UWC の HTTP ポートを指定する

local.webmail.sso.uwccontexturi

uwc

UWC が配備されるパスを指定する

UWC がルート以外の URI に配備される場合だけ、このパラメータを指定する。たとえば UWC が /uwc に配備される場合は、local.webmail.sso.uwccontexturi=uwc

local.webmail.sso.amcookiename

iPlanetDirectoryPro

Identity Server セッション Cookie を指定する

uwcauth.properties ファイルで、uwcauth.appprefix の値が local.webmail.sso.amcookiename の値に設定されているようにすること

local.webmail.sso.uwchome

 

「マストヘッド」のホームリンクへアクセスするのに必要な URL を指定する

UWC と Identity Server SSO との動作方法

  1. Identity Server が使用可能な場合、認証は Identity Server によって実行され、uwcauth.identity.cookiename in uwcauth.properties ファイルで指定した名前で Cookie が設定されます。
  2. Communications Express は、Identity Server SDK を使用して Identity Server ネーミング URL に要求を送信し、Cookie の有効性を検査します。Identity Server ネーミング URL は、以下の形式の値のキーから生成されます。
  3. <protocol>://<host>:<port>/<content URI>

    たとえば http://siroe.example.com:/amserver

    たとえば http://siroe.com:80/amserver

  4. クレデンシャルの検査に成功すると、UWC は、ユーザー ID と組織 DN を SSO SDK から受け取ります。
  5. UWC はそのユーザーに使用できるサービスを検査し、ローカルセッションを作成します。
  6. Identity Server セッションがタイムアウトするか、ユーザーがログアウトして削除された場合は、UWC セッションは無効になり、UWC ログインページへリダイレクトされます。


Messaging SSO を使用したシングルサインオンの設定

この節では、Communications Express を Messaging Server のシングルサインオンで設定し、使用する方法について説明します。設定ウィザードでは、SSO 関連の必須パラメータを何も設定しません。以下で説明する 1 番目と 2 番目の節で説明するように、必須パラメータは手作業で設定する必要があります。

Messaging SSO を使用して Communications Express を使用可能にする

uwcauth.properties ファイルにあるメール固有のパラメータ (表 4-3) を変更して、Communications Express ユーザーが Messaging SSO を使用して Messenger Express にアクセスできるようにします。

表 4-3 uwcauth.properties ファイルでの メール固有パラメータの設定 

パラメータ

デフォルト値

目的

uwcauth.sessioncookie

JSESSIONID

サーブレットコンテナがセッションを追跡するために使用する Cookie の名前を指定する

uwcauth.appprefix

 

 

ホストアプリケーションのプレフィックスを指定する

このプレフィックスは、シングルサインオン中に、ほかの信頼されるアプリケーションが生成した Cookie を探すために使用される

配備に Messaging SSO を使用する場合、この属性はメッセージ設定中に設定された local.webmail.sso.prefix の値を割り当てられなければならない

uwcauth.appid

uwc

ホストアプリケーションの一意なアプリケーション ID を含む Cookie 名を指定する

uwcauth.cookiedomain

 

シングルサインオン Cookie の一部として保存されたドメイン名を指定する

.example.com」のように、ピリオド (.) から始まる必要がある。この例では、完全指定ホスト名は siroe.example.com

uwcauth.messagingsso.enable

 

true

Messaging によるすべてのシングルサインオン機能を有効または無効にする

このパラメータを「true」に設定すると、シングルサインオンが有効になり、「false」に設定すると、シングルサインオンが無効になる

uwcauth.messagingsso.cookiepath

/

シングルサインオン Cookie の一部として保存されたドメインまたはパスを指定する

uwcauth.messagingsso.singlesignoff

true

「true」に設定されると、UWC と Messenger Express の両方のセッションが無効になり、ユーザーはログインページにリダイレクトされる。設定されない場合は、Messenger Express セッションだけが無効になる

messagingsso.xxx.url

http://servername/ VerifySSO?

SSO Cookie を検査するために使用する URL を指定する

xxx の値は、サーバーのアプリケーション ID で置き換える必要がある

たとえばアプリケーション ID が「msg60」である Messaging Server で SSO を有効にする場合、以下の設定パラメータを追加する必要がある

mesagingsso.msg60.url=http://servername/VerifySSO?

ここで xxx の値は、Messenger Express で local.webmail.sso.id に割り当てた値と同一でなければならない

messagingsso.uwc.url

http://servername:85/VerifySSO?

Communications Express が /uwc などルート以外の URI に配備された場合は、このパラメータのデフォルト値は

http://servername:85/uwc/VerifySSO?

