Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (Windows 版)

Java ES コンポーネントのアンインストール動作の確認

以下の中から関係のある表を調べて、アンインストーラが各 Java ES コンポーネントに対して行う内容を確認してください。さらに、作業手順の計画を立てて、データが紛失したり相互依存関係が消失したりすることがないようにします。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

Access Manager のアンインストール動作

表 7–2 Access Manager のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

Directory Server のエントリは、Access Manager 固有のデータを含め、何も削除されません。 

このコンポーネントに必要なその他のアンインストール 

Directory Server 

Web コンテナ 

このインストールを必要とする製品 

Portal Server (Access Manager SDK と同じホスト上に存在する必要がある) 

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

アンインストールによって、Web Server または Application Server 上でのみ、Access Manager のインストール設定すべてが Web コンテナから解除されます。 

Application Server のアンインストール動作

表 7–3 Application Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

  • インストール時に作成されたデフォルトのドメインは、アンインストール時に削除されます。

  • アンインストール時には、すべての管理サーバーインスタンスと Application Server インスタンスを含め、ユーザーが作成したドメインは削除されません。

  • アンインストールが完了するまでに、すべての管理サーバーインスタンスと Application Server インスタンスは停止されます。

依存関係 

同一システム上に Message Queue が必要です。 

このインストールを必要とする製品 

Application Server を Web コンテナとして使用するように設定されたコンポーネント: Access Manager、Portal Server。 

アンインストール前の作業 

設定データを保存するために、管理ドメインディレクトリのコピーを作成します。 

アンインストール後の作業 

システムから Application Server を完全に削除するために、残っている Application Server のログファイルとディレクトリを削除します。Application Server のディレクトリのデフォルトの場所は、\JavaES-Install-Dir\appserver です。

Message Queue のアンインストール後の作業については、「Message Queue のアンインストール動作」を参照してください。

Directory Server のアンインストール動作

表 7–4 Directory Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

ユーザーデータをホストする Directory Server をアンインストールする場合、Directory Server の LDAP データベースはアンインストール時に削除されます。 

注意: データの損失を避けるために、アンインストール前に Directory Server 情報をバックアップする必要があります。Directory Server には、Directory Server をバックアップしたり、設定データを移行したりするためのツールやユーティリティーが、いくつか用意されています。

依存関係 

なし 

このインストールを必要とする製品 

  • Access Manager

  • Portal Server

アンインストール前の作業 

必要に応じて、Directory Server LDAP データベースをバックアップします。 

アンインストール後の作業 

あとで Directory Server を同じ場所にインストールする場合は、インストールディレクトリが存在していてはいけません。同じ場所に再インストールする場合は、インストールディレクトリとすべてのカスタム設定ファイルを事前に手動で削除しなければならない場合があります。 

Message Queue のアンインストール動作

表 7–5 Message Queue のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

インスタンスに固有の設定データ、ユーザーリポジトリ、およびアクセス制御ファイルはアンインストール後も残され、以後の再インストール時に再利用できます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Directory Server (オプション) 

このインストールを必要とする製品 

Application Server (Message Queue と同じホストに存在する必要がある) 

アンインストール前の作業 

  • 稼働中のすべてのブローカを停止します。ユーザー名 (管理者) とパスワードの入力が求められます。imqcmd shutdown bkr [ -b hostName:port]

  • Message Queue の再インストールを予定しておらず、各ブローカインスタンスに関連するダイナミックデータ、フラットファイルユーザーリポジトリ、アクセス制御ファイルを削除する場合は、次のコマンドを使用してこのデータを削除します。imqbrokerd -name instanceName -remove instance

  • Message Queue アップグレードスクリプトを使用して Message Queue をアップグレードする場合には、使用するプロセスを書き留めておいてください。アップグレードスクリプトがインストール情報を Java ES レジストリに書き込まないからです。

アンインストール後の作業 

Message Queue の再インストールを予定していない場合は、Java ES コンポーネントのマニュアルで説明されているコマンドを実行してシステムをクリーンアップします。 

Monitoring Console のアンインストール動作

表 7–6 Monitoring Console のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

ユーザーデータはアンインストール後も残ります。ただし、このデータは再インストールの前に削除されます。 

依存関係 

なし 

このインストールを必要とするその他の製品 

なし 

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

なし 

Portal Server のアンインストール動作

表 7–7 Portal Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

  • 設定データはアンインストール時に削除されます。設定の解除には、Portal Server によって Access Manager 内に作成されたサービスの削除も含まれます。

  • ユーザーチャネルのプロバイダは、アンインストール時に削除されないため、以後のインストールで再利用できます。

  • カスタマイズ設定データには、ディスプレイプロファイル、プロパティーファイル、リソース文字列などのカスタマイズデータが含まれ、これらはアンインストーラによっては削除されません。設定データは以後のインストールで再利用できますが、それには Portal Server を同一ホスト上に同じ設定で再インストールする必要があります。

このコンポーネントに必要なその他のアンインストール 

  • Directory Server

  • Application Server または Web Server

  • Access Manager

  • Service Registry

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

Directory Server と Web コンテナが動作していることを確認します。 

アンインストール後の作業 

Portal Server が Web Server 内で実行されており、Portal Server だけを削除する場合、Access Manager を再起動する必要があります。詳しくは、「Access Manager のアンインストール動作」を参照してください。

Portal Server Secure Remote Access のアンインストール動作

表 7–8 Portal Server Secure Remote Access のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

  • Portal Server Secure Remote Access コアコンポーネントのすべての設定データは、アンインストール時に削除されます。

  • 配備されているすべての Web アプリケーションの配備が解除されます。

  • Portal Server Secure Remote Access のゲートウェイ、Netlet プロキシ、Rewriter プロキシの各サブコンポーネントの設定データには、ユーザーはアクセスできません。

