ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするには、インストールサーバーを (ほとんどの場合はブートサーバーも) 作成しなければなりません。この節では、次の方法について説明します。
Solaris CD をサーバーのハードディスクにコピーするか、Solaris CD をサーバーの CD-ROM ドライブからマウントすることによって、インストールサーバーを作成する方法
ネットワーク上で頻繁にインストールする予定がある場合は、Solaris CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーしてください。インストールサーバーのハードディスクからのネットワークインストールは、サーバーの CD-ROM ドライブからのインストールよりも高速です。また、ハードディスクを使用することによって、CD-ROM ドライブを他の目的に使用することもできます。
SunOS 4.1.x システムは、Solaris システムのインストールサーバーとしては使用できません。
サブネットごとに異なるブートサーバーを作成する方法 (システムがインストールサーバーと異なるサブネット上にあるときだけ必要)。異なるブートサーバーを作成する代わりに、サブネットごとにインストールサーバーを作成することもできます。ただし、この方法には、より多くのディスク容量または CD-ROM 資源が必要です。
インストールサーバーにするシステムにログインして、スーパーユーザーになります。
このシステムは、CD-ROM ドライブを持っていて、サイトのネットワークに接続されていて、ネームサービスに登録されていなければなりません。また、NIS ネームサービスか NIS+ ネームサービスに登録されていなければなりません。(NIS ネームサーバーか NIS+ ネームサーバーを使用していない場合は、サイトのポリシーに従って、このシステムについての情報を配布しなければなりません。)
この手順では、システムがボリューム管理を実行していると仮定しています。ボリューム管理なしで CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Solaris CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
ネットワーク上でシステムに提供する Solaris CD です。
Solaris CD をマウントします (必要な場合)。
ボリューム管理は、/cdrom/cdrom0/s0 または /cdrom/cdrom0/s2 上の Solaris CD を自動的にマウントします。
Solaris CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーするかどうかによって、次の手順を決定します。
コピーするかどうか |
次の手順 |
---|---|
Solaris CD をコピーする | |
Solaris CD をコピーしない |
マウントされている Solaris CD 上の Tools ディレクトリに移動します。
# cd Solaris_2.7/Tools |
setup_install_server コマンドを使用して、Solaris CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# ./setup_install_server install_dir_path |
install_dir_path |
Solaris CD のコピー先のディレクトリを指定する。このディレクトリは空でなければならない |
setup_install_server コマンドは、Solaris CD のためのディスク容量が十分あるかどうかを教えてくれます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。
Solaris CD をコピーした後、patchadd -C コマンドを使用すると、setup_install_server により作成されるネットワークインストールイメージ上にあるミニルート (つまり、Solaris_2.7/Tools/Boot) にあるファイルにパッチを適用できます。これにより、Solaris インストールコマンドと他のミニルートコマンドにパッチを適用できます。
インストールされるシステムと同じサブネット上にインストールサーバーがあるかどうかによって、次の手順を決定します。
インストールサーバーが同じサブネット上にあるかどうか |
次の手順 |
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インストールされるシステムと同じサブネット上にある場合 |
ブートサーバーを作成する必要はありません。「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」に進みます。 |
「ブートサーバーをサブネット上で作成する方法」の手順に従います。インストールされるシステムと同じサブネット上にインストールサーバーがない場合は、この手順を完了しなければなりません。 |
次の例は、Solaris CD をインストールサーバーの /export/install ディレクトリにコピーすることによって、インストールサーバーを作成します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.7/Tools # ./setup_install_server /export/install |
これで、インストールサーバーが作成されました。インストールサーバーがインストールされるシステムと同じサブネット上にない場合、「ブートサーバーをサブネット上で作成する方法」を参照してください。システムがインストールサーバーからインストールされるよう設定するには、「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」に進みます。
ネットワーク上の任意のインストールサーバーから、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールできます。ただし、他のサブネット上のインストールサーバーを使用する場合は、そのシステムがあるサブネットにブートサーバーが必要です。ブートサーバーは、ネットワーク上でシステムをブートするためのブートソフトウェアを持っています。一方、インストールサーバーは、Solaris ソフトウェアをインストールします。
サブネット内でブートサーバーとするシステムにログインして、スーパーユーザーになります。
このシステムは、ローカルの CD-ROM ドライブまたはリモートの Solaris CD イメージを使用できる必要があります。また、このシステムは NIS または NIS+ のネームサービスに登録されていなければなりません。(NIS または NIS+ のネームサービスを使用していない場合、そのサイトでのポリシーに従って、このシステムについての情報を配布しなければなりません。)
この手順では、システムがボリューム管理を実行していると仮定しています。ボリューム管理なしで CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Solaris CD イメージをどこから使用するかによって、次に行う操作が異なります。
システムをインストールするために使用するものと同じリリースとプラットフォームタイプの Solaris CD イメージを使用しなければなりません。
Solaris CD イメージ上の Tools ディレクトリに移動します。
# cd Solaris_2.7/Tools |
setup_install_server コマンドを使用して、ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーします。
# ./setup_install_server -b boot_dir_path |
このシステムがブートサーバーとして設定されることを指定する。 |
|
boot_dir_path |
ブートソフトウェアがコピーされるディレクトリを指定する。このディレクトリは空でなければならない。 |
setup_install_server コマンドは、プラットフォーム固有の情報をコピーできる十分なディスク容量があるかどうかを教えてくれます。利用できるディスク容量を確認するには、df -kl コマンドを使用します。
次の例では、Solaris CD イメージのブートソフトウェアを、システムのローカルディスクの /export/install/boot にコピーすることによって、サブネット上にブートサーバーを作成します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.7/Tools # ./setup_install_server -b /export/install/boot |
これで、サブネット上のサポートされているシステムをブートするように、ブートサーバーを設定できました。作業を続けるには、「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」に進みます。