Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド

第 19 章 asadmin ユーティリティー

Application Server には、asadmin という名前のコマンド行管理ユーティリティーが含まれています。asadmin ユーティリティーは、Application Server の起動と停止のほかに、ユーザー、リソース、およびアプリケーションの管理にも使用されます。

この章の内容は次のとおりです。

asadmin コマンドの使用法

asadmin ユーティリティーを使用すると、Application Server の管理タスクを実行できます。この asadmin ユーティリティーは、管理コンソールの代わりに使用できます。

asadmin ユーティリティーは、ユーザーの実行する操作やタスクを特定するコマンドを呼び出します。これらのコマンドでは大文字と小文字が区別されます。短形式のオプションの引数にはダッシュ (-) が、長形式のオプションの引数には二重ダッシュ (--) が付いています。オプションによって、ユーティリティーによるコマンドの実行方法を制御します。オプションでも大文字と小文字を区別します。機能のオン/オフを切り替えるブール型のオプションを除いて、大部分のオプションには引数値が必要です。オペランドは引数値の後ろに表示され、空白、タブ、または二重ダッシュ (--) で区切られます。asadmin ユーティリティーでは、オプションとその値の後ろに続くものをオペランドとして処理します。


例 19–1 構文の例

asadmin command [-short_option] [short_option_argument]* [--long_option [long_option_argument]* [operand]*

asadmin create-profiler -u admin --passwordfile password.txt myprofiler


Solaris プラットフォーム上の Application Server の asadmin ユーティリティーコマンドのマニュアルページにアクセスするには、MANPATH 環境変数に $AS_INSTALL/man を追加します。

asadmin ユーティリティーコマンドの全体的な使用法の情報は、--help オプションを呼び出すことで取得できます。コマンドを指定すると、そのコマンドの使用法に関する情報が表示されます。コマンドを指定せずに --help オプションを使用すると、使用可能なすべてのコマンドの一覧が表示されます。


例 19–2 help コマンドの例

asadmin --help では、一般的なヘルプが表示されます。

asadmin command --help では、特定のコマンドのヘルプが表示されます。


ここでは、次の内容について説明します。

マルチモードと対話型モード

asadmin ユーティリティーは、コマンドシェルを呼び出して、またはマルチコマンドモード (multimode コマンドと呼ばれる) で使用できます。コマンドシェルの呼び出しを使用する場合は、コマンドシェルから asadmin ユーティリティーを呼び出します。asadmin がコマンドを実行し、終了します。マルチコマンドモードでは、asadmin が一度呼び出されると、asadmin が終了するまで、複数のコマンドを受け入れます。終了後は通常のコマンドシェルの呼び出しに戻ります。マルチコマンドモードで設定した環境変数は、multimode を終了するまで、あとに続くすべてのコマンドに使用されます。また、あらかじめ準備したコマンドの一覧をファイルまたは標準入力から渡す (パイプする) ことによって、コマンドを提供することもできます。また、マルチモードセッション内から multimode を呼び出すこともできます。2 つ目のマルチモード環境を終了すると、元のマルチモード環境に戻ります。

また、asadmin ユーティリティーは、対話型モードまたは非対話型モードで実行できます。デフォルトでは、対話型モードのオプションが有効になっています。対話型モードでは、必要な引数を入力するように求められます。対話型モードオプションは、すべての環境のコマンドシェルの呼び出しで使用することができます。コマンドプロンプトから一度に 1 つのコマンドを実行したり、ファイルから multimode で実行したりするときは、multimode で対話型モードオプションを使用できます。multimode のコマンド (入力ストリームからパイプされた場合) や、別のプログラムから呼び出されたコマンドは、対話型モードでは実行できません。

ローカルコマンド

ローカルコマンドは、管理サーバーが存在しなくても実行できます。ただし、コマンドを実行したり、インストールディレクトリやドメインディレクトリに対するアクセス権を得たりするには、ドメインをホストしているマシンにユーザーがログインする必要があります。

ローカルまたはリモートで実行できるコマンドの場合、環境内またはコマンド行のどちらかで、--host--port--user、および --passwordfile オプションのいずれか 1 つが設定されていれば、そのコマンドはリモートモードで実行されます。また、コマンド行または環境内で、ローカルオプションが何も設定されていない場合でも、デフォルトでコマンドはローカルで実行されます。

リモートコマンド

リモートコマンドの実行は、管理サーバーに接続してコマンドを実行することによって常に行われます。稼働中の管理サーバーが必要です。すべてのリモートコマンドで、次の共通オプションが必須になります。

