Logical Domains ソフトウェアをサポートする Sun プラットフォームは、Solaris 10 OS がプリインストールされた状態で出荷されます。初期状態では、プラットフォームは 1 つのオペレーティングシステムのみをホストする単一のシステムとして示されます。Solaris OS、システムファームウェア、および Logical Domains Manager をインストールすると、Solaris OS の元のシステムおよびインスタンスが制御ドメインになります。プラットフォームのこの最初のドメインには、primary という名前が付けられます。この名前を変更したり、このドメインを削除したりすることはできません。このドメインから、Solaris OS のさまざまなインスタンスをホストする複数のドメインを持つようにプラットフォームを再構成できます。
新しいシステムでは、インストールポリシーに一致するように OS を再インストールする必要がある場合があります。この場合、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須および推奨される Solaris OS」 を参照して、このバージョンの Logical Domains ソフトウェアで使用する必要のある Solaris 10 OS を調べてください。Solaris OS をインストールする詳細な手順については、使用している Solaris 10 OS のインストールマニュアルを参照してください。インストール内容は、使用しているシステムの要件に合わせて調整できます。
システムがすでにインストールされている場合は、このバージョンの Logical Domains ソフトウェアを使用するために必要な適切な Solaris 10 OS にアップグレードする必要があります。このバージョンの Logical Domains ソフトウェアで使用する必要のある Solaris 10 OS、および必須パッチと推奨されるパッチを調べるには、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須のソフトウェアとパッチ」 を参照してください。Solaris OS をアップグレードするための手順全体は、「Solaris 10 10/09 Release and Installation Collection」を参照してください。
次のタスクでは、Advanced Lights Out Manager (ALOM) ソフトウェアを使用してシステムファームウェアを更新する方法を示します。
Integrated Lights Out Manager (ILOM) ソフトウェアを使用したシステムファームウェアの更新については、『Sun SPARC Enterprise T5120 and T5220 Servers Topic Set』の「Update the Firmware」を参照してください。
使用しているプラットフォームのシステムファームウェアは、SunSolve サイトから入手できます。
サポートされるサーバーで必要なシステムファームウェアについては、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「システムファームウェアの必須パッチ」 を参照してください。
この手順では、サービスプロセッサで flashupdate コマンドを使用してシステムファームウェアをアップグレードする方法について説明します。
ローカル FTP サーバーへアクセスできない場合は、「FTP サーバーを使用せずに、システムファームウェアをアップグレードする」 を参照してください。
制御ドメインからシステムファームウェアを更新する場合は、使用しているシステムファームウェアのリリースノートを参照してください。
サポートされるサーバーのシステムファームウェアのインストールおよび更新については、そのサーバーの管理マニュアルまたはプロダクトノートを参照してください。
サービスプロセッサに接続されたシリアルまたはネットワークのいずれかの管理ポートを使用して、ホストサーバーを停止して電源を切ります。
# shutdown -i5 -g0 -y |
使用しているサーバーに応じて、flashupdate コマンドを使用してシステムファームウェアをアップグレードします。
ファームウェアをアップグレードする方法の詳細は、プラットフォームのマニュアルを参照してください。
次に、flashupdate コマンドのサンプルを示します。
sc> flashupdate -s IP-address -f path/Sun_System_Firmware- x_x_x_build_nn-server-name.bin username: your-userid password: your-password |
各表記の意味は次のとおりです。
IP-address は、使用している FTP サーバーの IP アドレスです。
path は、システムファームウェアイメージを入手できる SunSolvesm 内の場所または独自のディレクトリです。
x_x_x は、システムファームウェアのバージョン番号です。
nn は、このリリースに適用されるビルド番号です。
server-name は、使用しているサーバーの名前です。たとえば、SPARC® Enterprise T5440 サーバーの server-name は SPARC_Enterprise_T5440 です。
サービスプロセッサをリセットします。
sc> resetsc -y |
ホストサーバーの電源を入れて起動します。
sc> poweron -c ok boot disk |
サービスプロセッサにファームウェアをアップロードするためのローカル FTP サーバーにアクセスできない場合は、sysfwdownload ユーティリティーを使用できます。このユーティリティーは、システムファームウェアアップグレードパッケージとともに SunSolve サイトで提供されています。
Solaris OS 内で次のコマンドを実行します。
# cd firmware_location # sysfwdownload system_firmware_file |
Solaris OS インスタンスを停止します。
# shutdown -i5 -g0 -y |
システムの電源を切り、ファームウェアを更新します。
sc> poweroff -fy sc> flashupdate -s 127.0.0.1 |
サービスプロセッサをリセットしてシステムの電源を入れます。
sc> resetsc -y sc> poweron |
Sun のソフトウェアダウンロードサイトから zip ファイル (LDoms_Manager-1_3.zip) をダウンロードします。
ソフトウェアは http://www.sun.com/servers/coolthreads/ldoms/get.jsp で入手できます。
zip ファイルを解凍します。
$ unzip LDoms_Manager-1_3.zip |
ファイルの構造およびファイルの内容の詳細は、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「LDoms 1.3 ソフトウェアの場所」 を参照してください。
Logical Domains Manager ソフトウェアをインストールする方法は 3 つあります。
インストールスクリプトを使用してパッケージおよびパッチをインストールします。この方法では Logical Domains Manager ソフトウェアは自動的にインストールされます。「Logical Domains Manager ソフトウェアの自動的なインストール」 を参照してください。
JumpStart を使用してパッケージをインストールします。「JumpStart を使用した Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアのインストール」 を参照してください。
パッケージを手動でインストールします。「Logical Domains Manager ソフトウェアの手動によるインストール」 を参照してください。
