第3章 |
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この章では、ブート時、およびインストール時に起こりうる問題の解決法を提供するトラブルシューティングについて説明します。また、Sun Control Station ソフトウェアのアップグレード時に AllStart 設定を維持する方法についても説明します。
Sun Fire V60x サーバーと Sun Fire V65x サーバー上のギガビット Ethernet コントローラには、Intel PRO/1000 Network Interface (e1000) ドライバが必要です。
弊社では、このドライバのバージョン 4.4.19 以降のインストールを推奨しています。バージョン 4.4.19 は、弊社で互換性テストに使用された Ethernet ドライバであり、インストールに問題がなく、事前に設定されたテストケースでも正常に動作することが確認されています。
e1000 ソース tar ファイル内の Intel README ファイルに、このドライバの構築方法が記載されています。この情報は、次の URL から HTML フォーマットでオンライン利用できます。http://www.intel.com/support/network/adapter/1000/e1000.htm
Intel ドライバをダウンロードするには、次のサポートサイトを利用してください。http://appsr.intel.com/scripts-df/support_intel.asp
「e1000 4.4.19」で検索すれば、ダウンロードする当該 tar ファイルが見つかります。
Sun Fire V60x サーバーおよび Sun Fire V65x サーバーは、最新のディストリビューションでのみサポートされる Ultra 320 SCSI コントローラを実装しています。
弊社認定のアドオンカードだけを使用するには、このドライバのバージョン 1.3.7 以降をインストールする必要があります。弊社認定の PCI-33 アドオンカードを使用する場合は、このドライバのバージョン 1.3.10 以降をインストールする必要があります。
バージョン 1.3.7 と 1.3.10 はともに、弊社で互換性テストに使用されており、インストールに問題がなく、事前に設定されたテストケースでもうまく動作することが確認されています。
これら最新の SCSI ドライバは、次の開発者向けサイトからダウンロードできます。
http://people.freebsd.org/~gibbs/linux/
最新バージョンへのアップグレードは、Sun Control Station ソフトウェアをアンインストールしてから実行する必要があります。AllStart モジュールには、プロファイルとクライアントの設定を維持できるよう、エクスポートとインポートのスクリプトが用意されています。ディストリビューションとペイロードの設定については、手動で作り直す必要があります。
1. コントロールステーションサーバーに root ユーザーとしてログオンします。
2. AllStart エクスポートスクリプトを実行します。次を入力します。
# /scs/sbin/as_export.pl -t profiles -f /tmp/profiles.xml
# /scs/sbin/as_export.pl -t clients -f /tmp/clients.xml
3. アンインストールしてから、Sun Control Station ソフトウェアを再インストールします。
手順については、『Sun Control Station ソフトウェアのインストール』を参照してください。
4. ディストリビューションとペイロードを以前と同じ名前で追加します。
手順については、このマニュアルから関連する項を参照してください。
5. AllStart インポートスクリプトを実行します。次を入力します。
# /scs/sbin/as_import.pl -f profiles -f /tmp/profiles.xml
# /scs/sbin/as_import.pl -f clients -f /tmp/clients.xml
インポートスクリプトとエクスポートスクリプトの詳細は、/scs/share/man/man1 に保存されているマニュアルページを参照してください。
カスタマイズを行うには、設定が上書きされないように Allstart モジュールに通知するコメント (Allstart: static) を、設定ファイルに追加します。
コメントは、行頭であれば、ファイルの任意の場所に挿入できます。いくつか例を示します。
/etc./exports => # Allstart:static
/etc/dhcpd.conf => # Allstart:static
/tftpboot/pxelinux.cfg/* => # Allstart:static
/scs/share/allstart/config/ks-*.cfg => # Allstart:static
/scs/share/allstart/config/ay-*.xml => <!-- # Allstart:static -->
AllStart で生成されたファイルに、<comment> <date> エントリが追加されました。
ほかのサービスと設定を共有するファイルについても、カスタマイズが可能です。設定ファイルの次の行の下に、カスタマイズする行を追加します。
Put custom additions below (Do not change/remove this line)
/etc/dhcpd.conf
/etc/exports
起動を完了して、クライアントが RPM とファイルを読み込んでいれば、インストールは適切に行われています。次に、ブート時とインストール時に起こりうる、よくある問題について説明します。
Terminal Windows は問題をデバッグする際に有効なツールです。
ビルド対象のクライアント上で Ctrl-Alt-<Fx> と押すと、いくつかの Terminal Windows を切り換えることができます。次のような Terminal Windows があります。
DHCP サーバーが動作していない、あるいは PXE 起動を制御しているファイルにエラーがある場合は、起動に失敗することがあります。
run tftp localhost
tftp> get pxelinux.0
Received 10205 bytes in 0.1 seconds
3. /tftpboot/pxelinux.0 が存在し、パーミッション 644 に設定されていること。
4. /tftpboot で、パーミッション 755 に設定されていること。
5. dhcpd が起動され、/etc/dhcpd.conf ファイル内にクライアント MAC アドレスのエントリが存在すること。
6. /tftpboot/pxelinux.cfg/netboot-$mac が存在すること。
7. netboot-$mac にシンボリックリンクする /tftpboot/pxelinux.cfg ファイル内の hex ファイルが、クライアントの作成時に入力される hex 形式の IP アドレスになっていること。