表 19–1 リモートコマンドの必須オプション

短形式のオプション 

オプション 

定義 

-H

--host

ドメイン管理サーバーの稼働しているマシン名。デフォルト値は、localhost です。 

-p

--port

管理用の HTTP/S ポート。これは、ドメインを管理するためにブラウザで指定するポートです。たとえば、http://localhost:4848 などです。Platform Edition のデフォルトのポート番号は 4848 です。

-u

--user

認証されたドメイン管理サーバーの管理ユーザー名。asadmin login コマンドを使用してドメインに対して認証を行った場合、その後の操作では、この特定のドメインに対して --user オプションを指定する必要はありません。

 

--passwordfile

-‐passwordfile オプションは、特定の形式でパスワードエントリを格納しているファイルの名前を指定します。パスワードのエントリには、パスワード名の前に AS_ADMIN_ というプレフィックス (大文字) を付ける必要があります。

たとえば、ドメイン管理サーバーのパスワードを指定するには、次の形式のエントリを使用します。AS_ADMIN_PASSWORD=password (この password は実際の管理者パスワード)。その他の指定できるパスワードには、AS_ADMIN_PASSWORDAS_ADMIN_USERPASSWORDAS_ADMIN_ALIASPASSWORDAS_ADMIN_MAPPEDPASSWORD などがあります。

すべてのリモートコマンドでは、-‐passwordfile または asadmin login を使用するか、コマンドプロンプトによる対話形式で、ドメイン管理サーバーに対して認証を行うための管理パスワードを指定する必要があります。asadmin login コマンドを使用するのは、管理パスワードを指定するときだけです。リモートコマンド用に指定する必要があるその他のパスワードについては、-‐passwordfile を使用するか、コマンドプロンプトで入力します。

asadmin login コマンドを使用してドメインに対して認証を行った場合、その後の操作では、この特定のドメインに対して -‐passwordfile オプションを使用して管理パスワードを指定する必要はありません。ただし、これは AS_ADMIN_PASSWORD オプションにしか適用されません。なお、個別のコマンド (update-file-user など) が要求する場合は、その他のパスワード (AS_ADMIN_USERPASSWORD など) を指定する必要があります。

セキュリティー上の理由により、環境変数として指定されたパスワードは、asadmin によって読み取られません。

-s

--secure

true に設定した場合、SSL/TLS を使用してドメイン管理サーバーと通信します。 

-I

--interactive

true (デフォルト) に設定した場合、必須パスワードとユーザーオプションのみの入力が要求されます。 

-t

--terse

出力データを簡潔にすることを示します。通常、人間が読みやすい文を避けて、スクリプトで使用するために整形されたデータを優先します。デフォルトは false です。 

-e

--echo

true に設定すると、コマンド行の文が標準出力にエコーされます。デフォルトは false です。 

-h

--help

コマンドに関するヘルプテキストが表示されます。 

パスワードファイル

セキュリティーのため、コマンド行でパスワードを入力する代わりに、ファイルからコマンドのパスワードを設定することができます。--passwordfile オプションを使用すると、パスワードを格納したファイルを取得できます。このファイルの有効な内容は次のとおりです。


例 19–3 パスワードファイルの内容


AS_ADMIN_PASSWORD=value
AS_ADMIN_ADMINPASSWORD=value
AS_ADMIN_USERPASSWORD=value
AS_ADMIN_MASTERPASSWORD=value

multimode コマンド

multimode コマンドを使用すると、asadmin コマンドを処理できます。コマンド行インタフェースによってコマンドの入力が求められます。入力されたコマンドが実行され、コマンドの結果が表示されたあと、次のコマンドの入力が求められます。さらに、このモードで設定されたすべての asadmin オプション名は、後続のすべてのコマンドで使用されます。exit または quit を入力して multimode を終了するまで、環境を設定したり、コマンドを実行することができます。また、あらかじめ準備したコマンドの一覧をファイルまたは標準入力から渡す (パイプする) ことによって、コマンドを提供することもできます。multimode セッション内から multimode を呼び出すことができます。2 つ目の multimode 環境を終了すると、元の multimode 環境に戻ります。

multimode を呼び出すには、asadmin multimode と入力します。

list、get、set コマンド

asadmin listget、および set コマンドは、Application Server のドット表記名の階層にナビゲーションメカニズムを提供するために、連携して動作します。階層には、設定監視 の 2 つがあり、これらのコマンドは両方の階層に対して機能します。list コマンドでは、読み取り専用または変更可能な属性を持つ管理コンポーネントの完全修飾のドット表記名で表示されます。

設定階層は、変更可能な属性を提供します。一方、監視階層にある管理コンポーネントの属性は純粋に読み取り専用です。設定階層は、大まかにドメインのスキーマドキュメントに基づいていますが、監視階層は少し異なっています。

list コマンドを使用すると、必要な階層内の特定の管理コンポーネントに到達できます。次に、get および set コマンドを呼び出すと、すぐに管理コンポーネントの属性の名前と値を取得したり、値を設定することができます。ワイルドカード (*) オプションを使用すると、指定した完全修飾のドット表記名の中から、一致するものをすべて取得できます。

