表 A–2 を踏まえ、推奨されている実践事項を次にいくつか紹介します。
「Java ES にゾーンを使用する理由」にある目的の中から達成しようと思うものを選び、それを基にして Java ES ゾーンの配備方針を前もって計画します。表 A–2 のさまざまなシナリオに示されているように、目的が違えば、インストールや管理の方針も違ってきます。
シナリオを組み合わせることは避けてください。特に以下のオプションがあります。
Java ES ゾーンの配備と管理の方針をできるだけシンプルに保ちます。Java ES コンポーネントの完全ルート配備と疎ルート配備を同じコンピュータに混在させないでください。シナリオ 3 のような疎ルートゾーン配備をサポートするために必要となる手順と実践事項は、シナリオ 4 のような完全ルートゾーン配備と相容れないことがあります。
同じ Java ES 製品コンポーネントは、バージョンが違うとしても、大域ゾーンと非大域ゾーンの両方にはインストールしないでください。シナリオ 1 のような大域ゾーンのインストールシステムをアップグレードするために必要な手順は、シナリオ 4 のような非大域ゾーンのインストールシステムを破壊する場合があります。
Release 4 以前の Java ES コンポーネントが完全ルートゾーンにインストールされている場合は、Java ES Release 5 コンポーネントは製品コンポーネントも共有コンポーネントも大域ゾーンにインストールせず、大域ゾーンの Java ES コンポーネントを Release 5 にアップグレードしないでください。言い換えると、完全ルートゾーンに Java ES インストールシステムがすでに存在しているなら、シナリオ 2 はサポートされません。大域ゾーンでインストールまたはアップグレードを行うと、完全ルートゾーンに Release 4 と Release 5 のファイルが混在してしまう可能性があります。
インストールで推奨されている実践事項:
複数のゾーンでそれぞれ異なる Java ES 製品コンポーネントを実行する場合は、製品コンポーネントを非大域ゾーンにインストールします (シナリオ 2、3、4、5)。
複数のゾーンでそれぞれ異なる Java ES 製品コンポーネントを実行するものの、大域ゾーンで共有コンポーネントのライフサイクルの集中管理および共有コンポーネントの同期を行う場合は、製品コンポーネントを非大域ゾーンにインストールします (シナリオ 2、3)。製品コンポーネントを疎ルートゾーンにインストールする場合には必ず実践するよう推奨されています。
Java ES 製品コンポーネントをバージョンごとに分離させる場合、または他の理由で Java ES 製品コンポーネントの配備をそれぞれ独立させる場合は (シナリオ 4)、すべての Java ES コンポーネントを完全ルートゾーンにインストールし設定します。どの Java ES コンポーネントも大域ゾーンにインストールしないでください。
アップグレードで推奨されている実践事項:
インストールされているすべての Release 4 製品コンポーネントを Release 5 にアップグレードする場合、大域ゾーンのすべての Java ES 共有コンポーネントを同期してから、インストールされているゾーンにある希望する製品コンポーネントのアップグレードを実行します。Release 5 の共有コンポーネントには下位互換性があります。
Release 4 または Release 5 製品コンポーネントを非大域ゾーン環境にインストールしてあり、その環境に非大域ゾーンを追加し、その新しい非大域ゾーンに製品コンポーネントをインストールしようと思う場合は、必ず前述の推奨されている実践事項に沿った仕方で行ってください。したがって、場合によっては、大域ゾーンのコンポーネントをアンインストールして非大域ゾーンにインストールすることも必要になります。