Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド

JConsole の使用

ここでは、次の内容について説明します。

Application Server の管理と監視は、JMX をベースにしています。つまり、管理対象コンポーネントは、MBean で表されます。Java 2 Standard Edition (J2SE) 5.0 を使用すると、JVM を監視したり、JVM MBean を表示したりして、状況を理解することができます。このインストゥルメンテーションを公開するために、Application Server ではシステム JMX コネクタサーバーという標準 JMX コネクタサーバーの設定を提供します。Application Server の起動時に、この JMX コネクタサーバーのインスタンスを起動し、信頼できるクライアントにインストゥルメンテーションを公開します。

Java Monitoring and Management Console (JConsole) は、JMX バックエンドを管理できる一般的な JMX コネクタです。JConsole (http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/tooldocs/share/jconsole.html) は、J2SE 5.0 からの標準 JDK ディストリビューションの一部として利用できます。JConsole の詳細は、http://java.sun.com/developer/technicalArticles/J2SE/jconsole.htmlを参照してください。

Application Server で使用できるように JConsole を設定すると、Application Server は JMX コネクタのサーバー側となり、JConsole は JMX コネクタの優先クライアント側となります。

JConsole から Application Server への接続のセキュリティーを有効にする

Application Server 、つまりJMX コネクタサーバー側への接続方法は、接続のトランスポート層のセキュリティーによって若干異なります。サーバー側がセキュリティー保護されている (トランスポート層のセキュリティーが保証されている) 場合、クライアント側で実行する設定があります。

Platform Edition ドメインを appserver.sun.com のようなマシンにインストールすると、管理サーバーまたは単にドメインである DAS (ドメイン管理サーバー) の domain.xml に次のようなエントリが含まれます。

<!- – The JSR 160 "system-jmx-connector" – –><jmx-connector accept-all="false" address="0.0.0.0" auth-realm-name="admin-realm" enabled="true" name="system" port="8686" protocol="rmi_jrmp" security-enabled="false"/> <!- – The JSR 160 "system-jmx-connector" – –>

JMX コネクタの security-enabled フラグは false です。Enterprise Edition が稼働している場合、または Platform Edition の JMX コネクタのセキュリティーを有効にした場合、このフラグは true に設定されます。

<!- – The JSR 160 "system-jmx-connector" – –><jmx-connector accept-all="false" address="0.0.0.0" auth-realm-name="admin-realm" enabled="true" name="system" port="8686" protocol="rmi_jrmp" security-enabled="true"/> ...</jmx-connector><!- – The JSR 160 "system-jmx-connector" – –>

JConsole を Application Server に接続する前提条件

JConsole の設定は、2 つに分かれます。サーバー側とクライアント側です。Application Server ドメインは、強力な Solaris サーバーであるappserver.sun.com と呼ばれるマシンにインストールされます。これがサーバー側です。

クライアント側にも Application Server のインストールがあります。ここでは、クライアント側は Windows マシンで、Java SE 5.0 と Application Server がインストールされているものとします。


注 –

クライアント側で Application Server のインストールが必要になるのは、Application Server ドメインのリモートマシン上でセキュリティーが有効な場合 (Enterprise Edition のデフォルト) だけです。前述の Solaris マシンで Application Server Platform Edition ドメインを管理する場合、このクライアントマシンに Application Server のインストールは必要ありません。


同じマシン上にサーバー側とクライアント側がある場合、localhost を使用してホスト名を指定できます。

JConsole を Application Server に接続する

この節では、JMX コネクタでセキュリティーを有効にしないで JConsole を Application Server に接続する方法について説明します。デフォルトでは、Application Server Platform Edition でセキュリティーは有効ではありません。

  1. appserver.sun.com でドメインを起動します。

  2. JDK_HOME/bin/jconsole を実行して JConsole を起動します。

  3. JConsole の「エージェントに接続」タブで、ユーザー名、パスワード、ホスト名、およびポート (デフォルトは 8686) を入力します。

    ユーザー名は管理ユーザーの名前、パスワードはドメインの管理パスワードを参照します。

  4. 「接続」をクリックします。

    JConsole ウィンドウの各種タブに、MBean、VM 情報などが表示されます。

安全に JConsole を Application Server に接続する

この節では、JMX コネクタでセキュリティーを有効にして JConsole を Application Server に接続する方法について説明します。デフォルトでは、Application Server Enterprise Edition でセキュリティーは有効です。この手順は、Platform Edition の JMX コネクタでセキュリティーを有効にした場合に使用してください。

  1. クライアントマシン (JConsole がインストールされている) に Application Server をインストールします。

    この作業が必要になるのは、信頼するドメイン管理サーバーのサーバー証明書の場所を JConsole に対して通知するためです。この証明書を取得するには、remote asadmin コマンドを 1 回以上呼び出しますが、そのためには Application Server のローカルインストールが必要です。

  2. appserver.sun.com で Application Server Enterprise Edition を起動します。

    これは Enterprise Edition ドメインであるため、システム JMX コネクタサーバーはセキュリティー保護されています。

  3. ローカル Application Server インストールから install-dir/bin/asadmin list --user admin --secure=true --host appserver.sun.com --port 4849 を実行します。4849 はサーバーの管理ポートです。

    この例では asadmin list コマンドを選択していますが、任意のリモート asadmin コマンドを実行できます。ここで、appserver.sun.com の DAS から送信される証明書を受け入れることを要求されます。

  4. y を押して、appserver.sun.com のドメイン管理サーバーから送信される証明書を受け入れます。

    サーバーの証明書は、クライアントマシンのホームディレクトリにある .asadmintruststore ファイルに格納されます。


    注 –

    サーバーマシンとクライアントマシンが同じである場合、この手順は必要ありません。つまり、JConsole も appserver.sun.com で稼働している場合です。


  5. 次の JConsole コマンドを使用して、DAS のトラストストアの場所を JConsole に通知します。

    JDK-dir/bin/jconsole.exe -J-Djavax.net.ssl.trustStore="C:/Documents and Settings/user/.asadmintruststore"

    これで、この証明書は JConsole によって自動的に信頼されます。

  6. JDK_HOME/bin/jconsole を実行して JConsole を起動します。

  7. JConsole の「エージェントに接続」タブで、ユーザー名、パスワード、ホスト名、およびポート (デフォルトは 8686) を入力します。

    ユーザー名は管理ユーザーの名前、パスワードはドメインの管理パスワードを参照します。

  8. 「接続」をクリックします。

    JConsole ウィンドウの各種タブに、MBean、VM 情報などが表示されます。