Application Server の管理には、ドメイン、クラスタ、ノードエージェント、およびサーバーインスタンスの作成、設定、制御、管理などのタスクが含まれます。ここでは、次の内容について説明します。
ドメインは、create-domain コマンドを使用して作成します。次のコマンド例では、mydomain というドメインを作成します。管理サーバーが待機するポートは 1234 で、管理ユーザー名は hanan です。このコマンドは、管理パスワードおよびマスターパスワードの入力を求めます。
$ asadmin create-domain --adminport 80 --adminuser hanan mydomain |
mydomain ドメインの管理コンソールをブラウザ内で起動するには、次の URL を入力します。
http://hostname:80 |
前述の create-domain の例の場合、ドメインのログファイル、設定ファイル、および配備されたアプリケーションは次のディレクトリに置かれます。
domain-root-dir/mydomain
ドメインのディレクトリを別の位置に作成するには、--domaindir オプションを指定します。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-domain と入力してください。
ドメインは、asadmin delete-domain コマンドによって削除されます。ドメインを管理できる OS ユーザー (またはルート) だけが、このコマンドを正常に実行できます。たとえば、mydomain というドメインを削除するには、次のコマンドを入力します。
$ asadmin delete-domain mydomain |
マシン上に作成されているドメインを asadmin list-domains コマンドを使用して参照できます。デフォルトの domain-root-dir ディレクトリ内のドメインを一覧表示するには、次のコマンドを入力します。
$ asadmin list-domains |
別のディレクトリに作成されているドメインを一覧表示するには、--domaindir オプションを指定します。
ドメインの起動時に、管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスが起動されます。アプリケーションサーバーインスタンスは、一度起動すると常時稼動となり、要求を待機して受け付けます。各ドメインは、別々に起動する必要があります。
ドメインを起動するには、asadmin start-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を起動するには、次のように入力します。
$ asadmin start-domain --user admin domain1 |
ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略できます。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-domain と入力してください。パスワードデータを省略した場合は、入力するように要求されます。
Windows の「スタート」メニューで、「プログラム」 - >「Sun Microsystems」 - >「Application Server」 - >「管理サーバーを起動」を選択します。
ドメインを停止すると、そのドメインの管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスがシャットダウンします。ドメインを停止すると、そのサーバーインスタンスは新しい接続を受け付けなくなり、未完了の接続がすべて完了するまで待機します。サーバーインスタンスはシャットダウンプロセスを完了しなければならないため、これには数秒間かかります。ドメインの停止処理中は、管理コンソールおよびほとんどの asadmin コマンドが使用できません。
ドメインを停止するには、asadmin stop-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を停止するには、次のように入力します。
$ asadmin stop-domain domain1 |
ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略します。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-domain と入力してください。
「スタート」メニューで、「プログラム」 - >「Sun Microsystems」 - >「Application Server」 - >「管理サーバーを停止」を選択します。
サーバーの再起動の手順はドメインの再起動と同じです。ドメインまたはサーバーを再起動するには、ドメインをいったん停止してから起動します。
クラスタを作成するには create-cluster コマンドを使用します。次の例では、mycluster という名前のクラスタを作成します。管理サーバーホストは myhost、サーバーポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin create-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster |
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-cluster と入力してください。
クラスタを起動するには start-cluster コマンドを使用します。次の例では mycluster という名前のクラスタを起動します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin start-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster |
myhost は管理サーバーホスト、1234 は管理ポート、admin は管理ユーザー名です。
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-cluster と入力してください。クラスタを起動すると、クラスタのすべてのサーバーインスタンスが起動します。インスタンスを含まないクラスタは起動できません。
クラスタを停止するには stop-cluster コマンドを使用します。次の例では mycluster という名前のクラスタを停止します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin stop-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster |
myhost は管理サーバーホスト、1234 は管理ポート、admin は管理ユーザー名です。
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-cluster と入力してください。クラスタを停止すると、クラスタのすべてのサーバーインスタンスが停止します。インスタンスを含まないクラスタは停止できません。
ノードエージェントを作成するには create-node-agent コマンドを使用します。次の例では mynodeagent という名前のノードエージェントを作成します。管理サーバーホストは myhost、管理サーバーポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin create-node-agent --host myhost --port 1234 --user admin mynodeagent |
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-node-agent と入力してください。
ノードエージェントを起動するには start-node-agent コマンドを使用し、ノードエージェント名を指定します。たとえば、ノードエージェント mynodeagent を起動するには、次のように入力します。
$ asadmin start-node-agent --user admin mynodeagent |
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-node-agent と入力してください。
ノードエージェントを停止するには stop-node-agent コマンドを使用し、ノードエージェント名を指定します。たとえば、ノードエージェント mynodeagent を停止するには、次のように入力します。
$ asadmin stop-node-agent mynodeagent |
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-node-agent と入力してください。
サーバーインスタンスを作成するには create-instance コマンドを使用します。次の例では、myinstance という名前のインスタンスを作成します。管理サーバーホストは myhost、管理サーバーポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
次の例では myinstance という名前のクラスタ化されたサーバーインスタンスを作成します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin create-instance --host myhost --port 1234 --user admin --cluster mycluster --nodeagent mynodeagent myinstance |
myhost は管理サーバーホストで、管理ポートは 1234、管理ユーザー名は admin、このサーバーインスタンスが属するクラスタは mycluster、このサーバーインスタンスを管理するノードエージェントは mynodeagent です。
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-instance と入力してください。
スタンドアロンサーバーインスタンスを作成する場合は、--cluster オプションを指定しません。
次の例では、mynodeagent という名前のノードエージェントで管理される myinstance という名前のスタンドアロンサーバーインスタンスを作成します。
$ asadmin create-instance --host myhost --port 1234 --user admin --nodeagent mynodeagent myinstance |
サーバーインスタンスを起動するには start-instance コマンドを使用します。次の例では、myinstance という名前のサーバーインスタンスを起動します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin start-instance --host myhost --port 1234 --user admin myinstance |
管理サーバーホストは myhost、管理ポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。サーバーインスタンス myinstance はクラスタ化することもスタンドアロンにすることもできます。
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-instance と入力してください。
サーバーインスタンスを停止するには stop-instance コマンドを使用します。次の例では myinstance という名前のインスタンスを停止します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。
$ asadmin stop-instance --host myhost --port 1234 --user admin myinstance |
管理サーバーホストは myhost、管理ポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。サーバーインスタンス myinstance はクラスタ化することもスタンドアロンにすることもできます。
コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-instance と入力してください。
サーバーインスタンスを再起動するには、インスタンスを停止してから、再起動します。
ミラーリングを行うため、および、ドメイン管理サーバー (DAS) の有効なコピーを提供するためには、次のものを用意する必要があります。
元の DAS を含むマシン 1 台 (machine1)
アプリケーションを実行してクライアントの要求を満たすサーバーインスタンスを持つクラスタを含む 2 台目のマシン (machine2)。クラスタは、1 台目のマシンの DAS を使用して設定されます。
1 台目のマシンがクラッシュした場合に DAS を再作成する必要がある 3 台目のバックアップマシン (マシン 3)
1 台目のマシンの DAS のバックアップを維持する必要があります。asadmin backup-domain を使用して、現在のドメインをバックアップしてください。