UWC サーバーの検査 URL を指定する

このサーバーの uwcauth.appid の値を編集した場合は、messagingsso.uwc.url 内の uwc を新規の uwcauth.appid で置き換える

messagingsso.appid

ims

UWC はこの Cookie を使用して、ログアウト要求を Messenger Express に発行するかどうか決定する

messagingsso.appid の値は、メッセージングの設定中に設定された local.webmail.sso.id の値と同じでなければならない

Messaging SSO を使用して Messaging Server を使用可能にする

configutil ユーティリティ (msg-svr_install_root/sbin/configutil) を使用してメール固有のパラメータ (表 4-4) を変更して、UWC ユーザーが Messaging SSO を使用して Messenger Express にアクセスできるようにします。

表 4-4 UWC ユーザーが Messaging SSO を使用して Messenger Express にアクセスできるように、Messaging Server 設定の Messenger Express パラメータを設定する 

パラメータ

目的

local.sso.<uwc-appid>.verifyurl

http://siroe.example.com:85/VerifySSO?

Communications Express が /uwc などルート以外の URI に配備された場合は、このパラメータのデフォルト値は

http://siroe.example.com:85/uwc/VerifySSO?

UWC で Cookie を検査するために Messenger Express が使用する URL を指定する

<uwc-appid> の値は、uwcauth.properties ファイルで指定された appid の値に対応していなければならない

local.webmail.sso.cookiedomain

.example.com

このパラメータの文字列値は、Messenger Express HTTP サーバーが、すべての SSO Cookie の Cookie ドメイン値を設定するために使用する

.example.com」のように、ピリオド (.) から始まる必要がある。この例では、完全指定ホスト名は siroe.example.com

このパラメータに指定した値は、uwcauth.cookiedomain で入力した値と同じでなければならない

local.webmail.sso.enable

1

Messaging SSO によるすべてのシングルサインオン機能を有効または無効にする

local.webmail.sso.ims.verifyurl

http://siroe.example.com/VerifySSO?

ここで、Webmail がポート 80 に配備されているとする

SSO Cookie を検査するために使用する URL を指定する

local.webmail.sso.prefix

 

SSO のためにほかの信頼されるアプリケーションが生成した Cookie を探すために、使用されるホストアプリケーションのプレフィックスを指定する

この値は、uwcauth.appprefix で入力した値に対応していなければならない

local.webmail.sso.singlesignoff

1

true に設定するとサーバーは、ユーザーのログアウト時にそのユーザーのシングルサインオン Cookie のうち、sso.apprefix の値に一致するすべてを削除する

false に設定すると、サーバーはそのシングルサインオンユーザーの Cookie だけを削除する

local.webmail.sso.uwcenabled

1

UWC ユーザーが Messenger Express にアクセスできるようにする。またはアクセスを無効にする

local.webmail.sso.uwclogouturl

http://siroe.example.com:85/base/UWCMain?op=logout

Communications Express が /uwc などルート以外の URI に配備された場合は、このパラメータのデフォルト値は

http://siroe.example.com:85/uwc/base/UWCMain?op=logout

Messenger Express が UWC セッションを無効にする URL を指定する

local.webmail.sso.uwcport

85

UWC の HTTP ポートを指定する

local.webmail.sso.uwccontexturi

uwc

UWC が配備されるパスを指定する

UWC がルート以外の URI に配備される場合だけ、このパラメータを指定する。たとえば UWC が「/uwc」に配備される場合は、local.webmail.sso.uwccontexturi=uwc

local.webmail.sso.uwchome

http://www.sun.com

「マスト」ヘッダーのホームリンクへアクセスするのに必要な URL を指定します。

Communications Express が Messaging SSO を操作する方法

図 4-1 Messaging SSO を使用したシングルサインオンの設定

Identity Server なしでシングルサインオンを有効にする

ユーザーが Communications Express にログインすると、統合 Web クライアントがユーザーを認証し、セッションの Cookie をブラウザに保持します。このセッションの Cookie 名は、以下の形式になります。

uwcauth.appprefix + "-" + uwcauth.appid.

Messenger Express で SSO が使用可能で、Messenger Express が UWC からアクセスされるとき、


Identity Server SSO および Messaging SSO の両方に共通するパラメータの設定


Communications Express および Messaging SSO では、同じプロトコル (http または https) を使用して配備されなければなりません。


uwcconfig.properties ファイル内で共通する UWC 固有パラメータを表 4-5 にリストします。Communications Express の設定時にこれらのパラメータが設定されます。

表 4-5 Communications Express の設定時に設定される共通の UWC 固有パラメータ

パラメータ

説明

mail.deployed

true

UWC でのメールアクセスを有効または無効にする

Messenger Express が配備されると、この属性が「true」になる

webmail.host

siroe.example.com

Messenger Express (または MEM) のホスト名を指定する Messenger Express のホスト名は、UWC のホスト名と対応していなければならない

webmail.port

80

Messenger Express が実行しているポート番号を指定する


Communications Express 内で Messenger Express にアクセスする

Communications Express では、以下の順序で LDAP 属性の値を基に、ユーザーに「メール」タブを表示するかどうかを決定します。

mailDeployed (appl level) -> inetDomainStatus(domain level) -> mailDomainStatus(domain level) -> inetUserStatus(user level) -> mailUserStatus(user level)

LDAP 属性の詳細については、『Sun Java System Communications Services 6 Schema Reference Guide』を参照してください。



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