Sun Java Enterprise System 5 技術の概要

可用性コンポーネント

可用性コンポーネントは、システムサービスコンポーネントおよびアプリケーションコンポーネントがほぼ連続的に稼動することを可能にします。ここでは、次の Java ES 可用性コンポーネントについて説明します。

High Availability Session Store 4.4.3

Sun Java System High Availability Session Store (HADB) が提供するデータストアを使用すれば、障害発生時でもアプリケーションのデータが利用可能になります。この機能は、クライアントセッションに関連付けられた状態情報の復元に特に重要です。この機能がないと、セッション中に障害が発生した場合、セッションの再確立時にすべてのオペレーションを繰り返す必要があります。

次の Java ES コンポーネントは、セッション状態情報を格納するサービスを提供します。Application Server、Access Manager、および Message Queue。ただし、これらのコンポーネントの中で、障害時にセッション状態を保持するために HADB サービスを使用できるのは Application Server のみです。

Java ES インストーラでは、HADB はインストール可能な単一のコンポーネントとして提供されます。ただし、HADB サービスを提供するにはサーバーとクライアントの両方のサブコンポーネントが必要です。

Sun Cluster 3.1 8/05 および Sun Cluster エージェント 3.1


注 –

Sun Cluster コンポーネントは、Solaris プラットフォームでのみサポートされます。


Sun Cluster ソフトウェアは、高可用性サービスおよび高スケーラビリティーサービスを、Java ES と Java ES インフラストラクチャーに基づくアプリケーションに対して提供します。

クラスタとは緩やかに結合された一連のコンピュータ (クラスタノード) のことであり、サービス、システムリソース、およびデータの単一のクライアントビューを一括して提供します。クラスタの内部では、冗長コンピュータ、インターコネクト、データ記憶域、およびネットワークインタフェースを使用して、クラスタベースのサービスおよびデータに高可用性を提供します。 Sun Cluster ソフトウェアは、メンバーノードおよびその他のクラスタリソースの健全性を継続的に監視し、障害が発生した場合でも、内部の冗長性を利用してそれらのリソースへのほぼ連続的なアクセスを提供します。

Java ES インストーラでは、Sun Cluster コアサブコンポーネントおよび Sun Cluster エージェントが、個別にインストール可能なコンポーネントとして提供されます。次の Sun Cluster エージェントが Java Enterprise System に含まれます。


注 –

次のリストの HA は、高可用性を表します。



注 –

エージェントのリストは、SPARC と x86 では異なります。Sun Cluster Agents についての詳細は、http://docs.sun.com/app/docs/prod/entsys.5 の Sun Cluster のマニュアルを参照してください。


Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4

Sun Cluster Geographic Edition は、Sun Cluster ソフトウェアを階層的に拡張したものです。この拡張は、地理的に離れた複数のクラスタを使用し、これらのクラスタ間でデータを複製する冗長なインフラストラクチャーを使用することによって、予期しない中断からアプリケーションを保護します。Java ES 5 は、Sun Cluster Geographic Edition を Java ES 製品コンポーネントとして含む最初のリリースです。

Sun Cluster Geographic Edition には、次のサブコンポーネントが含まれます。


注 –

Sun Cluster Geographic Edition は、Solaris x86 ではサポートされていません。