2. Sun Control Station サーバーの root ユーザーとして、/etc/xinetd.d/tftp ファイルを編集します。次のオプションを server_args 行に追加します。
server_args = -l -s /tftpboot
注 - Red Hat 7.3 の古いバージョンの tftp では、-l ではなく、-v オプションを使用する場合があります。これを確認するには、man ページで in.tftpd について調べてください。 |
3. 次に、クライアントをネットブートして、次のコマンドを実行します。
tail -f /var/log/messages
Control Station サーバーで、次のようなメッセージが表示されるはずです。
Mar 7 19:03:28 lx50 in.tftpd[31083]:sending pxelinux.0 Mar 7 19:03:28 lx50 in.tftpd[31084]:sending pxelinux.cfg/0A010A15 Mar 7 19:03:28 lx50 in.tftpd[31085]:sending JDSSUN-8.1-linux Mar 7 19:03:29 lx50 in.tftpd[31086]:sending JDSSUN-8.1-initrd
送信対象が JDSSUN-8.1-linux だけであり、クライアントに接続されている USB デバイス (キーボードやマウスを含む) のあることがわかっている場合は、そのデバイスを外してからもう一度クライアントをネットブートしてみてください。
4. 考えられるもう一つの解決法は、BIOS で USB の旧式のサポートをオフにすることです。
クライアント構成で選択したブートインタフェースが、DHCP リクエストが送信される際に使用されるインタフェースと適合していることを確認します。
Terminal Windows で、Ctrl-Alt-F3 を押して、インストールメッセージを表示します。
クライアントの「インストールのブート情報を構成」テーブルで、カーネルパラメータに次のような入力を追加します。
apm=off acpi=off
ide=nodma apm=off acpi=off vga=normal nosmp noapic
インストールが失敗するのは、多くの場合、システムが /tftpboot/pxelinux.cfg/netboot-$mac 内にリストされる ay-$mac.xml (Sun JDS の場合) または ks-$mac.cfg (Red Hat の場合) を見つけられないためです。
また、システムがインストールに必要なハードウェアを見つけられない (たとえば、適切な SCSI ドライバが読み込めない) ために、この段階でインストールが失敗することもあります。
NFS の使用時は、portmap および nfs サービスが起動されていることを確認してください。
HTTP の使用時は、http://x.x.x.x/allstart/config/ を参照してみてください。ここで、<x.x.x.x> は使用するクライアントの IP アドレスです。
ksconfig ファイル内にエラーがあれば、ここで問題が明らかになります。問題としては、無効なディスクパーティション設定や、無効なパッケージ設定などがあります。
Sun JDS の場合は、次のファイル内のエラーを訂正します。
/scs/share/allstart/config/ay-$mac.xml
Red Hat の場合は、次のファイル内のエラーを訂正します。
/scs/share/allstart/config/ks-$mac.cfg
起動を完了して、クライアントが RPM を読み込んでいれば、インストールは適切に行われています。
ビルドがハングし、コントロールステーションの /var/log/messages ファイルに次のようなメッセージが表示される場合は、クライアントシステムのビルドすべきファイルシステムのマウントに問題があります。
エラーメッセージ: Oct 25 20:12:21 machine1 rpc.mountd:authenticated mount request from 192.168.1.88:518 for /scs/share/allstart/jumpstart/2/Solaris_9/Tools/Boot (/scs/share/allstart/jumpstart) (このメッセージが 7 回繰り返して表示されます。)
NFS と競合する問題がほかにないことを確認します。NFS サービスを再起動します。次を入力します。
% /etc/rc.d/init.d/nfslock stop
% /etc/rc.d/init.d/portmap stop
% /etc/rc.d/init.d/portmap start
% /etc/rc.d/init.d/nfslock start
Solaris 9 x86 以外の対応 OS の NFS ビルドパフォーマンスを向上する手順は、次のとおりです。
1. 次のファイルを削除します。/etc/sysconfig/nfs
% /etc/rc.d/init.d/nfs restart
クライアントをあるオペレーティグシステムから別のオペレーティングシステム向けに再ビルドする場合、ディスクのパーティションに関するエラーが発生することがあります。これを訂正するには、次のことを試してください。
1. クライアントシステムの電源を一度切断してからもう一度投入し、ハードリセットを行います。
その後、クライアントを再ブ−トして、そのクライアント上でもう一度ビルドプロセスを実行します。
2. これでもエラーが訂正されない場合は、ご使用のハードディスクドライブに低レベルのフォーマットを行います。
その後、クライアントを再ブ−トして、そのクライアント上でもう一度ビルドプロセスを実行します。
Sun JDS クライアントのビルドプロセスで、出力をシリアルコンソールにリダイレクトすることができます。その場合、ビルドプロセスの実行中にシリアルコンソールを切断しないでください。
ビルドプロセスの実行中に切断を行うと、ビルドが中断されたり、ビルドプロセスが異常終了する場合があります。
シリアルコンソールに接続し直すと、ビルドプロセスは継続して行われる場合もありますが、しない場合もあります。これは使用中のシリアルコンソールのソフトウェアによって左右されます。
Sun JDS クライアントを作成している場合、次のカーネルパラメータを指定する必要があります。
これは Advanced Configuration and Power Interface (ACPI) 機能をオフにします。
これは APM (Advanced Power Management) 機能をオフにします。
これらのパラメータが設定されていない場合は、設定されるようにクライアントを修正してください。クライアントの修正 を参照してください。
エラーメッセージ : "Press <RETURN> to see the video modes available, <SPACE> to continue or wait 30 secs."
