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Sun™ Identity Manager 8.0 リソースリファレンス |
SAPSAP リソースアダプタは、SAP R/3 および SAP R/3 Enterprise をサポートします。リソースアダプタは、com.waveset.adapter.SAPResourceAdapter クラスで定義されます。
リソースを設定する際の注意事項
ユーザーが自分自身の SAP パスワードを変更できるようにするには、次の手順を実行します。
Identity Manager 上で設定する際の注意事項
SAP リソースアダプタは、カスタムアダプタです。インストールプロセスを完了するには、次の手順を実行してください。
- http://service.sap.com/connectors から JCo (Java Connection) ツールキットをダウンロードします。SAP JCO ダウンロードページにアクセスするには、ログインとパスワードが必要です。このツールキットには、sapjco-ntintel-2.10.6.zip のような名前が付けられます。この名前は、選択したプラットフォームやバージョンによって異なります。
注
ダウンロードする JCo ツールキットが、アプリケーションサーバーが動作する Java のビットバージョンと一致していることを確認します。たとえば、JCo は Solaris x86 プラットフォーム上の 64 ビットバージョンでのみ使用できます。したがって、アプリケーションサーバーが Solaris x86 プラットフォーム上の 64 ビットバージョンで実行されている必要があります。
- ツールキットを解凍し、インストール手順に従います。必ずライブラリファイルを正しい場所に配置し、環境変数を指示どおりに設定してください。
- sapjco.jar ファイルを InstallDir¥WEB-INF¥lib ディレクトリにコピーします。
- SAP リソースを Identity Manager のリソースリストに追加するには、「管理するリソースの設定」ページの「カスタムリソース」セクションに次の値を追加してください。
com.waveset.adapter.SAPResourceAdapter
使用上の注意
ここでは、SAP リソースアダプタの使用に関する情報を示します。次のトピックで構成されています。
全般的な注意事項
このリソースに関する全般的な注意事項は次のとおりです。
- 開始日と終了日をアクティビティーグループ単位で編集できるようにするには、SAPUserForm_with_RoleEffectiveDates_Timezone.xml フォームを読み込みます。このフォームは、ユーザーのタイムゾーンを選択する機能も備えています。
- waveset.properties ファイル内の sources.ResourceName.hosts プロパティーを使用して、Active Sync を使用してリソースの同期を行うのにクラスタ内のどのホストを使用するかを制御できます。ResourceName は、リソースオブジェクトの名前に置き換えてください。
- 現在、サンプルユーザーフォーム SAPUserForm.xml と SAPUserForm_with_RoleEffectiveDates_Timezone.xml には、ユーザーのパスワードを事前に期限切れにするフィールドの定義が含まれています。このフィールドの値が true で、Identity Manager 管理者がユーザーのパスワードを作成または変更した場合、そのユーザーは SAP へのログイン時に新しいパスワードを指定する必要があります。
SNC (Secure Network Communications) 接続の有効化
デフォルトでは、SAP アダプタは SAP Java Connector (JCo) を使用して SAP アダプタと通信します。SNC 接続の実装の詳細については、「SNC (Secure Network Communications) 接続の有効化」を参照してください。
SAP JCO および RFC のトレース
SAPResourceAdapter と SAPHRActiveSyncAdapter には、SAP JCO および RFC のトレース用のリソース属性が用意されています。これらを使用して、Identity Manager と SAP システムの通信をトレースできます。属性名は、「SAP JCO トレースレベル」と「SAP JCO トレースディレクトリ」です。
環境内に次の環境変数を設定すると、SAP RFC トレースを有効にできます。これらの変数は、アプリケーションサーバーを起動する前に環境内に設定してください。これらの変数は、JCO が SAP システムとの通信に使用する共有ライブラリを制御します。
アカウントの名前の変更
SAP アダプタは、CUA モードがアダプタで有効な場合を除き、アカウントの名前の変更をサポートするようになりました。アダプタは、この機能を実行するために、既存のアカウントを新しいアカウントにコピーして元のアカウントを削除します。SAP は、アカウントの名前の変更を推奨していませんが、SAP GUI から使用する Transaction SU01 というユーザー管理アプリケーションではこのオプションを提供しています。そのため、Identity Manager でもこのオプションをサポートします。SAP では名前の変更機能を将来のリリースでサポートしなくなる可能性があることに注意してください。
SAP GUI では非公開 API および SAP カーネルにアクセスできるため、名前の変更に別の方法を使用します。次の手順では、名前の変更操作を実行する方法について概要を説明します。
手順 1 〜 3 でエラーが発生した場合は、操作がただちに失敗します。手順 4 〜 7 でエラーが発生した場合は、新しいユーザーが削除され、操作全体が失敗します。新しいユーザーが削除できない場合は、警告が WavesetResult に設定されます。手順 8 〜 9 でエラーが発生した場合は、警告が WavesetResult に追加されますが、操作は成功します。