このコンポーネントに必要なその他のアンインストール 

  • Portal Server Secure Remote Access は Portal Server に依存しているため、Portal Server と別個にアンインストールすることができません。

  • Portal Server、Secure Remote Access ゲートウェイ、Netlet プロキシ、Rewriter プロキシの各サブコンポーネントは、Access Manager SDK に依存しています。

  • Portal Server と Portal Server Secure Remote Access サポートは、同一ホスト上の同一ディレクトリ内に存在している必要があります。

  • Access Manager SDK は、ゲートウェイ、Netlet プロキシ、および Rewriter プロキシと同じホスト上に存在している必要があります。ゲートウェイ、Netlet プロキシ、および Rewriter プロキシを同一ディレクトリ内に置くことはできません。

  • Portal Server Secure Remote Access のコンポーネントは、依存する Java ES コンポーネントを削除することなく、どれでも削除できます。

  • ゲートウェイを削除しても、Access Manager SDK をホスト上に残すことができます。

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

なし 

Portal Server Secure Remote Access が設定されている場合は、まず psadmin コマンドを使用して、Portal Server Secure Remote Access のコンポーネントを手動でアンインストールします。

ProcedureSRA コンポーネントをアンインストールするには、次の手順に従います。

  1. Portal Server Secure Remote Access インスタンスを停止します。

    stop-sra-instance --adminuser userid --passwordfile password-filename --name sra-instance-name --type instance-type --hostname instance-hostname

  2. Portal Server Secure Remote Access インスタンスを削除します。

    psadmin delete-sra-instance --adminuser userid --passwordfile password-filename --name sra-instance-name --type instance-type --hostname instance-hostname


    注 –

    設定済みの Portal Server Secure Remote Access コンポーネントは、アンインストーラによってアンインストールされません。設定された Portal Server Secure Remote Access コンポーネントを手動でアンインストールする必要があるのは、このためです。アンインストールを行わないと、同じホストへの後続のインストールでインストール関連の問題が発生する原因になります。


Service Registry のアンインストール動作

表 7–9 Service Registry のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

レジストリ設定プロセスは、レジストリデータベースドメインおよびサーバーキーストアを JavaES-install-dir ディレクトリ内にインストールします。

このディレクトリは、Service Registry をアンインストールしても削除されません。この安全メカニズムにより、将来のインストールまたはリリースで使用するために、必要に応じてデータベースを残しておくことができます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Application Server (ドメイン管理サーバーとコマンド行管理ツール) 

HADB 

Message Queue 

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

1. 次のコマンドを使って、Service Registry ドメインを停止します。 

JavaES-install-dir\share\ant\bin\ant.bat -f build-install.xml appserver.domain.stop

2. 次のコマンドを使って、Service Registry ドメインを削除します。 

JavaES-install-dir\share\ant\bin\ant.bat -f build-install.xml appserver.domain.delete

レジストリデータベースを将来の使用のために保存しておく場合は、レジストリを再インストールする前に、ServiceRegistry-base ディレクトリを別の場所にコピーします。

アンインストール後の作業 

場合によっては、アンインストーラではインストールファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。最終的なクリーンアップを行うには、ServiceRegistry-base ディレクトリとその内容を削除します。

Service Registry データベース、ドメイン、およびキーストアが格納されたディレクトリは、レジストリのアンインストール時に削除されません。 

必要であれば、このディレクトリを手動で削除してもかまいません。ただし、このデータベースを保存しておき、将来のインストール時やリリース時に使用するには、レジストリの再インストール前にそれらのディレクトリを別の場所にコピーし、再インストール後にそれを元の場所にコピーして戻します。 

データベースとキーストアファイルの復元後、プラットフォーム固有のバリアントを使用して次のコマンドを実行します。 

JavaES-install-dir\share\ant\bin\ant.bat -f build-install.xml appserver.domain.stop export.registryOperatorCert install.cacerts appserver.domain.start

Web Proxy Server のアンインストール動作

表 7–10 Web Proxy Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

インストール場所の下にある alias ディレクトリ内の証明書データベースファイルのみが維持されます。その他のファイルはすべて削除されます。 

依存関係 

Directory Server (省略可能。外部 LDAP アクセス制御が選択された場合) 

アンインストール前の作業 

Web Proxy Server のすべてのインスタンスを停止します。 

アンインストール後の作業 

WebProxyServer-base\alias ディレクトリの下に証明書データベースが保存されています。再インストールを実行する前に、この証明書データベースを移動し、古いインストールディレクトリを削除する必要があります。

Web Server のアンインストール動作

表 7–11 Web Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

  • Web Server 管理サーバーインスタンスと Web Server インスタンスは、アンインストールが完了する前に停止されます。

  • Web Server のインストールディレクトリおよびインスタンスディレクトリは、アンインストーラを実行しなければ削除できません。

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

なし 

このインストールを必要とする製品 

Web Server を Web コンテナとして使用するように設定されたコンポーネント: Access Manager と Portal Server。Application Server ロードバランスプラグイン (Application Server が Web Server を Web コンテナとして使用する場合)。 

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

設定データを維持する場合は、インストールディレクトリ内の管理サーバーインスタンスと Web Server インスタンスのディレクトリのバックアップを行います。 

アンインストール後に同じ場所に Web Server をインストールする場合は、インストールディレクトリが存在していてはなりません。同じ場所に再インストールする場合は、インストールディレクトリとすべてのカスタム設定ファイルを事前に手動で削除しなければならない場合があります。