Application Server のドット表記名では、名前全体を複数部分に分けるための区切り文字として「.」(ピリオド) を使用します。これは、Unix ファイルシステムで、ファイルの絶対パス名のレベルを「/」を使用して区切る方法と同じです。getset、および list コマンドによって受け入れられるドット表記名を形成する場合、次の規則が適用されます。特定のコマンドには追加のセマンティクスが適用されることに留意してください。

list コマンドは、これら 3 つのコマンドのナビゲーション機能では、必ず最初に来るものです。特定のアプリケーションサーバーのサブシステムの属性を set (設定) または get (取得) する場合は、そのドット表記名を知っておく必要があります。list コマンドを使用すると、サブシステムのドット表記名を見つけることができます。たとえば、/ で始まる大規模なファイルシステム内の特定のファイルの変更日 (属性) を検索する場合を考えます。最初に、そのファイルのファイルシステム内での場所を検索し、その属性を確認する必要があります。したがって、Application Server の階層を理解するための最初の 2 つのコマンドは、* list "*"<command>* list * -‐monitor になります。これらのコマンドのソートされた出力を確認するには、getset、または list コマンドのマニュアルページを参照してください。

サーバーのライフサイクルコマンド

サーバーのライフサイクルコマンドとは、ドメイン、サービス (DAS)、またはインスタンスを、作成、削除、起動、または停止するコマンドのことです。

表 19–2 サーバーのライフサイクルコマンド

コマンド 

定義 

create-service

無人の自動起動によって DAS が起動されるように設定します。このコマンドは、Solaris 10 では Service Management Facility (SMF) を使用します。これはローカルコマンドで、スーパーユーザー権限のある OS レベルのユーザーとして実行する必要があります。これは Solaris 10 でのみ使用可能です。サービスが作成されたら、ユーザーがサービスを起動、有効化、無効化、または停止する必要があります。DAS は、スーパーユーザーがアクセス権を持つフォルダに格納する必要があります。設定をネットワークファイルシステムに格納することはできません。サービスは、DAS の設定の存在するフォルダを所有する OS レベルのユーザーによって制御されるように作成されます。このコマンドを実行するには、solaris.smf.* の承認が必要です。

create-domain

ドメインの設定を作成します。ドメインとは管理用の名前空間のことです。どのドメインにも設定があり、その設定は一連のファイルに格納されます。Application Server の所定のインストールでは、任意の数のドメインを作成できます。それぞれのドメインには個別の管理アイデンティティーが与えられます。ドメインは、1 つずつ独立して存在しています。所定のシステムの asadmin ユーティリティーに対してアクセス権を持つユーザーは、ドメインを作成し、自分の選択するフォルダにその設定を格納することができます。デフォルトでは、ドメイン設定は install_dir/domains ディレクトリに作成されます。この場所をオーバーライドして、別の場所に設定を格納することもできます。

delete-domain

指定したドメインを削除します。ドメインはすでに存在して、停止している必要があります。 

start-domain

ドメインを起動します。ドメインのディレクトリが指定されていない場合は、デフォルトの install_dir/domains ディレクトリにあるドメインが起動します。複数のドメインが存在する場合、domain_name オペランドを指定する必要があります。

stop-domain

指定したドメインのドメイン管理サーバーを停止します。 

restore-domain

ドメイン下のファイルをバックアップディレクトリから復元します。 

list-domains

ドメインを一覧表示します。ドメインのディレクトリが指定されていない場合は、デフォルトの install_dir/domains ディレクトリにあるドメインが表示されます。複数のドメインが存在する場合、domain_name オペランドを指定する必要があります。

backup-domain

指定したドメイン下のファイルをバックアップします。 

list-backups

バックアップリポジトリ内のすべてのバックアップに関するステータス情報を表示します。 

shutdown

管理サーバーと実行中のすべてのインスタンスをシャットダウンします。再起動するには、管理サーバーを手動で起動させる必要があります。 

リストおよびステータスコマンド

リストおよびステータスコマンドは、配備されたコンポーネントのステータスを表示します。

表 19–3 リストおよびステータスコマンド

コマンド 

定義 

show-component-status

配備されたコンポーネントのステータスを取得します。ステータスは、サーバーから返された文字列で表現されます。ステータスを表す文字列は、app-name のステータスは enabled である、または app-name のステータスは disabled である、と表現されます。

list-components

配備されたすべての Java EE 5 コンポーネントを一覧表示します。--type オプションが指定されていない場合は、すべてのコンポーネントが表示されます。

list-sub-components

配備されたモジュール内か、配備されたアプリケーションのモジュール内にある EJB または サーブレットを一覧表示します。モジュールが指定されていない場合は、すべてのモジュールが表示されます。 

