この章では、Logical Domains (LDoms) 1.3 ソフトウェアを有効にするために必要なさまざまなソフトウェアコンポーネントをインストールまたはアップグレードする方法について説明します。LDoms ソフトウェアを使用するには、次のコンポーネントが必要です。
サポートされるプラットフォーム。サポートされるプラットフォームの一覧については、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「サポートされるプラットフォーム」 を参照してください。
『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須のソフトウェアとパッチ」で推奨されるすべてのパッチが適用された、Solaris 10 10/09 OS 以上のオペレーティングシステムが動作している制御ドメイン。「Solaris OS のアップグレード」 を参照してください。
Sun UltraSPARC T2 または T2 Plus プラットフォーム用のシステムファームウェア Version 7.2.6 以上。「システムファームウェアのアップグレード」 を参照してください。
制御ドメインにインストールされて有効になっている LogicalDomains1.3 ソフトウェア。「Logical Domains Manager のインストール」 を参照してください。
(省略可能) Logical Domains Management Information Base (MIB) ソフトウェアパッケージ。LDoms MIB の使用法の詳細は、『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Administration Guide』 を参照してください。
Logical Domains Manager をインストールまたはアップグレードする前に、Solaris OS およびシステムファームウェアが、使用しているサーバーでインストールまたはアップグレードされている必要があります。システムですでに Logical Domains ソフトウェアを使用している場合、「Logical Domains をすでに使用しているシステムのアップグレード」 を参照してください。そうでない場合は、「新しいシステムへの Logical Domains ソフトウェアのインストール」 を参照してください。
この章の内容は次のとおりです。
Solaris Security Toolkit ソフトウェアは Logical Domains ソフトウェアと同梱されなくなりました。最新バージョンの Solaris Security Toolkit ソフトウェアを使用する場合、『Logical Domains 1.3 リリースノート』 を参照してください。
Logical Domains ソフトウェアをサポートする Sun プラットフォームは、Solaris 10 OS がプリインストールされた状態で出荷されます。初期状態では、プラットフォームは 1 つのオペレーティングシステムのみをホストする単一のシステムとして示されます。Solaris OS、システムファームウェア、および Logical Domains Manager をインストールすると、Solaris OS の元のシステムおよびインスタンスが制御ドメインになります。プラットフォームのこの最初のドメインには、primary という名前が付けられます。この名前を変更したり、このドメインを削除したりすることはできません。このドメインから、Solaris OS のさまざまなインスタンスをホストする複数のドメインを持つようにプラットフォームを再構成できます。
新しいシステムでは、インストールポリシーに一致するように OS を再インストールする必要がある場合があります。この場合、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須および推奨される Solaris OS」 を参照して、このバージョンの Logical Domains ソフトウェアで使用する必要のある Solaris 10 OS を調べてください。Solaris OS をインストールする詳細な手順については、使用している Solaris 10 OS のインストールマニュアルを参照してください。インストール内容は、使用しているシステムの要件に合わせて調整できます。
システムがすでにインストールされている場合は、このバージョンの Logical Domains ソフトウェアを使用するために必要な適切な Solaris 10 OS にアップグレードする必要があります。このバージョンの Logical Domains ソフトウェアで使用する必要のある Solaris 10 OS、および必須パッチと推奨されるパッチを調べるには、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須のソフトウェアとパッチ」 を参照してください。Solaris OS をアップグレードするための手順全体は、「Solaris 10 10/09 Release and Installation Collection」を参照してください。
次のタスクでは、Advanced Lights Out Manager (ALOM) ソフトウェアを使用してシステムファームウェアを更新する方法を示します。
Integrated Lights Out Manager (ILOM) ソフトウェアを使用したシステムファームウェアの更新については、『Sun SPARC Enterprise T5120 and T5220 Servers Topic Set』の「Update the Firmware」を参照してください。
使用しているプラットフォームのシステムファームウェアは、SunSolve サイトから入手できます。
サポートされるサーバーで必要なシステムファームウェアについては、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「システムファームウェアの必須パッチ」 を参照してください。
この手順では、サービスプロセッサで flashupdate コマンドを使用してシステムファームウェアをアップグレードする方法について説明します。
ローカル FTP サーバーへアクセスできない場合は、「FTP サーバーを使用せずに、システムファームウェアをアップグレードする」 を参照してください。
