Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 パフォーマンスチューニングガイド

DataBufferPoolSize

HADB のデータは、ディスク上に割り当てられたデータデバイスに保存されます。データが処理されるには、そのデータが主メモリーにある必要があります。HADB ノードでは、この用途に共有メモリーの一部が割り当てられます。割り当てられたデータベースバッファーが、処理されるデータに比べて小さいと、多くの処理容量がディスク入出力によって浪費されます。書き込み集約型の操作を行う (たとえば、頻繁に更新されるセッション状態がある) システムでは、ディスク入出力に使用される処理容量が多すぎて要求処理が阻害されないように、データベースバッファーを十分な大きさにしてください。

データベースバッファーは、ファイルシステムのキャッシュに似ています。パフォーマンスを向上させるには、ディスク読み取り操作を待つ必要がないように、できるだけ容量の大きいキャッシュを使用します。データベース全体の内容がデータベースバッファーに収まるようにすれば、最高のパフォーマンスが得られます。しかし、ほとんどの場合、これは実現不可能です。クライアントアプリケーションの作業セットがバッファーに収まることを目標にします。

また、ディスク入出力も調べます。HADB で多数のディスク読み取り操作が実行される場合は、データベースのバッファー容量が不足していることになります。データベースバッファーは、ディスクで使用されるブロックサイズと同じ 16K バイトのブロックに分割されます。HADB では、1 回の入出力操作で読み取り用と書き込み用に複数のブロックがスケジュールされます。

ディスクの使用状況を調べるには、hadbm deviceinfo コマンドを使用します。たとえば、hadbm deviceinfo --details というコマンドを実行すると、次のような出力が表示されます。

NodeNo   TotalSize       FreeSize        Usage
0        512             504             1%
1        512             504             1%

出力の各列の表記の意味は次のとおりです。

DataBufferPoolSize のチューニング

データベースバッファーのサイズを変更するには、次のコマンドを使用します。

hadbm set DataBufferPoolSize

このコマンドを実行すると、変更を有効にするためにすべてのノードが 1 つずつ再起動されます。このコマンドの使用の詳細については、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 高可用性 (HA) 管理ガイド』「HADB の設定」を参照してください。