ドメイン管理サーバーを 1 台目のマシン (machine1) から 3 台目のマシン (machine3) に移行するには、次の手順が必要です。
1 台目のマシンと同様に、Application Server を 3 台目のマシンにインストールします。
この処理は、DAS が 3 台目のマシンに正常に復元されて、パスの競合を発生させないために必要です。
コマンド行 (対話型) モードを使用して、Application Server 管理パッケージをインストールします。対話型のコマンド行モードを有効にするには、console オプションを次のように指定してインストールプログラムを起動します。
./bundle-filename -console |
コマンド行インタフェースを使用してインストールを行うには、ルートのアクセス権が必要です。
オプションの選択を解除して、デフォルトのドメインをインストールします。
バックアップされたドメインの復元は、同じアーキテクチャーおよびまったく同じインストールパスを持つ 2 台のマシンでのみサポートされます (すなわち両方のマシンが同じ install-dir と domain-root-dir を使用する)。
1 台目のマシンのバックアップ ZIP ファイルを、3 台目のマシンの domain-root-dir にコピーします。FTP でファイルを転送することもできます。
asadmin restore-domain コマンドを実行して、ZIP ファイルを 3 台目のマシンに復元します。
asadmin restore-domain --filename domain-root-dir/sjsas_backup_v00001.zip domain1 |
任意のドメインをバックアップできます。ただし、ドメインの再作成中は、ドメイン名が元のドメイン名と同一でなければなりません。
3 台目のマシンで domain-root-dir/domain1/generated/tmp ディレクトリのアクセス権を変更して、1 台目のマシンの同じディレクトリのアクセス権と一致させます。
このディレクトリのデフォルトのアクセス権は、?drwx------? (または 700) です。
次に例を示します。
chmod 700 domain-root-dir/domain1/generated/tmp
前述の例では、domain1 をバックアップすると仮定しています。ドメインを別の名前でバックアップする場合は、この domain1 をバックアップするドメインの名前に置き換えてください。
3 台目のマシンの domain.xml で、プロパティーのホスト値を変更します。
3 台目のマシンの domain-root-dir/domain1/config/domain.xml を更新します。
たとえば、machine1 を検索して、machine3 に置き換えるとします。したがって、次のように変更します。
<jmx-connector><property name=client-hostname value=machine1/>...
変更後:
<jmx-connector><property name=client-hostname value=machine3/>...
変更前:
<jms-service... host=machine1.../>
変更後:
<jms-service... host=machine3.../>
machine3 の復元されたドメインを起動します。
asadmin start-domain --user admin-user --password admin-password domain1 |
machine2 のノードエージェントのプロパティーで、DAS ホストの値を変更します。
machine2 の install-dir/nodeagents/nodeagent/agent/config/das.properties で、agent.das.host プロパティー値を変更します。
machine2 のノードエージェントを再起動します。
asadmin start-instance コマンドを使用してクラスタインスタンスを起動し、復元したドメインと同期させます。
管理パスワードをリセットするには、ドメイン内のすべてのノードエージェントを停止する必要があります。これにより、関連付けられたすべてのサーバーインスタンスが停止します。すべてのサーバーインスタンスとノードエージェントが停止し、ドメイン管理サーバー (DAS) のみが稼動しています。
ここで、次のように管理ユーザーのパスワードを変更できます。
コマンド行インタフェースを使用して管理パスワードを変更します。
asadmin update-file-user --authrealmname admin-realm ... --userpassword newpassword <admin-user-name>
管理コンソールを使用して管理パスワードを変更します。
管理サーバーの「設定」ノード >「セキュリティー」>「レルム」>「admin-realm」>「ユーザーを管理」とたどり、ユーザー ID を選択し、「ファイルレルムユーザーの編集」でパスワードを変更します。
管理パスワードの変更に成功したことを示すメッセージが表示されます。
新しいパスワードでドメイン管理サーバ (DAS) を再起動するには、次の手順に従います。
コマンド行インタフェースの使用。asadmin start-domain --user admin --password newpassword domain1
次のような設定が考えられます。2 つのノードエージェント (i1na、c1-na) と 3 つのインスタンス (c1 という名前の同じクラスタに属する c1i1 と c1i2 、およびスタンドアロンサーバーインスタンス i1) があるドメイン。
新しいパスワードでインスタンスを起動しないでノードエージェントを再起動します。
次に例を示します。
asadmin start-node-agent --user admin --password newpassword --startinstances=false i1-na asadmin
asadmin start-node-agent --user admin --password newpassword --startinstances=false c1-na
サーバーとクラスタを再起動します。
asadmin start-node-agent --user admin --password newpassword ... c1
asadmin start-node-agent --user admin --password newpassword i1