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会計関数

計算ツールには、図 8-11 に示すような会計関数があります。「Mode」キーのポップアップメニューから「会計 (Financial)」を選択して会計モードウィンドウを表示します。

図 8-11 会計関数

会計関数はメモリレジスタから必要な情報を読み出します。たとえば、分割払込の支払い額を決定するために、計算ツールは貸出量、利率、貸出期間を知っておく必要があります。会計関数ボタンの上でセレクトボタンをクリックする前に、この情報を適切なレジスタに記憶しなければなりません。数値をレジスタに記憶する方法については、「メモリレジスタ」を参照してください。

関数によって異なる各レジスタに入力する数値、および各関数の使い方について次に説明します。

「Ctrm」: 複利期間

「Ctrm」は、将来の投資価格に増やすために現在の投資価格に必要な複利期間数を計算し、複利期間ごとの固定金利を求めることができます。次の数値をメモリレジスタに記憶してください。

「Ctrm」の使用例

月複利で年利 9% を支払う口座に $8,000 を預金しました。投資を二倍にするのにかかる期間を判定したいとします。

レジスタ 0: 0.01 (利率 = 9%/12)   
レジスタ 1: 16000 (将来の価格)
レジスタ 2: 8000 (現在の価格)

「Ctrm」の上でセレクトボタンをクリックすると、92.76 が戻されます。これは $8,000 を二倍にするには 92.76 ケ月、つまりほとんど 8 年かかるということを示します。

「Ddb」: 二倍定率法の減価償却

「Ddb」は、二倍定率法により指定期間の資産の減価償却費を計算します。次の情報をメモリレジスタに記憶してください。

「Ddb」の使用例

$8,000 で事務用機器を購入しました。この機器の耐用年数は 6 年であり、6 年後の控除額は $900 です。二倍定率法を使って 4 年目の減価償却費を計算したいとします。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 8000 (資産の支払い額)
レジスタ 1: 900 (期間終わりの資産価格)
レジスタ 2: 6 (資産の有効年限)
レジスタ 3: 4 (減価償却費の期間)

「Ddb」の上でセレクトボタンをクリックすると、790.12 が戻されます。これは、4 年目の減価償却費が $790.12 であるということを示します。

「Fv」: 将来の価格

「Fv」は将来の投資価格の決定に使います。計算ツールは一連の同じ支払い額に基づいて将来の価格を計算し、期間内の支払い期間数に渡って期間利率を求めます。メモリレジスタには、次の数値を入れる必要があります。

「Fv」の使用例

この先 20 年間、毎年 $4,000 ずつ銀行口座に預金する予定であるとします。この口座は年複利で 8% の利息を支払います。利息は毎年最終日に支払われます。20 年間の勘定値を計算したいとします。年ごとに年の最終日に対する出資を作成します。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 4000 (定期的支払い額)
レジスタ 1: 0.08 (期間利率は 8% です)   
レジスタ 2: 20 (期間数)

「Fv」の上でセレクトボタンをクリックすると、183047.86、つまり 20 年後のドルの勘定値が戻されます。

「Pmt」: 定期的な支払い

「Pmt」を使うと、貸付の定期的な支払い額を計算することができます。ほとんどの分割払貸付は通常の年金のように計算されます。つまり、支払いは各支払い期間の終わりに行われます。次の情報をメモリレジスタに記憶します。

「Pmt」の使用例

年利 11.0% で 30 年間 $120,000 抵当を借り出すことを検討しています。月次返済額を決定したいとします。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 120000 (元本)   
レジスタ 1: 0.00916 (期間利率は 11.0%/12 です)    
レジスタ 2: 360 (期間 − 30 * 12)

「Pmt」の上でセレクトボタンをクリックすると、ドルの月次返済額 1142.06 が戻されます。

「Pv」: 現在の価格

「Pv」は現在の投資価格の判定に使います。計算ツールは、期間内の期間数に渡って期間利率で割引かれた一連の等価支払い額に基づいて現在の価格を計算します。次の情報がメモリレジスタから読み出されます。

「Pv」の使用例

1,000,000 ドルを獲得したとします。この賞金は、20 年間に渡って毎年 50,000 ドルずつ支払われます (20 年間で総額 1,000,000 ドルです)。毎年の支払いは、各年の終わりに受け取られます。