配備コマンド

配備コマンドは、アプリケーションを配備したり、クライアントスタブを取得したりします。

表 19–4 配備コマンド

コマンド 

定義 

deploy

エンタープライズアプリケーション、Web アプリケーション、EJB モジュール、コネクタモジュール、またはアプリケーションクライアントモジュールを配備します。コンポーネントがすでに配備済みであるか、すでに存在している場合、-‐force オプションが true に設定されていれば、強制的に再配備されます。

deploydir

アプリケーションを配備ディレクトリから直接配備します。配備ディレクトリには、Java EE 仕様に準拠する適切なディレクトリ階層と配備記述子が存在していなければなりません。 

get-client-stubs

AppClient スタンドアロンモジュールまたは AppClient モジュールを含むアプリケーション用のクライアントスタブ JAR ファイルを、サーバーマシンからローカルディレクトリに取得します。このコマンドを実行する前に、アプリケーションまたはモジュールを配備済みにしてください。--retrieve オプションを使用して deploy コマンドの一部としてクライアントスタブを取得することもできます。

undeploy

指定した配備済みのコンポーネントを削除します。 

Message Queue 管理コマンド

Message Queue 管理コマンドを使用すると、JMS 送信先を管理できます。

表 19–5 Message Queue コマンド

コマンド 

定義 

create-jmsdest

JMS 物理送信先を作成します。物理送信先とともに、create-jms-resource コマンドを使用して、物理送信先を指定する Name プロパティーを持つ JMS 送信先リソースを作成します。

delete-jmsdest

指定した JMS 送信先を削除します。 

flush-jmsdest

指定したターゲットの JMS サービス設定の物理送信先から、メッセージをパージします。 

list-jmsdest

JMS 物理送信先を一覧表示します。 

jms-ping

JMS サービス (JMS プロバイダとも呼ばれる) が起動して稼働中かどうかを確認します。JMS サービスは、デフォルトでは Application Server の起動時に起動します。また、このコマンドは JMS サービス内のデフォルトの JMS ホストのみを ping します。組み込まれている JMS サービスに ping できない場合には、エラーメッセージが表示されます。 

リソース管理コマンド

リソースコマンドを使用すると、アプリケーション内で使用されているさまざまなリソースを管理できます。

表 19–6 リソース管理コマンド

コマンド 

定義 

create-jdbc-connection-pool

新しい JDBC 接続プールを、指定した JDBC 接続プール名で登録します。 

delete-jdbc-connection-pool

JDBC 接続プールを削除します。削除する JDBC 接続プールは、オペランドによって特定されます。 

list-jdbc-connection-pools

作成済みの JDBC 接続プールを取得します。 

create-jdbc-resource

JDBC リソースを新規作成します。 

delete-jdbc-resource

指定した JNDI 名の JDBC リソースを削除します。 

list-jdbc-resources

作成済みの JDBC リソースの一覧を表示します。 

create-jms-resource

Java Message Service (JMS) 接続ファクトリリソースまたは JMS 送信先リソースを作成します。 

delete-jms-resource

指定した JMS リソースを削除します。 

list-jms-resources

既存の JMS リソース (送信先および接続ファクトリリソース) を一覧表示します。 

create-jndi-resource

JNDI リソースを登録します。 

delete-jndi-resource

指定した JNDI 名の JNDI リソースを削除します。 

list-jndi-resources

既存のすべての JNDI リソースを特定します。 

list-jndi-entries

JNDI ツリーを表示して照会します。 

create-javamail-resource

JavaMail セッションリソースを作成します。 

delete-javamail-resource

指定した JavaMail セッションリソースを削除します。 

list-javamail-resources

既存の JavaMail セッションリソースを一覧表示します。 

create-persistence-resource

持続性リソースを登録します。 

delete-persistence-resource

持続性リソースを削除します。持続性リソースを削除すると、create-persistence-resource コマンドを使用して作成された JDBC リソースも一緒に削除されます。

list-persistence-resources

すべての持続性リソースを表示します。 

create-custom-resource

カスタムリソースを作成します。カスタムリソースは、javax.naming.spi.ObjectFactory インタフェースを実装する、サーバー規模のカスタムリソースオブジェクトファクトリを指定します。