このエラーメッセージが表示された場合は、選択しているフレームバッファが正しくありません。これではクライアントのビルド後に X11 が正しく開始されません。
このフレームバッファ値は、このクライアントのプロファイルの X11 構成オプションに設定された、解像度と色深度の設定値に基づいています。「X11 設定を自動的に検出しない」を選択している場合、デフォルト値は「1024 x 768 x 16」です。
必要に応じて、このパラメータはクライアントの「インストールのブート情報を構成」画面で上書きできます。クライアントのカーネルパラメータに次のような行を追加します。
フレームバッファがインストールされていない場合
vga=normal
フレームバッファを別のモードに設定します。上記のプロンプトで、好みのモードでスキャンを行い、対応する 16 進値をここに入力します。たとえば、次のように入力します。
vga=0x31e
Control Station の UI によってこのパラメータを変更したくない場合は、ファイル /tftpboot/pxelinux.cfg/netboot-* を編集します。ここで、* は MAC アドレスまたは default-[name] で、これはクライアントのタイプによって決まります。このファイルの vga= パラメータを修正します。
注 - ペイロード、プロファイル、またはクライアントを修正する場合は、Control Station の UI によってこれらの変更を上書きします。 |
すでにユニットをビルド済みであるにもかかわらずこのエラーメッセージが表示され、表示されないようにしたい場合は、ファイル /boot/grub/menu.lst を編集します。vga= パラメータを上記のように変更します
http://www.tldp.org/HOWTO/Framebuffer-HOWTO.html
Sun JDS クライアント上でのビルドプロセスの完了後に X11 が起動しない。
フレームバッファが正しく機能していることを確認します。フレームバッファの問題を訂正するのが、X11 が正しく動作していることを確認する最も手っ取り早い方法です。
フレームバッファの問題を参照してください。
Red Hat 2.1 を Red Hat 2.1 サーバーからビルドする場合、ビルド中に次のような Red Hat の Anaconda エラーメッセージが表示されることがあります。
Traceback (innermost last)
File "/usr/bin/anaconda", line 598, in instClass.setInstallData(id)
File "/usr/src/build/110263-i386/install/usr/lib/anaconda/Kickstart.py"
line 839 in setInstallData
File "/usr/src/build/110263-i386/install/usr/lib/anaconda/Kickstart.py"
line 556, in readKickstart
1) クライアントで実行している Red Hat 2.1 のアップデートバージョンを Sun Control Station サーバー上でも実行します。
たとえば、Sun Control Station サーバーで Red Hat 2.1u4 を実行している場合、Red Hat 2.1u3 ではなくこのバージョンをクライアントにインストールします。
2) HTTP ではなく NFS でクライアントをビルドします。
クライアントの最初の画面で、「インストールのタイプ」ドロップダウンメニューから「nfs」を選択します。
Sun Fire v20z ハードウェア上で RHEL3.0 AMD 64 ビットバージョンのクライアントをビルド中に scsi mptscsih ドライバをインストールすると、AllStart がハングすることがあります。
最新の RHEL3.0 アップデートバージョンをロードします。RHEL3.0u3 AMD 64 ビットを検証して、Sun Fire v20z ハードウェアにインストールします。
AllStart モジュールの実行する RAID 設定検証の内容は、ごく限定的なものです。AllStart プロファイルから正常に作成した RAID 設定は、必ずしも SuSE などの OS ベンダーによってサポートされているとは限りません。
特定の情報については、オペレーティングシステムソフトウェアに付属するベンダーマニュアルを参照してください。
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