Service Registry 3.1 管理ガイド

Java DB データベースの管理

このレジストリは、Java DB データベースを使用します。Java DB は、Apache Software Foundation のオープンソースリレーショナルデータベースプロジェクトの商用リリースです。Apache プロジェクトでは Derby と呼ばれています。

デフォルトでは、このデータベースはディレクトリ RegistryDomain-base/3.0/data/registry/soar/ に格納されています。データベースのバックアップは、バックアップの日付を含んだサブディレクトリ名 (たとえば、20060419-004759) とともに、ディレクトリ RegistryDomain-base/3.0/backup/ に格納されています。

デフォルトでは、Java DB データベースは組み込みモードで実行されます。これは、Service Registry と同じ JVM で実行されることと、1 つのクライアント (Service Registry) のみから接続が可能であることを意味します。リモート接続はできません。Java DB が組み込みモードで実行される場合、データベースをバックアップできるのはデータベースの停止中のみです (オフラインバックアップ)。手順については、「データベースのオフラインバックアップを実行する」を参照してください。

レジストリドメインの実行中にデータベースをバックアップすることができる必要がある場合 (オンラインバックアップ)、Java DB データベースをネットワークサーバーモードで実行してください。その手順については、「組み込みモードからネットワークサーバーモードに切り替える」および 「データベースのオンラインバックアップを実行する」を参照してください。

ネットワークサーバーモードで実行される場合、Java DB は、よく知られているクライアント/サーバー構成で複数のクライアント接続を受け入れることができます。たとえば、Service Registry と SQL クライアントの両方が同時に Java DB と通信できます。 ネットワークサーバーモードで実行されるとき、Java DB は、デフォルト値が 1527 のデータベースポートを使用します。Service Registry などのクライアントは、このポートを使ってデータベースと通信します。

Java DB がネットワークサーバーモードで実行されている場合、Service Registry はネットワーククライアントモードで実行されます。

ネットワークサーバーモードで実行されるデータベースは、認証されたクライアントのみが使用できるようにパスワードで保護する必要があります。組み込みモードで実行する場合にも同様の方法でデータベースを保護できますが、そのような保護は必須ではありません。

デフォルトでは、ファイル ServiceRegistry-base /install/install.properties 内のプロパティーは、Java DB が組み込みモードで実行されるように設定されます。表 1–3 は、それらの設定を示しています。

表 1–3 Java DB のデフォルトのプロパティー設定

プロパティー設定 

説明 

registry.install.clientDatabase=false

組み込みモードを有効にします 

registry.install.RequireDatabaseAuthentication=false

データベース認証を必要としません 

registry.install.DatabaseUserID=APP

ユーザー ID を APP (使用されていない) に設定します

registry.install.DatabasePassword=app123

パスワードを app123 (使用されていない) に設定します

Java DB の詳細については、the Java DB web siteの Java DB に関するマニュアルを参照してください。

Procedureデータベース認証を要求する

デフォルトでは、データベース認証は必須ではありません。データベースを組み込みモードで実行しているときに認証を要求することは可能です。また、データベースをネットワークサーバーモードで実行中には認証を必須とする必要があります。

  1. Service Registry インストールディレクトリに移動します。

    cd ServiceRegistry-base/install

  2. テキストエディタで install.properties ファイルのコピーを開きます。

  3. registry.install.RequireDatabaseAuthentication プロパティーの設定を false から true に変更します。

  4. registry.install.DatabaseUserID プロパティーの設定を編集します。

    組み込みモードでは、この値は APP または空のいずれかです。

    registry.install.DatabaseUserID=APP
    registry.install.DatabaseUserID=

    ネットワークサーバーモードでは、この値を APP にしてください。

  5. registry.install.DatabasePassword プロパティーの設定を編集します。

    パスワードは 6 文字以上にしてください。デフォルト値は app123 です。

  6. ファイルを保存して閉じます。

  7. レジストリ用 Application Server ドメインを停止および再起動します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.bounce

    ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。

Procedureデータベースのオフラインバックアップを実行する

データベースを組み込みモードで実行している場合は、オフラインバックアップを実行してください。

  1. Service Registry インストールディレクトリに移動します。

    cd ServiceRegistry-base/install

  2. 次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.stop

    ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。

  3. 次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file backup.db

  4. 次のコマンドを実行してドメインを再起動します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties=props-file appserver.domain.start

Procedure組み込みモードからネットワークサーバーモードに切り替える

組み込みモード (デフォルト) からネットワークサーバーモードに切り替えるには、registry.install.clientDatabase プロパティーの設定を false から true に変更し、データベース認証を要求します。

このプロパティーを編集してから、データベースリソースを再作成し、Application Server を停止および再起動します。

  1. Service Registry インストールディレクトリに移動します。

    cd ServiceRegistry-base/install

  2. テキストエディタで install.properties ファイルのコピーを開きます。

  3. プロパティー registry.install.clientDatabase の設定を false から true に変更します。

  4. registry.install.RequireDatabaseAuthentication プロパティーの設定を false から true に変更します。

  5. 必要に応じて、registry.install.DatabaseUserID プロパティーの設定を編集します。

    ネットワークサーバーモードでは、この値を APP にしてください。

  6. registry.install.DatabasePassword プロパティーの設定を編集します。

    どのような長さでも有効です。デフォルト値は app123 です。

  7. ファイルを保存して閉じます。

  8. データベース接続プールとそれに関連付けられたリソースを再作成します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.jdbcResource.update

    ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。

  9. レジストリ用 Application Server ドメインを停止および再起動します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.bounce

  10. Java DB データベースを起動します。そのためには、次のコマンドを実行します。

    asadmin start-database --dbhome database-directory

    デフォルトでは、このコマンドによってデータベースとそのログファイルはカレントディレクトリに格納されます。--dbhome オプションを使用して、データベースの場所を指定します (通常、これは RegistryDomain-base /3.0/data/registry/soar)。

次の手順

データベースがネットワークサーバーモードで実行中の場合は、データベースのオンラインバックアップを実行できます。

あとで組み込みモードに戻す場合は同じ手順に従いますが、次の点が異なります。

Procedureデータベースのオンラインバックアップを実行する

  1. Service Registry インストールディレクトリに移動します。

    cd ServiceRegistry-base/install

  2. install.properties ファイルのコピー内のプロパティー registry.install.clientDatabase true に設定されていることを確認します。

  3. 次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。

    Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file backup.db

    ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。