サーバーインスタンスは、単一のノードで J2EE 1.4 Application Server をホストする単一の J2EE 互換 Java 仮想マシン (JVM) です。ドメインの各サーバーインスタンスは一意の名前を持ちます。クラスタ化されたサーバーインスタンスはクラスタのメンバーであり、親クラスタからすべてのアプリケーション、リソース、および設定を受け取るため、クラスタのすべてのインスタンスは均一になります。クラスタ化されていないサーバーインスタンスはクラスタに属さないため、アプリケーション、リソース、および設定で独立したセットを使用します。
アプリケーションサーバーインスタンスは、アプリケーション配備の基礎を形成します。各インスタンスは 1 つのドメインに属します。DAS 以外のサーバーインスタンスには必ず、そのインスタンスが置かれるマシンを定義するノードエージェント名に対する参照が含まれる必要があります。
トポロジにリモートサーバーインスタンス (DAS 以外のサーバーインスタンス) が含まれる場合は、リモートサーバーインスタンスを管理し、補助するためのノードエージェントを作成します。サーバーインスタンスの作成、起動、停止、および削除は、ノードエージェントの役割です。ノードエージェントを設定するには、コマンド行インタフェースのコマンドを使用します。図 1–2 は、アプリケーションサーバーインスタンスの詳細を示しています。
Sun Java System Application Server は、インストール時に server という名前のアプリケーションサーバーインスタンスを作成します。多くのユーザーにとっては、1 つのアプリケーションサーバーインスタンスがあれば十分です。ただし、使用している環境によって追加のアプリケーションサーバーインスタンスを作成することが必要な場合があります。たとえば、開発環境内で異なるアプリケーションサーバーインスタンスを使用して、異なる Application Server 設定でテストしたり、異なるアプリケーション配備を比較およびテストできます。アプリケーションサーバーインスタンスは簡単に追加または削除できるため、これらを使用して、一時的にサンドボックス領域を作成して試用することができます。
さらに、各アプリケーションサーバーインスタンスに対して、仮想サーバーを作成することもできます。単一のインストールされているアプリケーションサーバーインスタンス内で企業または個人に対し、ドメイン名、IP アドレス、いくつかの管理機能を提供できます。ユーザーにとっては、ハードウェアを持つことも、サーバーの基本的な保守を行うこともなく、自分の Web サーバーを所有しているのとほぼ同じです。このような仮想サーバーは、複数のアプリケーションサーバーインスタンスにまたがりません。仮想サーバーの詳細については、第 12 章「HTTP サービスの設定」を参照してください。
実践配備においては、複数のアプリケーションサーバーインスタンスの代わりに仮想サーバーをさまざまな用途に応じて使用できます。ただし、仮想サーバーがニーズを満たさない場合、複数のアプリケーションサーバーインスタンスを使用することも可能です。アプリケーションサーバーインスタンスを停止すると、そのアプリケーションサーバーインスタンスは新しい接続を受け付けなくなり、未完了の接続がすべて完了するまで待機します。マシンがクラッシュしたり、オフラインになったりすると、サーバーは終了して、処理中だった要求が失われる可能性があります。