制御ドメインからシステムファームウェアを更新する場合は、使用しているシステムファームウェアのリリースノートを参照してください。
サポートされるサーバーのシステムファームウェアのインストールおよび更新については、そのサーバーの管理マニュアルまたはプロダクトノートを参照してください。
サービスプロセッサに接続されたシリアルまたはネットワークのいずれかの管理ポートを使用して、ホストサーバーを停止して電源を切ります。
# shutdown -i5 -g0 -y |
使用しているサーバーに応じて、flashupdate コマンドを使用してシステムファームウェアをアップグレードします。
ファームウェアをアップグレードする方法の詳細は、プラットフォームのマニュアルを参照してください。
次に、flashupdate コマンドのサンプルを示します。
sc> flashupdate -s IP-address -f path/Sun_System_Firmware- x_x_x_build_nn-server-name.bin username: your-userid password: your-password |
各表記の意味は次のとおりです。
IP-address は、使用している FTP サーバーの IP アドレスです。
path は、システムファームウェアイメージを入手できる SunSolvesm 内の場所または独自のディレクトリです。
x_x_x は、システムファームウェアのバージョン番号です。
nn は、このリリースに適用されるビルド番号です。
server-name は、使用しているサーバーの名前です。たとえば、SPARC® Enterprise T5440 サーバーの server-name は SPARC_Enterprise_T5440 です。
サービスプロセッサをリセットします。
sc> resetsc -y |
ホストサーバーの電源を入れて起動します。
sc> poweron -c ok boot disk |
サービスプロセッサにファームウェアをアップロードするためのローカル FTP サーバーにアクセスできない場合は、sysfwdownload ユーティリティーを使用できます。このユーティリティーは、システムファームウェアアップグレードパッケージとともに SunSolve サイトで提供されています。
Solaris OS 内で次のコマンドを実行します。
# cd firmware_location # sysfwdownload system_firmware_file |
Solaris OS インスタンスを停止します。
# shutdown -i5 -g0 -y |
システムの電源を切り、ファームウェアを更新します。
sc> poweroff -fy sc> flashupdate -s 127.0.0.1 |
サービスプロセッサをリセットしてシステムの電源を入れます。
sc> resetsc -y sc> poweron |
Sun のソフトウェアダウンロードサイトから zip ファイル (LDoms_Manager-1_3.zip) をダウンロードします。
ソフトウェアは http://www.sun.com/servers/coolthreads/ldoms/get.jsp で入手できます。
zip ファイルを解凍します。
$ unzip LDoms_Manager-1_3.zip |
ファイルの構造およびファイルの内容の詳細は、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「LDoms 1.3 ソフトウェアの場所」 を参照してください。
Logical Domains Manager ソフトウェアをインストールする方法は 3 つあります。
インストールスクリプトを使用してパッケージおよびパッチをインストールします。この方法では Logical Domains Manager ソフトウェアは自動的にインストールされます。「Logical Domains Manager ソフトウェアの自動的なインストール」 を参照してください。
JumpStart を使用してパッケージをインストールします。「JumpStart を使用した Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアのインストール」 を参照してください。
パッケージを手動でインストールします。「Logical Domains Manager ソフトウェアの手動によるインストール」 を参照してください。
Logical Domains パッケージをインストールしたあとで、LDoms MIB ソフトウェアパッケージを手動でインストールする必要があります。これは、ほかのパッケージとともに自動的にはインストールされません。LDoms MIB のインストールおよび使用法の詳細は、『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Administration Guide』を参照してください。
install-ldm インストールスクリプトを使用する場合、スクリプトの実行方法を指定する選択肢がいくつかあります。それぞれの選択肢について、次の手順で説明します。
オプションを指定せずに install-ldm スクリプトを使用すると、自動的に次の処理を行います。
Solaris OS リリースが Solaris 10 10/09 OS 以上であることを確認します。
パッケージのサブディレクトリである SUNWldm/ および SUNWldmp2v/ が存在することを確認します。
前提条件となる Solaris Logical Domains ドライバパッケージの SUNWldomr および SUNWldomu が存在することを確認します。
SUNWldm および SUNWldmp2v パッケージがインストールされていないことを確認します。
Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアをインストールします。
すべてのパッケージがインストールされていることを確認します。
Solaris Security Toolkit (SUNWjass) がすでにインストールされている場合、制御ドメインの Solaris OS の強化を求めるプロンプトが表示されます。