1,000,000 ドルの年金の代わりに総額 400,000 ドルの一括支払いを受け取れるオプションがあります。現在のドルではどちらのオプションが価値があるのか知りたいと思います。

毎年 50,000 ドルの支払いを受け取るとすると、年複利で 9% の利率で資金を投資するものとします。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 50000 (定期的な支払い)   
レジスタ 1: 0.09 (期間利率は 9% です)   
レジスタ 2: 20 (期間)

「Pv」の上でセレクトボタンをクリックすると、価格 456427.28 が戻されます。これは、20 年に渡って支払われる 1,000,000 ドルは現在のドルで $456,427 の価値があることを示します。

この仮定に基づくと、現在のドルでは 400,000 ドルの総額一括支払いは通常の 1,000,000 ドルの年金 (税引き前) よりも価値がありません。

「Rate」: 期間利率

「Rate」は期間利率の計算に使います。これは、期間内の指定された複利計算期間数で現在の価格が将来の価格に増えるのに必要な期間利息を戻します。次の情報をメモリレジスタに記憶します。

「Rate」の使用例

20,000 ドルを証券に投資したとします。証券は 5 年で満期となり満期時の価格は 30,000 ドルとなります。利息は月ごとに複利計算されます。この投資の期間利率を判定したいと思います。


注 -

メモリレジスタに情報を入力する前に、より正確な結果を得るために Acc (精度) キーのポップアップメニューから 5 の基数の位を選択します。


メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 30000 (将来の価格)   
レジスタ 1: 20000 (現在の価格)    
レジスタ 2: 60 (期間 − 5 * 12)

「Rate」の上でセレクトボタンをクリックすると、.00678 が戻されます。これは、期間利率 (毎月) が 0.678% で 1 ヶ月に 1% 未満であることを示します。年利を判定するには、上記の式に 12 を掛けます。結果は 8.14% となります。

「Sln」: 定額法の減価償却

「Sln」は、ある期間の資産の定額法の減価償却費を計算します。定額法では、減価可能な費用 (実費から期間の終わりの資産価格を引いたもの) を資産の有効年限で等分に除算します。有効年限は資産が減価償却される期間数であり、通常は年数となります。メモリレジスタを使って次の情報を記憶します。

「Sln」の使用例

事務用機器を 8,000 ドルで購入しました。この機器の耐用年数は 6 年であり、8 年間の控除額は 900 ドルです。定額法を使って毎年の減価償却費を計算します。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 8000 (資産の費用)   
レジスタ 1: 900 (期間の終わりの資産価格)   
レジスタ 2: 6 (資産の有効年限)

「Sln」の上でセレクトボタンをクリックすると、毎年のドル減価償却費 1183.33 が戻されます。

「Syd」: 総年数による減価償却

「Syd」は、総年数による減価償却費を計算します。この減価償却法では、早い期間により多くの減価償却費を発生させようと減価償却率が上昇します。減価可能な費用は実費から控除額を引いたものです。有効年限は資産が減価償却される期間数であり、通常は年数となります。メモリレジスタを使って次の情報を記憶します。

「Syd」の使用例

事務用機器を 8,000 ドルで購入しました。この機器の有効寿命は 6 年であり、8 年後のサルベージ価格は 900 ドルです。総年数法を使って 4 年目の減価償却費を計算します。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 8000 (資産の費用)  
レジスタ 1: 900 (期間の終わりの資産価格)  
レジスタ 2: 6 (資産の有効年限)   
レジスタ 3: 4 (減価償却の計算期間)

「Syd」の上でセレクトボタンをクリックすると、4 年目のドル減価償却費 1014.29 が戻されます。

「Term」: 支払い期間

「Term」は、指定した期間利率で利息が発生する将来の金額を貯蓄するために必要な通常の年金期間の支払い期間数を計算するのに使います。次の情報をメモリレジスタに記憶します。

「Term」の使用例

毎年の終わりに 1,800 ドルを銀行口座に貯金します。この口座では、1 年に 11% の年複利で利息が生じます。120,000 ドルを貯蓄するにはどのくらいの期間がかかるかを判定します。

メモリレジスタの使い方

レジスタ 0: 1800 (期間支払い)   
レジスタ 1: 120000 (将来の金額)   
レジスタ 2: 0.11 (期間利率は 11% です)

「Term」の上でセレクトボタンをクリックすると、口座に 120,000 ドルを貯蓄するためにかかる年数 20.32 が戻されます。