delete-custom-resource

カスタムリソースを削除します。 

list-custom-resources

カスタムリソースを一覧表示します。 

create-connector-connection-pool

指定した接続プール名で新しいコネクタ接続プールを追加します。 

delete-connector-connection-pool

オペランド connector_connection_pool_name を使用して指定したコネクタ接続プールを削除します。

list-connector-connection-pools

作成済みのコネクタ接続プールを一覧表示します。 

create-connector-resource

指定した JNDI 名でコネクタリソースを登録します。 

delete-connector-resource

指定した JNDI 名のコネクタリソースを削除します。 

list-connector-resources

すべてのコネクタリソースを取得します。 

create-admin-object

指定した JNDI 名の管理対象オブジェクトを追加します。 

delete-admin-object

指定した JNDI 名の管理対象オブジェクトを削除します。 

list-admin-objects

すべての管理対象オブジェクトを一覧表示します。 

create-resource-adapter-config

コネクタモジュールの設定情報を作成します。 

delete-resource-adapter-config

domain.xml に作成されたコネクタモジュールの設定情報を削除します。

list-resource-adapter-configs

domain.xml 内のコネクタモジュールの設定情報を一覧表示します。

add-resources

指定した XML ファイル内に指定したリソースを作成します。xml_file_path は、作成するリソースを格納する XML ファイルへのパスです。DOCTYPE は、resources.xml ファイル内で install_dir/lib/dtds/sun-resources_1_2.dtd と指定するようにしてください。

ping-connection-pool

JDBC 接続プールとコネクタ接続プールの両方に対して、接続プールが使用可能かどうかをテストします。たとえば、後で配備する予定のアプリケーション用に JDBC 接続プールを新規作成した場合、そのアプリケーションを配備する前にこのコマンドを使用して JDBC プールをテストします。接続プールに ping する前に、認証された接続プールを作成し、Application Server またはデータベースが起動していることを確認する必要があります。 

Application Server の設定コマンド

設定コマンドを使用すると、Application Server の操作を設定できます。ここでは、次の内容について説明します。

一般的な設定コマンド

ここで説明するコマンドによって、Application Server コンポーネントの設定を管理することができます。

表 19–7 一般的な設定コマンド

コマンド 

定義 

enable

指定したコンポーネントを有効にします。コンポーネントがすでに有効になっている場合は、再有効化されます。有効にするには、コンポーネントが配備済みである必要があります。コンポーネントが配備済みでない場合は、エラーメッセージが返されます。 

disable

指定したコンポーネントを即座に無効にします。コンポーネントが配備済みである必要があります。コンポーネントが配備済みでない場合は、エラーメッセージが返されます。 

export

後続のコマンド環境に対して、自動エクスポートの変数名にマークを付けます。指定した変数名の値を unset するか、multimode を終了しないかぎり、後続のコマンドはすべてその変数名の値を使用します。

get

属性の名前と値を取得します。 

set

1 つ以上の設定可能な属性の値を設定します。 

list

設定可能な要素を一覧表示します。Solaris で、* をオプション値やオペランドとして使用してコマンドを実行する場合は、引用符が必要です。

unset

マルチモード環境に対して設定した 1 つ以上の変数を削除します。変数と変数に関連付けられた値は、その環境内に存在しなくなります。 

HTTP、IIOP、および SSL リスナーコマンド

HTTP および IIOP リスナーコマンドを使用して、リスナーを管理することができます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–8 IIOP リスナーコマンド

コマンド 

定義 

create-http-listener

新しい HTTP リスナーを追加します。 

delete-http-listener

指定した HTTP リスナーを削除します。 

list-http-listeners

既存の HTTP リスナーを一覧表示します。 

create-iiop-listener

IIOP リスナーを作成します。 

delete-iiop-listener

指定した IIOP リスナーを削除します。 

list-iiop-listeners

既存の IIOP リスナーを一覧表示します。 

create-ssl

選択した HTTP リスナー、IIOP リスナー、または IIOP サービス内で SSL 要素を作成および設定し、そのリスナーまたはサービス上でセキュリティー保護された通信ができるようにします。 

delete-ssl

選択した HTTP リスナー、IIOP リスナー、または IIOP サービス内の SSL 要素を削除します。 

ライフサイクルおよび監査モジュールコマンド

ライフサイクルおよび監査モジュールコマンドを使用すると、ライフサイクルモジュールや、監査機能を実装するオプションのプラグインモジュールを制御できるようになります。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–9 ライフサイクルモジュールコマンド