Logical Domains Configuration Assistant (ldmconfig) を使用してインストールを実行するかどうかを判断します。
-c オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、ソフトウェアのインストール後に自動的に Logical Domains Configuration Assistant を実行します。
-s オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、Logical Domains Configuration Assistant の実行をスキップします。
Solaris Security Toolkit ソフトウェアとともに install-ldm スクリプトおよび次のオプションを使用すると、次の操作を実行できます。
install-ldm -d。-secure.driver で終わるドライバ以外の Solaris Security Toolkit ドライバを指定できます。このオプションは、前述の選択肢で示したすべての機能を自動的に実行し、Solaris Security Toolkit のカスタマイズドライバ (たとえば server-secure-myname.driver) を指定して制御ドメインの Solaris OS を強化します。
install-ldm -d none。Solaris Security Toolkit を使用して制御ドメインで実行している Solaris OS を強化しないことを指定します。このオプションは、前述の選択肢で示した強化以外のすべての機能を自動的に実行します。Solaris Security Toolkit の使用を省略することはお勧めしません。別の処理を使用して制御ドメインを強化する場合にかぎり、この使用を省略するようにしてください。
install-ldm -p。Logical Domains Manager デーモン (ldmd) の有効化および Solaris Security Toolkit の実行といったインストール後の処理のみを実行することを指定します。たとえば、SUNWldm および SUNWjass パッケージがサーバーにプリインストールされている場合に、このオプションを使用します。
JumpStart の使用法の詳細は、『JumpStart Technology: Effective Use in the Solaris Operating Environment』を参照してください。
ネットワークインストール中は、仮想コンソールから接続を解除しないでください。
この手順の詳細は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』 を参照してください。
『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』 を参照してください。
次の手順を実行します。
『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の「作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備」 を参照してください。
「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」の手順に従って、ネットワークに接続されたシステムを設定します。
「rules ファイルの作成」の手順に従って、rules ファイルを作成します。
「rules ファイルの妥当性を検査する」の手順に従って、rules ファイルの妥当性検査を行います。
Sun のソフトウェアダウンロードサイトから、Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアの SUNWldm パッケージと SUNWldmp2v パッケージをダウンロードします。具体的な手順については、「ソフトウェアをダウンロードする」 を参照してください。
pkgadd コマンドを使用して、SUNWldm.v パッケージと SUNWldmp2v パッケージをインストールします。
pkgadd コマンドの詳細は、pkgadd(1M) マニュアルページを参照してください。
-G オプションはパッケージを大域ゾーンのみにインストールし、-d オプションは SUNWldm.v パッケージと SUNWldmp2v パッケージが含まれるディレクトリのパスを指定します。
# pkgadd -Gd . SUNWldm.v SUNWldmp2v |
対話型プロンプトのすべての質問に対して、y (はい) と答えます。
pkginfo コマンドを使用して、Logical Domains Manager 1.3 パッケージの SUNWldm と SUNWldmp2v がインストールされていることを確認します。
pkginfo コマンドの詳細は、pkginfo(1) マニュアルページを参照してください。
バージョン (REV) 情報の例を次に示します。
# pkginfo -l SUNWldm | grep VERSION VERSION=1.3,REV=2009.12.03.10.20 |
install-ldm インストールスクリプトを使用すると、Logical Domains Manager デーモン (ldmd) が自動的に有効になります。SUNWldm パッケージをインストールした場合も、ldmd デーモンは自動的に有効になります。このデーモンが有効になると、論理ドメインを作成、変更、および制御できます。
ldmd デーモンが無効になっている場合、次の手順に従ってこのデーモンを有効にします。
svcadm コマンドを使用して、Logical Domains Manager デーモンの ldmd を有効にします。
svcadm コマンドの詳細は、svcadm(1M) マニュアルページを参照してください。
# svcadm enable ldmd |
ldm list コマンドを使用して、Logical Domains Manager デーモンが実行中であることを確認します。
ldm list コマンドを実行すると、システム上で現在定義されているすべてのドメインが一覧表示されます。特に、primary ドメインが表示され、状態が active になっているはずです。次のサンプル出力は、システム上に primary ドメインのみが定義されていることを示します。
