Solaris のインストール (上級編)

ネームサービスによる事前設定

SPARC 搭載システムの場合は、ネームサービス (NIS または NIS+) を編集してシステム構成情報を事前設定することをお勧めします。次の表に、設定する内容の概要を示します。

設定項目 

編集または生成する必要があるネームサービスデータベース 

ホスト名と IP アドレス 

hosts

日付と時刻 

hosts (インストール対象のシステムに日付と時刻を提供するシステムのホスト名で timehost というホストの別名を持つマシンを使用)

時間帯 

timezone

ネットマスク 

netmasks

システムのロケールを事前設定する手順は、ネームサービスごとに異なります。「NIS を使ってロケールを事前設定する方法」または 「NIS+ を使ってロケールを事前設定する方法」を参照してください。

NIS を使ってロケールを事前設定する方法

  1. ネームサーバー上でスーパーユーザーになって、/var/yp/Makefile ファイルを編集します。

    その他の *.time エントリの後に次のテキストを追加します。


    locale.time:  $(DIR)/locale
            -@if [ -f $(DIR)/locale ]; then ¥
                   sed -e "/^#/d" -e s/#.*$$// $(DIR)/locale ¥
                   | awk '{for (i = 2; i<=NF; i++) print $$i, $$0}' ¥
                   | $(MAKEDBM) - $(YPDBDIR)/$(DOM)/locale.byname; ¥
                   touch locale.time; ¥
                   echo "updated locale"; ¥
                   if [ ! $(NOPUSH) ]; then ¥
                           $(YPPUSH) locale.byname; ¥
                           echo "pushed locale"; ¥
                   else ¥
                   : ; ¥
                   fi ¥
            else ¥
                   echo "couldn't find $(DIR)/locale"; ¥
            fi
  2. all で始まる行に locale を追加し、新しい行に locale: locale.time を追加します。


    all: passwd group host ethers networks rpc services protocols 
    netgroup bootparams aliases ¥
    timezone locale
    locale: locale.time
    
  3. /etc/locale というファイルを作成し、ドメインごとまたは特定のシステムに対して1つのエントリを作成します。

    locale   domain_name
    

    または

    locale   system_name
    

    たとえば次の行は、worknet.com ドメインに対してデフォルト言語として日本語を指定しています。

    ja worknet.com

    たとえば次の行は、sherlock というシステムに対してデフォルトロケールとして日本語を指定しています。

    ja sherlock 

    詳細は、付録 E 「言語とロケールの値」 のロケールの有効な値を参照してください。


    注 -

    すべての Solaris CD で、すべてのロケールが使用できるわけではありません。選択したロケールが Solaris CD にある場合は、インストールで使用されます。


  4. マップを作成します。


    # cd /var/yp; make
    

これでドメインまたは locale マップで個別に指定したシステムは、デフォルトはロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。

NIS+ を使ってロケールを事前設定する方法

この手順は、NIS+ ドメインが設定されていると仮定しています。NIS+ ドメインの設定方法は、『Solaris ネーミングの管理』で説明しています。

  1. ネームサーバーに、スーパーユーザーまたは NIS+ admin グループのユーザーとしてログインします。

  2. 次の nistbladm コマンドを使って、locale テーブルを作成します。


    # nistbladm -D access=og=rmcd,nw=r -c locale_tbl name=SI,nogw= 
    locale=,nogw= comment=,nogw= locale.org_dir.`nisdefaults -d`
    
  3. 次の nistbladm コマンドを入力して locale テーブルにエントリを追加します。


    # nistbladm -a name=domain_name locale=locale comment=comment 
    locale.org_dir.`nisdefaults -d`
    

    domain_name

    ドメイン名または特定のシステム名。これはデフォルトロケールを事前設定する対象となる 

    locale

    システムにインストールし、システムのリブート後にデスクトップ表示で使用するロケール。使用できるロケール値のリストについては、付録 E 「言語とロケールの値」 を参照

    comment

    コメントフィールド。複数の単語を使ったコメントは、前後を二重引用符で囲むこと 


    注 -

    すべての Solaris CD で、すべてのロケールが使用できるわけではありません。選択したロケールが Solaris CD にある場合は、インストールで使用されます。


これでドメインまたは locale テーブルで個別に指定したシステムは、デフォルトはロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。