コマンド 

定義 

create-lifecycle-module

ライフサイクルモジュールを作成します。ライフサイクルモジュールによって、Application Server 環境内で短期または長期の Java ベースのタスクを実行する手段が提供されます。 

delete-lifecycle-module

指定したライフサイクルモジュールを削除します。 

list-lifecycle-modules

既存のライフサイクルモジュールを一覧表示します。 

create-audit-module

監査機能を実装するプラグインモジュール用に、指定した監査モジュールを追加します。 

delete-audit-module

指定した監査モジュールを削除します。 

list-audit-modules

すべての監査モジュールを一覧表示します。 

プロファイラおよび JVM オプションコマンド

プロファイラおよび JVM オプションコマンドを使用すると、プロファイラを管理し、プロファイラの要素を制御することができます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–10 プロファイラおよび JVM オプションコマンド

コマンド 

定義 

create-profiler

プロファイラ要素を作成します。サーバーインスタンスは、Java 設定内のプロファイラ要素によって、特定のプロファイラと連動しています。プロファイラの変更時には、サーバーを再起動する必要があります。 

delete-profiler

指定したプロファイラ要素を削除します。サーバーインスタンスは、Java 設定内のプロファイラ要素によって、特定のプロファイラと連動しています。プロファイラの変更時には、サーバーを再起動する必要があります。 

create-jvm-option

Java 設定または domain.xml ファイルのプロファイラ要素に、JVM オプションを作成します。プロファイラ用に作成された JVM オプションは、特定のプロファイラの実行に必要な設定を記録するために使用されます。新しく作成した JVM オプションを有効にするには、サーバーを再起動する必要があります。

delete-jvm-option

Java 設定または domain.xml ファイルのプロファイラ要素から、JVM オプションを削除します。

仮想サーバーコマンド

仮想サーバーコマンドを使用すると、次のような要素を制御できます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–11 仮想サーバーコマンド

コマンド 

定義 

create-virtual-server

指定した仮想サーバーを作成します。Application Server で仮想化を行うことで、複数のホストアドレス上で待機している 1 つの HTTP サーバープロセスによって、複数の URL ドメインを処理できるようになります。アプリケーションを 2 つの仮想サーバーで使用できる場合は、同じ物理リソースプールを共有します。 

delete-virtual-server

指定した仮想サーバー ID の仮想サーバーを削除します。 

list-virtual-server

既存の仮想サーバーを一覧表示します。 

スレッドプールコマンド

スレッドプールコマンドを使用すると、次のような要素を制御できます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–12 スレッドプールコマンド

コマンド 

定義 

create-threadpool

指定した名前付きのスレッドプールを作成します。プール内のスレッドの最大数および最小数、作業キューの数、およびスレッドのアイドルタイムアウトを指定できます。作成したスレッドプールは、IIOP 要求やリソースアダプタの作業管理要求のサービスに使用できます。作成したスレッドプールは、複数のリソースアダプタで使用できます。 

delete-threadpool

指定した ID のスレッドプールを削除します。 

list-threadpools

すべてのスレッドプールを一覧表示します。 

トランザクションおよびタイマーコマンド

トランザクションおよびタイマーコマンドを使用すると、トランザクションおよびタイマーサブシステムを制御できます。これによって、実行中のトランザクションを中断できるようになります。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–13 トランザクションコマンド

コマンド 

定義 

freeze-transaction

実行中のすべてのトランザクションが中断している間、トランザクションサブシステムを凍結します。このコマンドは、実行中のトランザクションをロールバックする前に呼び出します。すでに凍結しているトランザクションサブシステムに対してこのコマンドを呼び出しても、効果はありません。 

unfreeze-transaction

中断していた実行中のすべてのトランザクションを再開します。このコマンドは、すでに凍結しているトランザクションに対して呼び出します。 

recover-transactions

保留中のトランザクションを手動で回復します。 

rollback-transaction

指定したトランザクションをロールバックします。 

list-timers

特定のサーバーインスタンスに備えられたタイマーを一覧表示します。 

ユーザー管理コマンド

ユーザー管理コマンドは、ファイルレルム認証によってサポートされているユーザーを管理します。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–14 ユーザー管理コマンド

コマンド 

定義 

create-file-user

指定したユーザー名、パスワード、およびグループで、キーファイル内にエントリを作成します。コロン (:) で区切ることによって、複数のグループを作成することもできます。

delete-file-user

指定したユーザー名のエントリをキーファイル内から削除します。 

update-file-user

指定した user_nameuser_password、およびグループを使用して、キーファイル内の既存のエントリを更新します。コロン (:) で区切ることによって、複数のグループを入力することもできます。

list-file-users

ファイルレルム認証によってサポートされているファイルユーザーの一覧を作成します。 

list-file-groups

ファイルレルム認証によってサポートされているユーザーおよびグループを一覧表示します。このコマンドでは、ファイルユーザー内の使用可能なグループが表示されます。 

監視データコマンド

監視データコマンドを使用すると、サーバーを監視することができます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–15 監視データコマンド