# /opt/SUNWldm/bin/ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active ---c- SP 64 3264M 0.3% 19d 9m |
この節では、Logical Domains ソフトウェアをすでに使用しているシステムで Solaris OS、ファームウェア、および Logical Domains Manager コンポーネントをアップグレードするプロセスについて説明します。
使用しているシステムですでに Logical Domains ソフトウェアが構成されている場合は、その制御ドメインをアップグレードする必要があります。LogicalDomains1.3 ソフトウェアのすべての機能を使用可能にする場合は、その他の既存のドメインもアップグレードする必要があります。
このバージョンの Logical Domains ソフトウェアで使用する必要のある Solaris 10 OS、および各種ドメインに必須および推奨されるパッチを調べるには、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「必須のソフトウェアとパッチ」 を参照してください。Solaris OS をアップグレードする詳細な手順については、Solaris 10 のインストールマニュアルを参照してください。
制御ドメインで Solaris OS を再インストールする場合、この節に示すとおり、Logical Domains の自動保存構成データおよび制約データベースファイルを保存および復元する必要があります。
Logical Domains 1.2 リリース以降では、制御ドメインでオペレーティングシステムを再インストールする前に、自動保存構成ディレクトリを保存および復元できます。制御ドメインでオペレーティングシステムを再インストールするたびに、Logical Domains の自動保存構成データを保存および復元する必要があります。このデータは、/var/opt/SUNWldm/autosave-autosave-name ディレクトリに格納されています。
tar または cpio コマンドを使用して、ディレクトリのすべての内容を保存および復元できます。
各自動保存ディレクトリには、関連する構成の前回の SP 構成更新のタイムスタンプが含まれています。自動保存ファイルを復元すると、タイムスタンプが同期しなくなることがあります。この場合、復元された自動保存構成は、以前の状態 ([newer] または最新) で表示されます。
自動保存構成の詳細は、「Logical Domains 構成の管理」 を参照してください。
この手順は、自動保存ディレクトリを保存および復元する方法を示します。
自動保存ディレクトリを保存します。
# cd / # tar -cvf autosave.tar var/opt/SUNWldm/autosave-* |
(省略可能) クリーンな復元操作を行えるように、既存の自動保存ディレクトリを削除します。
自動保存ディレクトリには、以前の構成によって残されたファイルなどの不要なファイルが含まれていることがあります。このようなファイルは、SP にダウンロードされた構成を破壊することがあります。このような場合、この例に示すとおり、復元操作の前に自動保存ディレクトリを削除します。
# cd / # rm -rf var/opt/SUNWldm/autosave-* |
自動保存ディレクトリを復元します。
これらのコマンドは、/var/opt/SUNWldm ディレクトリ内のファイルおよびディレクトリを復元します。
# cd / # tar -xvf autosave.tar |
制御ドメインでオペレーティングシステムをアップグレードするたびに、/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml で参照できる Logical Domains の制約データベースファイルを保存および復元する必要があります。
また、ディスクスワップなど、制御ドメインのファイルデータを破損するその他の操作を行うときは、/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml ファイルも保存および復元します。
制御ドメインで Live Upgrade を使用する場合は、/etc/lu/synclist ファイルに次の行を追加することを検討してください。
/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml OVERWRITE |
これによって、データベースがアクティブなブート環境から新しいブート環境に自動的にコピーされます。/etc/lu/synclist と、ブート環境間でのファイルの同期については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「ブート環境間でのファイルの同期」 を参照してください。
制御ドメインで Solaris 10 5/08 OS より前のバージョンの Solaris 10 OS (またはパッチ 127127-11 が適用されていない Solaris 10 OS) からのアップグレードを行う場合、およびボリュームマネージャーのボリュームが仮想ディスクとしてエクスポートされている場合は、Logical Domain Manager をアップグレードしたあとに、options=slice を指定して仮想ディスクバックエンドを再エクスポートする必要があります。詳細は、「ボリュームのエクスポートおよび下位互換性」 を参照してください。
この節では、LogicalDomains1.3 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
まず、Logical Domains Manager を制御ドメインにダウンロードします。「Logical Domains Manager のダウンロード」 を参照してください。
次に、プラットフォーム上で動作している制御ドメイン以外のすべてのドメインを停止します。
各ドメインで ok プロンプトに移行します。
制御ドメインから各ドメインに対して stop-domain サブコマンドを実行します。
primary# ldm stop-domain ldom |
