この章では、インストール時に (「今すぐ設定」設定オプションを使用して) 設定可能な製品コンポーネントの設定情報について説明します。この章は、第 4 章「設定ワークシート」に記載されているワークシートとともに使用してください。
「あとで設定」インストールタイプを選択する場合、インストール時に設定する必要はほとんどありません。
Java ES インストーラでは設定できないため、インストール後に設定する必要があるコンポーネントには、Directory Proxy Server、Java DB、Monitoring Console、Service Registry、および Sun Cluster コンポーネントがあります。
インストールを実行したあと、『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』の第 6 章「Completing Postinstallation Configuration」で、これらの製品コンポーネントの設定方法を参照してください。
「今すぐ設定」オプションを使用する場合、Java ES のインストーラにより、選択されたコンポーネントの設定ページが表示されます。インストール時に、このページを使って設定できます。デフォルトの情報をそのまま使用することも、別の情報を入力することもできます。別の情報を指定する場合は、設定時にコンポーネントがそのディレクトリまたはポートを常に認識するようにする必要があります。「今すぐ設定」インストールのデフォルトの共通サーバー設定については、「共通設定」を参照してください。個別のコンポーネントコンフィギュレータを使用して、追加の変更を加えることもできます。
たいていの場合、インストール時に設定可能なコンポーネントの設定をインストール後に完了する際、このマニュアルの表とワークシートおよび『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』の第 6 章「Completing Postinstallation Configuration」の説明を参照することが役立ちます。
インストールセッションの最後に、インストール中に設定された設定値がサマリーファイルに記録されます。このファイルは、インストーラの最後のページ、またはこのファイルが保存されている次のディレクトリから表示することができます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logsLinux の場合: /var/opt/sun/install/logs
この章に示す表には、「ラベルと状態ファイルのパラメータ」および「説明」という 2 つの列があります。「ラベルと状態ファイルのパラメータ」列には、次の情報が含まれます。
ラベル:対話的グラフィカルインストーラのページ内の情報を識別するためのテキスト。これは、通常は入力フィールドに付けられたラベルです。テキストベースのインストーラでも、同じ用語が使用されます。
状態ファイルのパラメータ:状態ファイルのパラメータをキーとして使用して、サイレントインストール状態ファイル内の情報を識別できます。状態ファイルのパラメータは、大文字のモノスペースフォントで表示されます。たとえば、AS_ADMIN_USER_NAME のようになります。
パラメータの使用方法を理解するには、『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』の付録 C「Example State File」で示されている状態ファイルの例を検討するのがよい方法です。
「説明」列には、「ラベルと状態ファイルのパラメータ」列のパラメータに関する説明が含まれます。パラメータにデフォルト値が設定されている場合は、そのデフォルト値を示します。説明列で、サイレントモードの状態ファイル用に別の値が示される場合を除き、インストーラのすべてのモードにデフォルト値が適用されます。状態ファイルの値は、特に明記されていないかぎり大文字と小文字が区別されます。パラメータに適用されるその他の情報があれば、例、パス、そのパラメータについての注意事項を説明した注記などの情報が示されます。
この章の情報を参考にして、「今すぐ設定」インストールの実行中にインストーラから要求される設定情報を入力するには、次のようにします。
この章の中で、該当する製品コンポーネントについて説明している節を特定します。
表示されているインストーラページに対応する表を探します。表には、インストーラのそれぞれのページに含まれるすべてのフィールドと質問が記載されています。
この章で状態ファイルのパラメータに関する情報を参照するには、次のようにします。
オンラインガイドを使用している場合は、HTML または PDF の検索機能を使用してパラメータ文字列を検索します。
印刷されているマニュアルを使用している場合は、索引を参照します。索引には、各パラメータ名の項目が記載されています。実際のパラメータ名または「状態ファイルパラメータ」の項目内を参照してください。
インストールおよび設定時に、さまざまなタイプのドメイン、組織、および関連する設定情報の値を指定するように求められます。
DNS (Domain Name System)。DNS (Domain Name System) は、分散インターネットディレクトリサービスです。たいていの場合、DNS は、ドメイン名と IP アドレス間の変換および電子メールの配信を制御するために使用されます。
DNS ドメイン名。DNS ドメイン名は、ネットワーク上のサーバーのグループを識別します。ドメイン名の例: example.com、red.example.com
完全修飾ドメイン名 (FQDN: Fully Qualified Domain Name)。FQDN は、サーバー、ルーターなどのネットワークデバイス上に存在するネットワークインタフェースの TCP/IP アドレスに対応する、人間に解読可能な名前です。サーバーの FQDN には、ホスト名とドメイン名の両方が含まれます。サーバーの FQDN の例: myComputer.example.com
ホスト名。ホスト名は、ネットワーク上でサーバーを識別する一意の名前です。ホスト名は、サーバーのローカル名と組織のドメイン名の組み合わせで表現できます。これは、サーバーの FQDN でもあります。ドメインのコンテキスト内では、ホスト名をローカル名だけで表せます。これは、ローカル名がドメイン内部で一意でなければならないためです。ホスト名の例:
FQDN 表現: myComputer.red.example.com
red.example.com ドメイン内で一意のローカル名表現: myComputer
設定ディレクトリ。さまざまな管理ドメインの設定情報を格納する Directory Server のインスタンス。管理サーバーは、これらのドメインを管理する際に、設定ディレクトリにアクセスします。設定情報を保持するサブツリーのベースサフィックスは、常に o=NetscapeRoot になります。
ユーザー / グループディレクトリ。LDAP 階層内の組織情報を格納する Directory Server のインスタンス。通常、組織は、LDAP 階層内の DNS ドメイン名で表現されます。階層内の各組織には、人、組織単位、プリンタ、ドキュメントなどを表すエントリを含めることができます。
管理ドメイン。Directory Server 設定ディレクトリサーバー内で表現され、Sun Java System サーバーコンソールで管理されるサーバーのセット。通常、管理ドメインは、LDAP 階層内で DNS ドメイン名を使用して表現されますが、任意の名前を使用して、管理ドメインを構成するサーバーグループを表現できます。
電子メールドメイン。電子メールのルーティングに使用される DNS 内の一意のドメイン。組織の電子メールドメインには DNS ドメイン名を使用できますが、別のドメインを使用して電子メールをルーティングすることも可能です。たとえば、DNS ドメインが example.com で、電子メールドメインが sfbay.example.com などです。Sun の LDAP スキーマ 2 では、電子メールドメインは、ユーザー / グループディレクトリで組織の属性として表現されます。
認証ドメイン。Access Manager では、トラストサークルは認証ドメインとして実装されます。認証ドメインは DNS ドメインではありません。Access Manager では、認証ドメインは、アイデンティティーを連携する目的でグループ化されるエンティティーを表します。
組織 DN。ユーザー / グループディレクトリの LDAP 階層内の組織の一意名。通常、組織は、o、ou、または dc LDAP 属性を使用して、LDAP 階層内の DNS ドメイン名で表現されます。組織には、サブ組織を含めることができます。
ディレクトリマネージャー。UNIX のスーパーユーザーに相当する、権限のある Directory Server 管理者。デフォルトのディレクトリマネージャー DN は cn=Directory Manager ですが、これは変更可能です。インストールおよび設定時に、ディレクトリマネージャー DN およびパスワードを指定して、LDAP 設定を変更する必要があります。