名前の変更操作では、新しいパスワードを新しいユーザーに設定する必要があります。設定する最も簡単な方法は、Change User Password タスクを呼び出すように Rename User タスクをカスタマイズすることです。
Global Trade Services (GTS) のサポート
SAP アダプタの SAP Global Trade Services のサポートを有効にするには、次の表の「ロール名」に一覧表示された該当するロールを有効にします。SAP は、この表の「生成されるロール」列に一覧表示されたロールを生成します。生成されたロールを SAP GTS の該当するユーザープロファイルに割り当ててください。
ロールラベル
ロール名
生成されるロール
通関処理スペシャリスト
SAP_BW_SLL_CUS
SAP_BWC_SLL_CUS
特恵処理スペシャリスト
SAP_BW_SLL_PRE
SAP_BWC_SLL_PRE
還付金スペシャリスト
SAP_BW_SLL_RES
SAP_BWC_SLL_RES
法規制スペシャリスト
SAP_BW_SLL_LCO
SAP_BWC_SLL_LCO
追加のテーブルのサポート
SAP アダプタは、BAPI_USER_CREATE1 および BAPI_USER_CHANGE によって呼び出された任意の SAP テーブル、特に GROUPS テーブルおよび PARAMETER テーブルにプロビジョニングできます。GROUPS 以外の任意のテーブルについてこの機能を有効にするには、リソースユーザー属性を SAP_Table_Name->Table という形式でスキーママップに追加する必要があります。たとえば、PARAMETER->Table とします。属性は、複合データ型を割り当てられる必要があります。
アダプタは、GROUPS->USERGROUP アカウント属性という名前で、タイプが String であるアカウント属性を提供します。この属性は、GROUPS テーブルのデータを処理します。デフォルトでこの属性のタイプは String です。この属性のタイプが String に設定されている場合、アダプタは値を文字列のリストとして処理します。アダプタがほかのテーブルと同じ方法でこのテーブルのデータを処理するようにするには、データ型を複合に変更する必要があります。
$WSHOME/web/sample/forms/SAPUserForm.xml ファイルには、String のアカウント属性タイプおよび複合属性タイプを使用して GROUP テーブルを管理する方法を示すユーザーフォームの例が含まれています。
セキュリティーに関する注意事項
ここでは、サポートされる接続と特権の要件について説明します。
サポートされる接続
必要な管理特権
SAP に接続するユーザー名を、SAP ユーザーにアクセスできるロールに割り当ててください。
プロビジョニングに関する注意事項
機能
サポート状況
アカウントの有効化/無効化
使用可
アカウントの名前の変更
使用可。ただし CUA が有効な場合を除きます。
パススルー認証
使用不可
前アクションと後アクション
使用不可
データ読み込みメソッド
アカウント属性
次の表に、デフォルトの SAPaccount 属性に関する情報を示します。「Enable SAP GRC Access Enforcer?」リソースパラメータが選択されている場合は、追加属性も提供されます。属性タイプはすべて String です。
リソースオブジェクトのサポート
管理対象オブジェクト
このアダプタは、SAP リソース上のオブジェクトを管理しません。
一覧表示可能なオブジェクト
次の表では、ユーザーフォーム内で listAllObjects メソッドを使用して呼び出すことのできる SAP オブジェクトについて説明します。
オブジェクト
説明
account
SAP リソースで定義されたユーザーを一覧表示します。
activityGroups
ユーザーが使用できるアクティビティーグループ (またはロール) を一覧表示します。(非 CUA モードのみ)
cuaSystems
CUA が有効な場合に、CUA 子の名前を一覧表示します。
Group
SAP リソースで使用可能なグループを一覧表示します。
localActivityGroups
CUA が有効な場合に、CUA 環境で特定の子システムに存在するアクティビティーグループを一覧表示します。
profiles
認証プロファイルの名前を一覧表示します。
table
SAP テーブルの列の内容を一覧表示します。option マップには次のパラメータが必要です。
name SAP テーブル名
offset テーブルの開始文字の列
length データフィールドの長さ
これらの値の判断については、BAPI RFC_GET_TABLE_ENTRIES に関する SAP のマニュアルを参照してください。詳細については、「追加のテーブルのサポート」を参照してください。
timeZones
SAP システムでサポートされる、使用可能なタイムゾーンを一覧表示します。
usertype
SAP システムで使用可能なユーザータイプを一覧表示します。
アイデンティティーテンプレート
$accountId$
サンプルフォーム
SAPForm.xml
SAPUserForm_with_RoleEffectiveDates_Timezone.xml
SAPHRActiveSyncForm.xml
トラブルシューティング
Identity Manager のデバッグページを使用して、次のクラスでトレースオプションを設定します。
インストールされている SAP Java Connector (JCO) のバージョンを判定し、それが正しくインストールされているかどうかを判定するには、次のコマンドを実行します。
java -jar sapjco.jar
このコマンドは、JCO のバージョンとともに、SAP システムと通信する JNI プラットフォーム依存ライブラリおよび RFC ライブラリを返します。
プラットフォーム依存ライブラリが見つからない場合は、SAP のマニュアルを参照して、SAP Java Connector の正しいインストール方法を調べてください。