制御ドメインから各ドメインに対して unbind-domain サブコマンドを実行します。
primary# ldm unbind-domain ldom |
この節では、LogicalDomains1.3 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
既存の LDoms 1.0 の設定を LogicalDomains1.3 ソフトウェアで使用する場合は、『Logical Domains 1.3 リリースノート』の「LDoms 1.0 ソフトウェアからのみアップグレードする」 に示す手順を実行してください。既存の LDoms 1.0 の設定は、LogicalDomains1.3 ソフトウェアでは機能しません。
より新しいバージョンの Logical Domains ソフトウェアからアップグレードする場合は、「Logical Domains 1.3 ソフトウェアにアップグレードする」 に示す手順を実行してください。このような既存の LDoms の設定は、LogicalDomains1.3 ソフトウェアでも機能します。
システムのファームウェアをフラッシュ更新します。
手順全体については、「システムファームウェアをアップグレードする」 または 「FTP サーバーを使用せずに、システムファームウェアをアップグレードする」 を参照してください。
Logical Domains Manager デーモン (ldmd) を無効にします。
# svcadm disable ldmd |
古い SUNWldm パッケージを削除します。
# pkgrm SUNWldm |
新しい SUNWldm パッケージを追加します。
-d オプションの指定は、パッケージが現在のディレクトリに存在することを前提としています。
# pkgadd -Gd . SUNWldm |
ldm list コマンドを使用して、Logical Domains Manager デーモンが実行中であることを確認します。
ldm list コマンドを実行すると、システム上で現在定義されているすべてのドメインが一覧表示されます。特に、primary ドメインが表示され、状態が active になっているはずです。次のサンプル出力は、システム上に primary ドメインのみが定義されていることを示します。
# ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active ---c- SP 32 3264M 0.3% 19d 9m |
プラットフォームが 1 つのオペレーティングシステムのみをホストする単一のシステムとして表示される初期構成は、出荷時デフォルト構成と呼ばれます。論理ドメインを無効にする場合には、他のドメインに割り当てられている可能性のあるすべてのリソース (CPU、メモリー、I/O) にシステムが再びアクセスできるように、この構成の復元も必要になる場合があります。
この節では、すべてのゲストドメインを削除し、Logical Domains のすべての構成を削除し、構成を出荷時のデフォルトに戻す方法について説明します。
サービスプロセッサに格納されている論理ドメイン構成をすべて一覧表示します。
primary# ldm list-config |
factory-default 構成を除き、以前にサービスプロセッサ (SP) に保存されたすべての構成 (config-name) を削除します。
各構成に対して次のコマンドを使用します。
primary# ldm rm-config config-name |
以前に SP に保存されたすべての構成を削除すると、factory-default ドメインは、制御ドメイン (primary) が再起動されるときに使用される次のドメインになります。
--a オプションを使用して、すべてのドメインを停止します。
primary# ldm stop-domain -a |
primary ドメインを除き、すべてのドメインのバインドを解除します。
primary# ldm unbind-domain ldom |
分割 PCI 構成では、制御ドメインが必要とするサービスを I/O ドメインが提供している場合、その I/O ドメインのバインドを解除できないことがあります。この場合は、この手順をスキップします。
出荷時デフォルト構成を選択します。
primary# ldm set-config factory-default |
制御ドメインを停止します。
primary# shutdown -i1 -g0 -y |
factory-default 構成が読み込まれるように、システムの電源を切ってすぐに入れ直します。
sc> poweroff sc> poweron |
制御ドメインから Logical Domains Manager を無効にします。
primary# svcadm disable ldmd |
Logical Domains Manager を無効にしても動作中のドメインは停止しませんが、新しいドメインの作成、既存のドメインの構成の変更、またはドメインの状態の監視を行う機能は無効になります。
Logical Domains Manager を無効にすると、エラー報告、電源管理など、一部のサービスが無効になります。エラー報告については、factory-default 構成の場合は、単独のドメインを再起動してエラーの報告を復元することはできます。ただし、電源管理の場合にはこの方法は使用できません。また、一部のシステム管理または監視ツールは、Logical Domains Manager に依存しています。
出荷時デフォルト構成を復元して Logical Domains Manager を無効にしたあとで、Logical Domains Manager ソフトウェアを削除できます。
Logical Domains Manager ソフトウェアを削除します。
primary# pkgrm SUNWldm SUNWldmp2v |
出荷時デフォルト構成を復元する前に Logical Domains Manager を削除する場合は、次の手順に示すように、サービスプロセッサから出荷時デフォルト構成を復元できます。
出荷時デフォルト構成を復元する前に Logical Domains Manager を削除する場合は、サービスプロセッサから出荷時デフォルト構成を復元できます。