スケーラビリティーとは、パフォーマンスを低下させることなく、処理リソースを追加することによって、増加するユーザー人口に対応するシステムの能力のことです。システムをスケーリングするための 2 つの一般的な方法には、垂直方向のスケーリングと水平方向のスケーリングがあります。このセクションの主題は、Portal Server のスケーリング技術の応用です。
スケーラブルなシステムの利点を次に示します。
応答時間の向上
障害許容性
管理容易性
消耗性
簡易化されたアプリケーションの開発
構築モジュール
垂直方向のスケーリングでは、CPU、メモリー、Portal Server の複数のインスタンスなどのリソースが 1 つのマシンに追加されます。これより、より多くのプロセスインスタンスが同時に実行できます。Portal Server では、必要な CPU の数に計画およびサイズ指定することによってこれを利用できます。
水平方向のスケーリングでは、マシンが追加されます。これは、複数の同時処理とワークロードの分散も可能にします。Portal Server では、Portal Server、Directory Server、および Access Mangaer を異なるノードで実行できるので、水平方向のスケーリングを利用します。水平方向のスケーリングは、さらに CPU を追加するなどして、垂直方向のスケーリングも利用できます。
また、サーバーコンポーネントインスタンスを複数のマシンにインストールすることによって、Portal Server インストールを水平方向にスケールできます。インストールされた各サーバーコンポーネントインスタンスは、HTTP プロセスを実行し、この HTTP プロセスはインストール時に決定された番号の TCP/IP ポートで待機します。ゲートウェイのコンポーネントは、ラウンドロビンアルゴリズムを使用して新しいセッション要求をサーバーインスタンスに割り当てます。セッションが確立されている間は、クライアントに格納された HTTP cookie がセッションサーバーを示します。それ以降の要求はすべてそのサーバーに送られます。
「地域化の設計」のセクションでは、最適のパフォーマンスと水平方向のスケーラビリティーを提供する特定のタイプの構成への取り組み方について説明します。