Logical Domains パッケージをインストールしたあとで、LDoms MIB ソフトウェアパッケージを手動でインストールする必要があります。これは、ほかのパッケージとともに自動的にはインストールされません。LDoms MIB のインストールおよび使用法の詳細は、『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Administration Guide』を参照してください。
install-ldm インストールスクリプトを使用する場合、スクリプトの実行方法を指定する選択肢がいくつかあります。それぞれの選択肢について、次の手順で説明します。
オプションを指定せずに install-ldm スクリプトを使用すると、自動的に次の処理を行います。
Solaris OS リリースが Solaris 10 10/09 OS 以上であることを確認します。
パッケージのサブディレクトリである SUNWldm/ および SUNWldmp2v/ が存在することを確認します。
前提条件となる Solaris Logical Domains ドライバパッケージの SUNWldomr および SUNWldomu が存在することを確認します。
SUNWldm および SUNWldmp2v パッケージがインストールされていないことを確認します。
Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアをインストールします。
すべてのパッケージがインストールされていることを確認します。
Solaris Security Toolkit (SUNWjass) がすでにインストールされている場合、制御ドメインの Solaris OS の強化を求めるプロンプトが表示されます。
Logical Domains Configuration Assistant (ldmconfig) を使用してインストールを実行するかどうかを判断します。
-c オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、ソフトウェアのインストール後に自動的に Logical Domains Configuration Assistant を実行します。
-s オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、Logical Domains Configuration Assistant の実行をスキップします。
Solaris Security Toolkit ソフトウェアとともに install-ldm スクリプトおよび次のオプションを使用すると、次の操作を実行できます。
install-ldm -d。-secure.driver で終わるドライバ以外の Solaris Security Toolkit ドライバを指定できます。このオプションは、前述の選択肢で示したすべての機能を自動的に実行し、Solaris Security Toolkit のカスタマイズドライバ (たとえば server-secure-myname.driver) を指定して制御ドメインの Solaris OS を強化します。
install-ldm -d none。Solaris Security Toolkit を使用して制御ドメインで実行している Solaris OS を強化しないことを指定します。このオプションは、前述の選択肢で示した強化以外のすべての機能を自動的に実行します。Solaris Security Toolkit の使用を省略することはお勧めしません。別の処理を使用して制御ドメインを強化する場合にかぎり、この使用を省略するようにしてください。
install-ldm -p。Logical Domains Manager デーモン (ldmd) の有効化および Solaris Security Toolkit の実行といったインストール後の処理のみを実行することを指定します。たとえば、SUNWldm および SUNWjass パッケージがサーバーにプリインストールされている場合に、このオプションを使用します。
JumpStart の使用法の詳細は、『JumpStart Technology: Effective Use in the Solaris Operating Environment』を参照してください。
ネットワークインストール中は、仮想コンソールから接続を解除しないでください。
この手順の詳細は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』 を参照してください。
『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』 を参照してください。
次の手順を実行します。
『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の「作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備」 を参照してください。
「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」の手順に従って、ネットワークに接続されたシステムを設定します。
「rules ファイルの作成」の手順に従って、rules ファイルを作成します。
「rules ファイルの妥当性を検査する」の手順に従って、rules ファイルの妥当性検査を行います。
Sun のソフトウェアダウンロードサイトから、Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアの SUNWldm パッケージと SUNWldmp2v パッケージをダウンロードします。具体的な手順については、「ソフトウェアをダウンロードする」 を参照してください。
pkgadd コマンドを使用して、SUNWldm.v パッケージと SUNWldmp2v パッケージをインストールします。
pkgadd コマンドの詳細は、pkgadd(1M) マニュアルページを参照してください。
-G オプションはパッケージを大域ゾーンのみにインストールし、-d オプションは SUNWldm.v パッケージと SUNWldmp2v パッケージが含まれるディレクトリのパスを指定します。
# pkgadd -Gd . SUNWldm.v SUNWldmp2v |
対話型プロンプトのすべての質問に対して、y (はい) と答えます。
pkginfo コマンドを使用して、Logical Domains Manager 1.3 パッケージの SUNWldm と SUNWldmp2v がインストールされていることを確認します。
pkginfo コマンドの詳細は、pkginfo(1) マニュアルページを参照してください。
バージョン (REV) 情報の例を次に示します。
# pkginfo -l SUNWldm | grep VERSION VERSION=1.3,REV=2009.12.03.10.20 |
install-ldm インストールスクリプトを使用すると、Logical Domains Manager デーモン (ldmd) が自動的に有効になります。SUNWldm パッケージをインストールした場合も、ldmd デーモンは自動的に有効になります。このデーモンが有効になると、論理ドメインを作成、変更、および制御できます。
ldmd デーモンが無効になっている場合、次の手順に従ってこのデーモンを有効にします。
svcadm コマンドを使用して、Logical Domains Manager デーモンの ldmd を有効にします。
svcadm コマンドの詳細は、svcadm(1M) マニュアルページを参照してください。
# svcadm enable ldmd |
ldm list コマンドを使用して、Logical Domains Manager デーモンが実行中であることを確認します。
ldm list コマンドを実行すると、システム上で現在定義されているすべてのドメインが一覧表示されます。特に、primary ドメインが表示され、状態が active になっているはずです。次のサンプル出力は、システム上に primary ドメインのみが定義されていることを示します。
# /opt/SUNWldm/bin/ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active ---c- SP 64 3264M 0.3% 19d 9m |