Sun Java Enterprise System 5 技術の概要

サービス品質コンポーネント

Java ES には、表 1–1 に示したシステムサービスコンポーネントのほかに、システムサービスコンポーネントが提供するサービスの品質を高めるためのコンポーネントがいくつか含まれています。また、サービス品質コンポーネントを使えば、カスタム開発されたアプリケーションサービスも改善できます。サービス品質コンポーネントは次のカテゴリに分類されます。

可用性コンポーネント

可用性コンポーネントは、システムサービスコンポーネントおよびカスタムアプリケーションサービスがほぼ連続的に稼動することを可能にします。Java ES に含まれる可用性コンポーネントおよびそれらのコンポーネントが提供するサービスを次の表に示します。各コンポーネントの詳細については、「可用性コンポーネント」を参照してください。

表 1–2 Java ES 可用性コンポーネント

構成要素 

提供される可用性サービス 

High Availability Session Store

障害発生時でも、アプリケーションのデータ、特にセッション状態データを利用可能にするデータストアを提供します。 

Sun Cluster

Java ES の高可用性サービスとスケーラビリティーサービス、Java ES インフラストラクチャーの最上部で実行されるアプリケーション、およびサービスとアプリケーションの両方が配備されるハードウェア環境を提供します。 

Sun Cluster Geographic Edition [Java ES 5 は、Sun Cluster Geographic Edition を Java ES 製品コンポーネントとして含む最初のリリースです。]

地理的に離れた複数のクラスタを使用し、これらのクラスタ間でデータを複製する冗長なインフラストラクチャーを使用することによって、予期しない中断からアプリケーションを保護します。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、Sun Cluster ソフトウェアを階層的に拡張したものです。 

アクセスコンポーネント

アクセスコンポーネントは、システムサービスへのフロントエンドアクセスを可能にし、多くの場合、エンタープライズファイアウォールの外にあるインターネットからのセキュリティー保護されたアクセスを可能にします。そのようなアクセスを可能にすることに加えて、多くの場合、ルーティング機能およびキャッシュ機能も提供します。Java ES に含まれるアクセスコンポーネントおよびそれらのコンポーネントが提供するサービスを次の表に示します。コンポーネントの詳細については、「アクセスコンポーネント」を参照してください。

表 1–3 Java ES アクセスコンポーネント

構成要素 

提供されるアクセスサービス 

Sun Java System Portal Server (Secure Remote Access を含む)

企業ファイアウォールの外から、内部ポータルを含む Portal Server のコンテンツやサービスへの、セキュリティー保護されたインターネットアクセスを提供します。 

Sun Java System Web Proxy Server

Web コンテンツをキャッシュ、フィルタリング、および配信する機能を、送信インターネット要求と受信インターネット要求の両方に対して提供します。 

監視コンポーネント

Java ES には、リアルタイムのシステム状態とカスタマイズ可能な監視ジョブを提供する新しい監視機能が含まれています。監視は、Sun Java System Monitoring Console 製品コンポーネント によって実装され、これは Sun Java System Monitoring Framework 共有コンポーネント (shared component)によってサポートされます。詳細は、「監視コンポーネント」を参照してください。