コマンド 

定義 

start-callflow-monitoring

Web コンテナ、EJB コンテナ、および JDBC からデータを収集して相互に関連付け、要求の完全な呼び出しフロー/パスを提示します。callflow-monitoring がオンの場合のみ、データは収集されます。

stop-callflow-monitoring

要求の呼び出しフロー情報の収集を無効にします。 

ルールコマンド

ルールコマンドを使用すると、サーバーの規則を管理できます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–16 ルールコマンド

コマンド 

定義 

create-management-rule

Application Server インストールや配備済みのアプリケーションをインテリジェントに自己管理するために、新しい管理規則を作成します。 

delete-management-rule

指定した管理規則を削除します。 

list-management-rules

使用可能な管理規則を一覧表示します。 

データベースコマンド

データベースコマンドを使用すると、Java DB データベース (Apache Derby に基づく) を起動および停止することができます。これらのコマンドは、ローカルモードのみでサポートされています。

表 19–17 データベースコマンド

コマンド 

定義 

start-database 

Application Server で使用可能な Java DB サーバーを起動します。このコマンドは、Application Server に配備されたアプリケーションの操作に対してのみ使用します。 

stop-database 

Java DB サーバーのプロセスを停止します。Java DB サーバーは Application Server で使用できます。 

診断およびロギングコマンド

診断およびロギングコマンドは、Application Server による問題のトラブルシューティングに役立ちます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–18 診断およびロギングコマンド

コマンド 

定義 

generate-diagnostic-report

生成される HTML レポートには、アプリケーションサーバーインスタンスの設定詳細、ロギング詳細、またはプロセス固有の情報などの、アプリケーションサーバーのインストールの詳細情報へのポインタまたはナビゲーションリンクが含まれます。 

generate-jvm-report

Domain Administration Service を含む、所定のターゲットインスタンスのスレッド (スタックトレースのダンプ)、クラス、およびメモリを表示します。このコマンドは、アプリケーションサーバーインスタンスプロセスでのみ機能します。このコマンドは、アプリケーションサーバープロセスへの ctrl+break または kill -3 信号の送信などの従来の手法に代わるものです。ターゲットサーバーインスタンスが実行されていない場合、このコマンドは機能しません。

display-error-statistics

前回のサーバーの再起動以降の server.log 内の重要なメッセージや警告を要約して一覧表示します。

display-error-distribution

モジュールレベルでインスタンスの server.log から配布されたエラーを表示します。

display-log-records

指定のタイムスタンプでの所定のモジュールに関するすべてのエラーメッセージを表示します。 

Web サービスコマンド

Web サービスコマンドを使用すると、配備された Web サービスを監視し、変換規則を管理することができます。

表 19–19 Web サービスコマンド

コマンド 

定義 

configure-webservice-management

配備された Web サービスエンドポイントの監視属性または maxhistorysize 属性を設定します。

create-transformation-rule

Web サービス操作に適用できる XSLT 変換規則を作成します。この規則は、要求、応答、またはその両方に適用できます。 

delete-transformation-rule

指定した Web サービスの XSLT 変換規則を削除します。 

list-transformation-rules

指定した Web サービスのすべての変換規則を、適用された順に一覧表示します。 

publish-to-registry

レジストリサーバーに Web サービスのアーティファクトを発行します。 

unpublish-from-registry

レジストリサーバーから Web サービスのアーティファクトの発行を解除します。 

list-registry-locations

設定済みの Web サービスエントリのアクセスポイントの一覧を表示します。 

セキュリティーサービスコマンド

次のセキュリティーコマンドを使用して、コネクタ接続プールのセキュリティーマッピングを制御します。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–20 セキュリティーコマンド

コマンド 

定義 

create-connector-security-map

指定したコネクタ接続プールのセキュリティーマップを作成します。セキュリティーマップが存在しない場合は、新規に作成されます。また、コンテナ管理のトランザクションベースのシナリオでは、このコマンドを使用して、アプリケーションの呼び出し側アイデンティティー (主体またはユーザーグループ) を適切なエンタープライズ情報システム (EIS) の主体にマップします。1 つ以上の指定したセキュリティーマップをコネクタ接続プールに関連付けることができます。コネクタセキュリティーマップの設定では、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用し、すべてのユーザーまたはすべてのユーザーグループを示すことができます。このコマンドを正常に実行するためには、最初にコネクタ接続プールを作成しておく必要があります。EIS は、組織のデータを保持する任意のシステムです。メインフレーム、メッセージングシステム、データベースシステム、またはアプリケーションがこれに使用できます。

