このレジストリは、Java DB データベースを使用します。Java DB は、Apache Software Foundation のオープンソースリレーショナルデータベースプロジェクトの商用リリースです。Apache プロジェクトでは Derby と呼ばれています。
デフォルトでは、このデータベースはディレクトリ RegistryDomain-base/3.0/data/registry/soar/ に格納されています。データベースのバックアップは、バックアップの日付を含んだサブディレクトリ名 (たとえば、20060419-004759) とともに、ディレクトリ RegistryDomain-base/3.0/backup/ に格納されています。
デフォルトでは、Java DB データベースは組み込みモードで実行されます。これは、Service Registry と同じ JVM で実行されることと、1 つのクライアント (Service Registry) のみから接続が可能であることを意味します。リモート接続はできません。Java DB が組み込みモードで実行される場合、データベースをバックアップできるのはデータベースの停止中のみです (オフラインバックアップ)。手順については、「データベースのオフラインバックアップを実行する」を参照してください。
レジストリドメインの実行中にデータベースをバックアップすることができる必要がある場合 (オンラインバックアップ)、Java DB データベースをネットワークサーバーモードで実行してください。その手順については、「組み込みモードからネットワークサーバーモードに切り替える」および 「データベースのオンラインバックアップを実行する」を参照してください。
ネットワークサーバーモードで実行される場合、Java DB は、よく知られているクライアント/サーバー構成で複数のクライアント接続を受け入れることができます。たとえば、Service Registry と SQL クライアントの両方が同時に Java DB と通信できます。 ネットワークサーバーモードで実行されるとき、Java DB は、デフォルト値が 1527 のデータベースポートを使用します。Service Registry などのクライアントは、このポートを使ってデータベースと通信します。
Java DB がネットワークサーバーモードで実行されている場合、Service Registry はネットワーククライアントモードで実行されます。
ネットワークサーバーモードで実行されるデータベースは、認証されたクライアントのみが使用できるようにパスワードで保護する必要があります。組み込みモードで実行する場合にも同様の方法でデータベースを保護できますが、そのような保護は必須ではありません。
デフォルトでは、ファイル ServiceRegistry-base /install/install.properties 内のプロパティーは、Java DB が組み込みモードで実行されるように設定されます。表 1–3 は、それらの設定を示しています。
表 1–3 Java DB のデフォルトのプロパティー設定
プロパティー設定 |
説明 |
---|---|
registry.install.clientDatabase=false |
組み込みモードを有効にします |
registry.install.RequireDatabaseAuthentication=false |
データベース認証を必要としません |
registry.install.DatabaseUserID=APP |
ユーザー ID を APP (使用されていない) に設定します |
registry.install.DatabasePassword=app123 |
パスワードを app123 (使用されていない) に設定します |
Java DB の詳細については、the Java DB web siteの Java DB に関するマニュアルを参照してください。
デフォルトでは、データベース認証は必須ではありません。データベースを組み込みモードで実行しているときに認証を要求することは可能です。また、データベースをネットワークサーバーモードで実行中には認証を必須とする必要があります。
Service Registry インストールディレクトリに移動します。
cd ServiceRegistry-base/install
テキストエディタで install.properties ファイルのコピーを開きます。
registry.install.RequireDatabaseAuthentication プロパティーの設定を false から true に変更します。
registry.install.DatabaseUserID プロパティーの設定を編集します。
組み込みモードでは、この値は APP または空のいずれかです。
registry.install.DatabaseUserID=APP
registry.install.DatabaseUserID=
ネットワークサーバーモードでは、この値を APP にしてください。
registry.install.DatabasePassword プロパティーの設定を編集します。
パスワードは 6 文字以上にしてください。デフォルト値は app123 です。
ファイルを保存して閉じます。
レジストリ用 Application Server ドメインを停止および再起動します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.bounce
ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。
データベースを組み込みモードで実行している場合は、オフラインバックアップを実行してください。
Service Registry インストールディレクトリに移動します。
cd ServiceRegistry-base/install
次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.stop
ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。
次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file backup.db
次のコマンドを実行してドメインを再起動します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties=props-file appserver.domain.start
組み込みモード (デフォルト) からネットワークサーバーモードに切り替えるには、registry.install.clientDatabase プロパティーの設定を false から true に変更し、データベース認証を要求します。
このプロパティーを編集してから、データベースリソースを再作成し、Application Server を停止および再起動します。
Service Registry インストールディレクトリに移動します。
cd ServiceRegistry-base/install
テキストエディタで install.properties ファイルのコピーを開きます。
プロパティー registry.install.clientDatabase の設定を false から true に変更します。
registry.install.RequireDatabaseAuthentication プロパティーの設定を false から true に変更します。
必要に応じて、registry.install.DatabaseUserID プロパティーの設定を編集します。
ネットワークサーバーモードでは、この値を APP にしてください。
registry.install.DatabasePassword プロパティーの設定を編集します。
どのような長さでも有効です。デフォルト値は app123 です。
ファイルを保存して閉じます。
データベース接続プールとそれに関連付けられたリソースを再作成します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.jdbcResource.update
ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。
レジストリ用 Application Server ドメインを停止および再起動します。そのためには、次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file appserver.domain.bounce
Java DB データベースを起動します。そのためには、次のコマンドを実行します。
asadmin start-database --dbhome database-directory
デフォルトでは、このコマンドによってデータベースとそのログファイルはカレントディレクトリに格納されます。--dbhome オプションを使用して、データベースの場所を指定します (通常、これは RegistryDomain-base /3.0/data/registry/soar)。
データベースがネットワークサーバーモードで実行中の場合は、データベースのオンラインバックアップを実行できます。
あとで組み込みモードに戻す場合は同じ手順に従いますが、次の点が異なります。
registry.install.clientDatabase プロパティーの設定を true から false に変更します。
データベース認証の要求を停止する場合は、registry.install.RequireDatabaseAuthentication プロパティーの設定を true から false に変更します。
データベース認証を要求し続ける場合は、必要に応じてユーザー ID とパスワードを変更します。registry.install.DatabaseUserID の値は APP または空にしてください。registry.install.DatabasePassword の値はどのような長さにしてかまいません。
手順 10 を実行しないでください。データベースを個別に起動する必要はありません。
Service Registry インストールディレクトリに移動します。
cd ServiceRegistry-base/install
install.properties ファイルのコピー内のプロパティー registry.install.clientDatabase が true に設定されていることを確認します。
次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml Dinstall.properties= props-file backup.db
ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。