delete-connector-security-map

指定したコネクタ接続プールのセキュリティーマップを削除します。 

update-connector-security-map

指定したコネクタ接続プールのセキュリティーマップを変更します。 

list-connector-security-maps

指定したコネクタ接続プールに属するセキュリティーマップを一覧表示します。 

create-message-security-provider

管理者は、特定のメッセージ層 (Application Server のパラメータおよびプロパティーを指定するファイル domain.xmlmessage-security-config 要素) の provider-config サブ要素を作成できます。

delete-message-security-provide

管理者は、特定のメッセージ層 (Application Server のパラメータおよびプロパティーを指定するファイル domain.xmlmessage-security-config 要素) の provider-config サブ要素を削除できます。

list-message-security-providers

管理者は、特定のメッセージ層 (domain.xmlmessage-security-config 要素) のすべてのセキュリティーメッセージプロバイダ (provider-config サブ要素) を一覧表示できます。

create-auth-realm

名前付き認証レルムを追加します。 

delete-auth-realm

名前付き認証レルムを削除します。 

list-auth-realms

既存の認証レルムを一覧表示します。 

パスワードコマンド

パスワードコマンドを使用すると、パスワードを管理して、Application Server のセキュリティーを確保することができます。

表 19–21 パスワードコマンド

コマンド 

定義 

create-password-alias

パスワードのエイリアスを作成し、これを domain.xml に格納します。エイリアスは、${ALIAS=password-alias-password} という形式のトークンです。エイリアス名に対応するパスワードは、暗号化形式で格納されます。このコマンドでは、セキュリティー保護された対話型形式 (ユーザーがすべての情報の入力を求められる) と、スクリプトの処理しやすい形式 (パスワードがコマンド行で伝送される) の両方の形式が使用できます。

delete-password-alias

パスワードのエイリアスを削除します。 

update-password-alias

名前付きターゲットにあるパスワードのエイリアス ID を更新します。 

list-password-aliases

すべてのパスワードのエイリアスを一覧表示します。 

change-admin-password

このリモートコマンドは、管理パスワードを変更します。このコマンドは対話型で、ユーザーは元の管理パスワードと新しい管理パスワードの両方の入力を求められます (確認入力も必要です)。 

change-master-password

このローカルコマンドを使用して、マスターパスワードを変更します。このコマンドは対話型で、ユーザーは元のマスターパスワードと新しいマスターパスワードの両方の入力を求められます。サーバーが停止していないかぎり、このコマンドは機能しません。 

domain.xml の検証コマンド

XML 検証コマンドは、domain.xml ファイルの内容を検証します。

表 19–22 domain.xml の検証コマンド

コマンド 

定義 

verify-domain-xml

domain.xml ファイルの内容を検証します。

カスタム MBean コマンド

MBean コマンドを使用すると、カスタム MBean を管理および登録できます。これらのコマンドは、リモートモードのみでサポートされています。

表 19–23 カスタム MBean コマンド

コマンド 

定義 

create-mbean

カスタム MBean を作成および登録します。ターゲットの MBeanServer (DAS) が実行されていない場合は、MBean は登録されません。

delete-mbean

カスタム MBean を削除します。ターゲットの MBeanServer が実行されていることを確認します。

list-mbeans

指定したターゲットのカスタム MBean を一覧表示します。 

その他のコマンド

その他のコマンドを使用すると、Application Server の各種項目を管理できます。

表 19–24 その他のコマンド

コマンド 

定義 

login

ユーザーをドメインにログインさせます。(ローカルの) 各種マシン上でさまざまなアプリケーションサーバードメインが作成されている場合、これらの中の任意のマシンから asadmin を呼び出すことによって、任意の場所にあるドメインを (リモートで) 管理することができます。この機能は、特定のマシンが管理クライアントとして選択されており、そのマシンが複数のドメインやサーバーを管理しているような場合に特に役立ちます。任意の場所にあるドメインを管理するために使用される asadmin コマンドは、リモートコマンドと呼ばれます。asadmin login コマンドを使用すると、このようなリモートドメインの管理が簡単になります。login コマンドは対話型モードのみで実行されます。ここでは、管理ユーザー名とパスワードの入力が求められます。正常にログインしたら、ユーザーのホームディレクトリにファイル .asadminpass が作成されます。これは、-‐savelogin オプションの使用時に create-domain コマンドによって変更されるファイルと同じものです。このコマンドを実行するには、ドメインが実行されている必要があります。

version

バージョン情報を表示します。このコマンドによって、特定のユーザー/パスワード、およびホスト/ポートを使用して管理サーバーと通信できない場合は、ローカルでバージョンを取得し、警告メッセージを表示します。 

help

すべての asadmin ユーティリティーコマンドの一覧を表示します。コマンドを指定すると、そのコマンドの使用方法が表示されます。

install-license

Application Server の不正な使用を防止します。このコマンドを使用すると、ライセンスファイルをインストールできます。